ペナン州、2023年12月の輸出額で州別首位を維持

【ジョージタウン】 ペナン州のチョウ・コンヨウ首相は、同州が2023年12月の輸出額で373億リンギを達成し、国内州別で首位を維持したと明らかにした。

チョウ州首相は、ペナンはマレーシアで2番目に小さい州であるにも関わらず、国の経済への貢献、成長、投資家誘致の面で常にトップ3に入っていると強調。2024年も製造業への投資拡大が見込まれるとした。ペナン州は1州だけで全国製造業部門の42%を占め、外国直接投資(FDI)誘致にも大きく貢献しており、同州の2023年第3四半期の製造業FDI額は前年の6倍の358億リンギにまで達している。オランダ、米国、シンガポールからのFDI額が多く、3カ国で95%を占めているという。
(ザ・サン、2月14日、ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、ベルナマ通信、2月13日)

国民認識指数が改善、「富の公平な分配」では悪化

【クアラルンプール】 一般国民が、国や国民の特質・属性をどう認識しているかを示すマレーシア国家ラーマ指数は、昨年が7.24(満点は10)で、前年の6.47を上回った。

指数をまとめているのは研究機関のカジアン・ダサル・イクラムで、年齢18歳かそれ以上、少なくとも中等教育修了レベルの教育を受けた人を昨年9月から11月にかけ調査し、3,192人が回答した。都市居住者が全体の71.6%で、残りは地方居住者。

調査では12の項目について聞いた。高得点だったのは「強固な家族」、「世界の平和・人道的努力を先導」、「見識ある、礼儀正しい情け深い社会」で、それぞれ7.98、7.93、7.72だった。点が低かったのは「富の公平な分配」、「持続可能な経済」、「良好な統治」で、それぞれ6.14、6.84、6.86だった。

イクラムのハニム・サレー副社長は富の公平な分配の得点について、「最重要な指標である貧困の軽減で最も点数が低かった」と説明した。「持続可能な経済」について、世界的な経済減速がマレーシアに影響したという。

統治が低得点だったことについてハニム氏は「政府は国民の信頼を得るため、多くのことを行う、あるいは改善する必要がある」と述べた。
(マレー・メイル、2月13日)

マレーシア、ITUの情報通信技術開発指数で世界15位に

【プトラジャヤ】 国際電気通信連合(ITU)による世界の情報通信環境に関する年次報告書「2023年度情報通信技術開発指数(IDI2023)」において、マレーシアは世界15位、ASEAN(東南アジア諸国連合)地域では3位となった。

IDI 2023は、通信網の普及状況やインターネット利用率・情報量、携帯電話所有率などの10の指標から100点満点で各国・地域の通信環境を評価したもので、マレーシアは94.5点を獲得した。

ASEANで首位となったのはシンガポール(97.4点)、2位はブルネイ(94.8点)だった。世界トップはクウェート(98.2点)。日本は92.0点、世界平均は72.8点だった。

マレーシア通信マルチメディア委員会(MCMC)は声明で、関係者の協力を得て、5Gや衛星通信の普及を加速させ、地方におけるネット接続の問題にも対処できたとし、今後も国内通信環境の強化に向けた取り組みを継続すると述べた。
(マレー・メイル、ボルネオポスト、ベルナマ通信、2月7日、ITU発表資料)

米中貿易摩擦、技術覇権争いはマレーシアに恩恵=ムーディーズ

【ペタリンジャヤ】 格付け会社のムーディーズ・インベスターズ・サービスは、マレーシアを含むアジア太平洋の複数国は米中貿易摩擦、米中の技術覇権競争の恩恵を受ける可能性があるとの分析を示した。米中の争いはサプライチェーンを混乱させるからだとしている。

ムーディーズは、マレーシア、ベトナム、タイなど製造業が強固で、インフラも優れている国が、米中競争に乗じる機会を得られるとした。中東における軍事衝突もサプライチェーンを危機に陥らせるという。

ムーディーズによれば、アジア太平洋地域25カ国の実質国内総生産(GDP)成長率(加重平均値)は昨年の4.4%から今年は3.6%に減速する見通し。中国経済の減速、米国景気循環の下降など世界経済が精彩を欠いているためだという。

中国の経済減速は、モノ・サービスの貿易、一次産品価格、投資などの側面で域内に波及するとみられる。この結果、アジア太平洋地域全体と、中国を除いたアジア太平洋地域の経済成長率は同じになる可能性が高い。それでも域内の成長率はほかの地域の成長率を上回るという。
(フリー・マレーシア・トゥデー、2月5日)

昨年の自動車販売台数、国民車メーカーのシェアが66.9%に

【クアラルンプール】 マレーシア自動車協会(MAA)によると、2023年通年のメーカー別自動車販売台数のトップはダイハツ系のプルサハアン・オトモビル・クドゥア(プロドゥア)で、前年比17.1%増の33万325台となった。シェアも前年の39.1%から41.3%まで増加した。

2位はプロトンで、11%増の15万975台。国民車メーカー2社を合わせた市場シェアは66.9%で、2002年以来で最大となった。

3位はトヨタで6.2%増の10万6,206台。4位は0.3%減のホンダの8万27台、5位は三菱で9.6%減の2万1,719台だった。その他の日本車メーカーでは、▽マツダが30.6%増の1万9,124台(6位)▽いすゞが7.3 %増の1万6,908台(7位)▽日産が27.5%減の1万台(9位)▽日野が2.3%減の5,768台(12位)▽スバルが28.4%減の1,801台(19位)▽三菱ふそうが1.4%増の1,458台(22位)▽ダイハツが23.9%減の905台(23位)▽マレーシア市場再参入のスズキが324台(28位)ーーと続いた。

全体の販売台数は11%増の79万9,731台だった。ただしプジョー、韓国・起亜自動車、テスラの販売台数はMAAのデータには含まれていない。
(ポールタン、2月2日)

オンライン詐欺による損失額、昨年は13億リンギ超=副通信相

【クライ】 テオ・ニーチン副通信相は、オンライン詐欺による被害額は2023年1月1日から12月8日までの約1年間で13億4,000リンギとなり、2022年通年の8億400万リンギを大きく上回ったと明らかにした。

国家詐欺対応センター(NSRC)には、同期間中に直通電話番号「997」を通じたオンライン詐欺通報が3万3,234件寄せられた。オンライン詐欺には大きく分けて6つの手口があり、投資詐欺の被害額が4億3,700万リンギで最も多く、次いで▽電子商取引(3億8,300万リンギ)▽通信(3億3,400万リンギ)▽電子金融(1億400万リンギ)▽恋愛詐欺(4,100万リンギ)▽架空融資(3,900万リンギ)ーーが続いた。

テオ副相は国民に対し、オンライン犯罪組織による、高い収益を期待させるような投資詐欺などに騙されないよう警戒を呼び掛けた。
(フリー・マレーシア・トゥデー、ベルナマ通信、1月28日)

経済改革や紅海危機が中・高所得世帯に影響=エコノミストら

【クアラルンプール】 エコノミストらは、政府が経済改革の一環として、対象を絞った補助金制度を導入することで、今年後半に中・高所得世帯の生活費が上昇すると予想している。

バンク・ムアマラット・マレーシアのモハマド・アフザニザム主任エコノミストは、補助金削減に加え、紅海危機による輸入品価格の上昇も予想されるため、貯蓄額が少ないM40(中位40%)の世帯が最も影響を受けると述べた。M40世帯の月収は5,250ー1万1,819リンギと定義されている。

光熱費で値上げが確定しているのは、1月からの電気料金(値上がりは平均22リンギ)、2月からの水道料金(同1.6ー8リンギ)。3月以降にサービス税の6%から8%への引き上げも予定されている。

アフザニザム氏は、フーシ派による紅海での海運攻撃が続いているため、コンテナ船は南アフリカの喜望峰を経由する長いルートを回航せざるを得なくなり、海運コストの上昇により輸入品のコストも上昇し始めると説明。今年の運賃は前年の3倍になる可能性もあるとし、マレーシアの海上貿易は貿易総額の50%以上を占めているため、ビジネスコストが増大するとした。

会計事務所プライスウォーターハウスクーパース(PwC)・マレーシアの経済・政策担当であるテイ・スーエン氏は、M40とT20(上位20%)層は輸入品を多く消費するため、輸送コストの上昇の影響をより大きく受けるとし、世界貿易の弱体化による世界経済の減速、地政学的緊張が高まる中での公的債務の増加や借入コストの高騰などを背景に、2024年も経済の低迷が続くと予想。ただし政府の経済改革は必要だと指摘した。回復力のある強い経済を構築でき、最終的には全国民の所得向上や公共サービスの向上につながるとしている。
(ストレーツ・タイムズ、1月22日)

マラッカ州、23年第3四半期に47.7億リンギの投資を誘致

【アロー・ガジャ】  マラッカ州のアブドル・ラウフ・ユソー首相は22日、マラッカ州は2023年第3四半期に47.7億リンギの投資(認可ベース)を誘致したと明らかにした。

スイス企業オーデマ・マイクロテックの新製造施設の開所式に出席した州首相は、州の年間投資誘致額の目標は50億リンギだが、その目標を達成できることを確信していると述べた。今年もより多くの投資誘致を目指すとしている。

マラッカ州には60カ所に及ぶ半導体工場があり、工業・製造業部門は、2022年に州の国内総生産(GDP)の37.2%に貢献している。州内工業部門では18万5,000人以上の雇用機会を創出しているという。
(マレー・メイル、ベルナマ通信、1月22日)

昨年のIPO調達資金は37億リンギ、東南アジア3位

【クアラルンプール】 会計事務所デロイトがまとめた、昨年の東南アジアにおける新規株式公開(IPO)報告によると、マレーシアのIPOは32件(前年は35件)で、調達された資金は合計37億リンギ(7億9,000万米ドル)だった。上場した企業の時価総額は前年比18%増の29億9,000万米ドルだった。

デロイト・マレーシアのウォン・カーチューン氏によると、二部に相当するACE市場は成長力のある企業にとり上場しやすく、公開価格も手ごろで投資家の関心を引き付けている。今年は機関投資家、個人投資家の投資意欲、特に消費関連、テクノロジー関連銘柄への意欲を背景に、多数のIPOが予想されるという。

東南アジアのIPO件数は前年と同じ163件、調達資金は24%減の58億米ドル、時価合計は26%減の417億米ドルだった。

調達資金の国別1位はインドネシアで、62%を占めた。次いでタイの22%、マレーシアの14%と、3カ国で全体の98%を占めた。インドネシアは前年比53%増加したが、ほかの国は減少した。

世界各国の取引所は東南アジアの企業に対する関心を高めており、上場誘致活動を強化しているという。
(フリー・マレーシア・トゥデー、マレー・メール、1月18日)

第4四半期のGDP成長速報値は+3.4% 通年は+3.8%=統計局

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 統計局は19日、2023年第4四半期(10ー12月期)のマレーシア国内総生産(GDP)成長率の速報値を発表。前期(7ー9月期)の+3.3%を上回る+3.4%と予測した。正式発表は2月16日を予定している。
セクター別では、牽引役のサービス業は、前期の+5.0%から下がったものの+4.7%を維持。卸売・小売業、輸送・倉庫、ビジネスサービスのサブセクターが貢献した。

前期に0.1%のマイナス成長に転落した製造業は、電気・電子・光学製品、石油、化学、ゴム・プラスチック製品が減少したものの、植物性・動物性油脂、食品加工、非金属鉱物製品、卑金属・金属加工品の増加が貢献して0.1%のプラス成長にやや回復した。

農業はアブラヤシ、その他の農業、畜産、天然ゴムが貢献して、前期の+0.8%から+1.2%に回復した。 鉱業・採石業は天然ガスや原油・コンデンセートの生産増に下支えされて前期の+0.1%から+3.7%に回復した。

一方、建設業は土木や住宅建設が緩やかに成長したものの、特殊建設と非住宅建設の減少により前期の+7.2%から+2.5%に減速した。

2023年通年のGDP成長率速報値は+3.8%で、セクター別ではサービスが+5.4%、建設が+5.8%、製造業が+0.8%、鉱業・砕石業が+1.0%、農業が+0.5%と、いずれもプラス成長となった。