IMF、マレーシアのGDP成長予想を4.4%に上方修正

【クアラルンプール】 国際通貨基金(IMF)は、2024年のマレーシアの実質国内総生産(GDP)成長見通しを従来予想の4.3%から4.4%に上方修正した。マレーシアの2023年のGDP成長率は3.7%だった。

IMFは「着実ではあるが遅い、乖離の中での回復力」と題した最新の世界経済見通し(WEO)の中で、2025年についてもマレーシアのGDP成長率は4.4%にとどまると予想。消費者物価上昇率については今年は2.8%、来年は2.5%、経常収支については今年はプラス2.4%、来年はプラス2.7%になるとした。また失業率については、今年・来年共に3.5%と予想している。

世界経済の成長率について、IMFは依然として高水準の借入コストや財政支援の打ち切りといった短期的な要因と、新型コロナ・パンデミックやロシアによるウクライナ侵攻、弱い生産性の伸び、地域分断の進行といった長期的な影響の両方により、歴史的基準に比べれば拡大ペースは低いと指摘。昨年3.2%だった経済成長率が2024年と2025年も同じペースを維持すると予想した。
(ザ・スター、マレーシアン・リザーブ、ベルナマ通信、4月17日)

ジョホールバルで自動高速輸送インフラ開発、州政府が計画

【イスカンダル・プテリ】 ジョホール州のオン・ハフィズ・ガジ首相は、州政府がジョホールバル(JB)市内の交通渋滞緩和に向けて多層的な自動高速輸送(ART)インフラの開発を目指していることを明らかにした。すでに同州スルタンであるイブラヒム国王からも同意を得ており、更なる検討に向けて連邦政府に提案するという。

16日に開催されたJBとシンガポールを結ぶ電気バス・サービスの出発式に出席したオン・ハフィズ州首相は、ART開発はJBとシンガポールを結ぶ高速鉄道輸送システム(RTS)の完成後に増加が予想されるJB経由のシンガポールへの旅行者増に備えたものだとした上で、加えて市民のJB市内外へのスムーズな移動を促進するために様々な公共交通機関の選択肢を用意することが必要だと述べた。

国境越えの電気バス・サービス開始にあたっては、運行業者であるハンダル・インダが8,000万リンギを投じて60台を購入した。運行するのはラーキン・セントラル―ジュロン・ イースト間、ラーキン・セントラル―ブーン・レイ間の2路線。
(エッジ、ポールタン、ベルナマ通信、4月16日)

 

マレーシア人訪日者数、3月は7.7%増の4万1900人

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 日本政府観光局(JNTO)が発表した2024年3月の訪日者数統計(推計値)によると、マレーシアからの訪日者数は4万1,900人となり、前年同月比で7.7%増加したが、前月比では30.4%減少した。

JNTOによると、旅行代金の高騰、LCCの地方路線の回復の遅れ、ラマダン(断食月)による旅行控え等の影響があったが、スクールホリデー等の影響もあり増加した。なお、新型コロナ前の2019年同月との比較では17.2%減となった。
クアラルンプール(KL)ー新千歳間の復便もあり、日本への直行便数は前年同月に比べ回復傾向にある。

3月の世界全体の訪日者数は、前年同月から 69.5%増の308万1,600人となり、2019年同月からは11.6%増となった。春の桜シーズンによる訪日需要の高まりに加え、今年はイースター休暇が3月下旬から始まったこともあり、単月として過去最高を更新するとともに、初めて300万人を突破した。

JNTOは、昨年3月に策定された第4次観光立国推進基本計画で3つの柱「持続可能な観光」、「消費額拡大」、「地方誘客促進」が示されるとともに、旅行消費額・地方部宿泊数等に関する新たな政府目標が掲げられたとし、これらの実現に向けて、市場動向を綿密に分析しながら、戦略的な訪日旅行プロモーションに取り組んでいくとしている。

ガソリン補助金支出の削減は年内に実施=経済相

【クアラルンプール】 ラフィジ・ラムリ経済相は17日、財政赤字の縮小を目指し、ガソリンに対する一律補助金制度を廃止し、年内にも補助金支出の削減を実施すると改めて言明した。

ラフィジ大臣は、政府は生活困窮者支援に重点を置いており、その方針は変わっていないと強調。補助金の削減によりインフレ率が上昇する危険があるため、補助金削減の順序を管理する必要があると述べた。

政府は、国内総生産(GDP)に対する財政赤字比率を、前年の5%から今年は4.3%まで減少させることを目指している。ラフィジ大臣は、昨年政府が支出した810億リンギの大部分を占めていたガソリン「RON95」への一律補助金を段階的に廃止する計画だとした。

ラフィジ大臣は現在の包括的な補助金制度では高所得者層(T20)が受給者の53%を占めているため、対象を絞った新しい補助金制度の導入が必須だとし、4.3%という財政目標を達成するためには、一定のスケジュールを守らなければならないと述べた。
(エッジ、マレーシアン・リザーブ、ブルームバーグ、ポールタン、マレー・メイル、4月17日)

TMI総合法律事務所、KLに新拠点を設立へ

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 TMI総合法律事務所(本社・東京都港区)は17日、マレーシアの法律事務所SYテオ&コー(SYテオ)との新たな業務提携を通じ、「SYテオ&コー・イン・アソシエーション・ウィズTMIアソシエイツ」としてクアラルンプール(KL)に新拠点を設けると発表した。

SYテオは、TMIシンガポールオフィスに所属するヅィー・イーテオ弁護士が代表を務めるマレーシアの現地法律事務所。ヅィー弁護士は、マレーシア及びシンガポールの弁護士資格を有し、M&Aなどのコーポレート案件の経験を有している。

TMIは、2015年9月よりマレーシアの現地法律事務所チューイ・アンド・カンパニー(C&C)と業務提携を開始し、C&Cのジャパンデスクと協働するとともに、シンガポールオフィスにマレーシアデスクを設けることにより、マレーシアでのM&A、訴訟、不動産開発、労務、不正調査、知的財産権等の様々な案件に関与してきた。

今後は、紛争、プロジェクト案件等の大型案件に対応すべくC&Cとの業務提携は継続しつつ、新たに拠点を設けることにより、これまで以上に機動的かつ充実したリーガルサービスを提供していく方針だ。