SOMPO福祉財団、DV被害者支援団体に2.25万リンギを助成

【クアラルンプール】 日本のSOMPO福祉財団は、東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟国やインド、南アフリカの社会福祉分野で活動する非営利団体を対象とした2023年度海外助成の一環として、女性支援団体のウイメンズ・エイド・オーガニゼーション(WAO)マレーシアに対し、2万2,500リンギを助成した。

2023年度海外助成の対象となったのは全5団体。マレーシア団体への助成は今回で11回目となる。SOMPOホールディングスの傘下にあるマレーシア現地法人ベルジャヤ・ソンポが、ドメスティック・バイオレンス(DV)被害者に対する継続的な支援活動を評価し、WAOを候補として推薦していた。

WAOは、毎年平均100人のDV被害者である女性・子どもにシェルターを提供。女性に対する暴力をなくし、女性の権利促進に向けた啓蒙活動も行っている。助成金は主にDV被害者の生活再建に向け、栄養価の高い食品や生活必需品を中心とした物資、心理的支援、技能向上プログラムなどを提供するために充てられる。

ベルジャヤ・ソンポのタン・セクキー最高経営責任者(CEO)は、DV被害者を支援するというWAOの取り組みに協力できることを光栄に思うとし、被害者が自己信頼を取り戻し生活を再建できるよう、積極的な役割を果たしていきたいと述べた。
(ビジネス・トゥデー、4月4日、カーシフ、4月1日、SOMPO福祉財団発表資料)

UMWトヨタ、第1四半期の販売台数は7%減の2万3444台

【クアラルンプール】 UMWトヨタ(UMWT)は、「トヨタ」と「レクサス」の両ブランドを合わせた2024年第1四半期の販売台数が前年同期比7%減の2万3,444台となったと明らかにした。

3月単月では、「トヨタ」が9,471台、「レクサス」が217台の合計9,688台となった。同社は同月、科学技術革新省と共にサステナビリティに向けた取り組みを行い、水素燃料電池車「ミライ」の試乗会などを実施した。また、商用車のハイエース・パネルバン3.0Lの予約受付を開始。従来の2.5Lモデルから性能を向上させ、環境にも配慮している。

UMWTは4月10ー11日のハリラヤ(断食月明け大祭)に向けたキャンペーンも実施しており、特定車種の100%ローン、最大7,500リンギの割引、「ヤリス」の月額658リンギからの分割支払いなどの特典を用意しているという。
(ザ・スター、4月5日、ポールタン、4月4日)

【従業員の勤労意欲を高めるために】第872回:ライフスタイルとモチベーション(12)読書が異文化理解を高める?

前回は、最近駐在員の方々に対して行ったアンケート調査の結果から、睡眠と食事が、文化的知性や心の知性を高めるうえで効果があることを紹介しました。今回も、このアンケート調査の結果の一部を紹介します。

8か国184人の日本人駐在員が参加したアンケート調査から得られたデータを分析したところ、睡眠や食事と同様に、趣味や学習を行う習慣が、文化的知性と相関することが示されました。この趣味・学習については、その実践により、幸福感の向上や健康の維持などの多面的な効果が期待できることが最近のシステマティックレビューで確認されています(Fancourt et al., 2021)。中には、読書が、他者への共感や認知能力を高めることを示す研究もあります。Kidd & Castano(2013)が行った、18歳から75歳までが参加した5つの介入研究では、小説などのフィクションを読むと、ノンフィクションや、大衆小説、或いは、まったく読まない群と比較して、感情的・認知的テストの成績が向上することが示されました。テストには、例えば、参加者に人の目の白黒写真を見せて、その人の感情を読み取るように求めるものがあります。この研究の結果は、非現実的な要素を含む文学や芸術に触れることで、他人の感情や信念を理解する能力が向上する可能性を示唆しています。

慣習によってステレオタイプ化された我々の社会的経験とは異なり、フィクションの多くは私たちの期待を混乱させます。そのため、読者は、登場人物の感情や考えを推測するために、より柔軟な解釈を行う必要があります。こうした負荷が、感情的・認知的効果の原因の一部にあると論文の著者らは考察しています。従って、こうした趣味を持つ駐在員が、現地の人々の顔の表情などから感情を読み取ることに長けていて、そのことで、異文化に対する学習意欲や知識が高まり易い状態にあったとしても不思議ではありません。皆さんも、何か趣味を持つようにすることで、従業員の気持ちが理解し易くなり、現地での経営もより行い易くなるかも知れません。


Fancourt, D., Aughterson, H., Finn, S., Walker, E., & Steptoe, A. (2021). How leisure activities affect health: a narrative review and multi-level theoretical framework of mechanisms of action. The Lancet Psychiatry, 8(4), 329-339. https://doi.org/10.1016/S2215-0366(20)30384-9
Kidd, D. C., & Castano, E. (2013). Reading literary fiction improves theory of mind. Science, 342(6156), 377-380.https://www.science.org/doi/10.1126/science.1239918 

國分圭介(こくぶん・けいすけ)
京都大学経営管理大学院特定准教授、東北大学客員准教授、国際経済労働研究所理事、東京大学博士(農学)、専門社会調査士。アジアで10年以上に亘って日系企業で働く現地従業員向けの意識調査を行った経験を活かし、産業創出学の構築に向けた研究に従事している。
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在庫利用のオフプライスストア「カラーズ」、KLに2号店開設

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 Shoichi(本社・大阪市)は3月15日、日本国内のアパレル余剰在庫を活用したオフプライスストア「Colors(カラーズ)」のマレーシア2号店をクアラルンプール(KL)のブキビンタンに開店した。

2号店は「スンガイ・ワン・プラザ」のLG階に所在。マレーシア1号店の「ファーレンハイト88」店と同じく、レディース商品がメインで、アパレル・服飾雑貨・コスメを低価格で販売している。また売上の一部は「助け合い0プロジェクト」の一環として現地で活動するNPO、NGOを通じ社会貢献に役立てられている。

マレーシア2号店の開業により、展開中の「カラーズ」海外店舗はマレーシア2店舗、カンボジア2店舗、ベトナム2店舗の計6店舗となった。

ファイバークレーズ、マラヤ大学と感染症対策共同研究で合意

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 高機能性素材を開発する岐阜大学発ベンチャー企業のファイバークレーズ(本社・岐阜県岐阜市)は、マラヤ大学傘下の感染症研究センターである熱帯感染症研究教育センター (TIDREC)との間で、感染症対策技術に関する共同研究の実施を目的とした基本合意書(MoA)を締結した。

今回のMoAにより、ファイバーグレーズは、独自の世界初の繊維・フィルム素材への多孔化技術を利用した先端素材「クレーズテックス」を利用して、デング熱やマラリアなどの感染症の予防を目的とする防虫成分を閉じ込めた高機能性素材の開発を進める。TIDRECとの共同研究により、これらの感染症が大きな社会問題となっているマレーシアにて実証実験を行うことで、現地の感染症対策に貢献することを目指す。

カードゲームのブシロード、印刷の五輪テクニカルを連結子会社化

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 カードゲームのブシロード(本社・東京都中野区)は3日、印刷製造やパッキング部材の製造に携わる日系企業の五輪テクニカル・インダストリー(マレーシア)の株式を取得し、連結子会社化したと発表した。

シンガポール子会社であるブシロード・インターナショナルを通じ、五輪テクニカルの株式75%を取得した。

ブシロード・グループは IP(知的財産)を軸にアニメ、ゲーム、音楽、イベント、マーチャンダイジング(MD)など、様々な事業展開を行うIPデベロッパーを基本戦略としている。昨今のグローバル市場において同社の祖業であるトレーディングカードゲーム(TCG)はますますの盛り上がりを見せており、国内・海外とも市場規模は年々拡大してきている。そのため、同社TCGの「ヴァイスシュヴァルツ」英語版や「カードファイト!!ヴァンガード」英語版などの製造を長年行っている五輪テクニカルの株式を取得し、連結子会社化することを決定した。

ブシロードは、五輪テクニカルの連結子会社化により、TCGの製造において安定的な体制を強固なものとするとともに、同社TCGを全世界へより広めてゆくための重要な拠点としての機能を果たすことを期待しているとした。