2024年のマレーシア家計支出は緩やかに成長=BMI予想

【クアラルンプール】 フィッチ・ソリューションズ傘下のBMIは、経済成長の持続と消費水準の正常化に伴い、2024年のマレーシア家計支出が前年比5%増の9,038億リンギに達し、新型コロナ以前の成長水準(年率5.2%)に戻るとの見通しを示した。

BMIは、インフレの緩和や、実質賃金のプラス成長につながる労働市場の逼迫など、支出を支える要因が、年間を通じて購買力を高めると予想。一方で、食料品や燃料など特定商品のインフレ圧力による低・中所得世帯の消費マインドの弱まりを指摘し、2023年第4四半期の消費者信頼感は前四半期に比べ若干の上昇が見られたものの、過去平均と比べると依然低い水準に留まっているとした。

その上でBMIは、家計債務が高水準にあることが、将来の借入能力と現在の可処分所得のレベルに影響し、マレーシアの消費者見通しにとって依然リスクとなっていると指摘。マレーシア中銀が、2023年第3四半期の家計債務残高を国内総生産(GDP)比68.5%と予測し、家計債務が内需に与える影響を注目する姿勢を強調していることを挙げて、2024年のマレーシアの個人消費について前向きな見通しを維持する一方、持続的な成長と安定を確保するために経済指標と家計債務水準を監視することの重要性を強調した。
(ビジネス・トゥデー、ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、ベルナマ通信、4月24日)

KLIAエアロトレインは来年3月までに完成=仏アルストム

【クアラルンプール】 クアラルンプール国際空港(KLIA)のメイン・ターミナルビルとサテライトビルを結ぶ無人列車のKLIAエアロトレインの更新は来年3月までに完了する見通しだ。更新プロジェクトの調整役を務める仏系アルストム・トランスポート・システムズが明らかにした。

アルストムは新型エアロトレインのOEM(相手先ブランド生産)企業として、プロジェクトの調整作業を指揮し、2025年第1四半期までに列車3編成と軌道2本を完成させることを目指している。

アルストムのヤン・マイシャンドー社長(マレーシア・シンガポール担当)は、全利害関係者と協力し、品質や信頼性を維持しながら、期限厳守に向けて努力していると説明。アルストムは、列車や信号、メンテナンスに先端技術を取り入れており、軌道に異常が発生した場合、人工知能(AI)搭載カメラを通じて運転士に通知を送信するとし、機器運用の最適化に向けたAI予測機能や信号システムの衝突回避機能なども導入しているとした。
(ザ・バイブス、ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、4月24日)

米テスラ、「モデル3ハイランド」のパフォーマンスモデルを発表

【クアラルンプール】 電気自動車(EV)メーカーの米テスラは、マレーシア市場向けに小型EVセダン「モデル3」のフェイスリフト版「ハイランド」のパフォーマンス・モデルを発表した。

価格は24万2,000リンギから。別途、注文料1,000リンギ、配送料500リンギが必要となる。

中国・上海工場「ギガファクトリー」から輸出され、最大出力は460馬力(HP)で、最高速度は時速262キロメートル(km)。0-100km時(静止状態から時速100km)加速は3.1秒で、航続距離はWLTP基準で最大528km。インテリアは標準がブラックで、ホワイトへのアップグレードは5,000リンギの追加費用が必要。走行状況に合わせて減衰力を制御する新しいアダプティブダンパーシステムが導入され、外観・インテリアも変更されている。

テスラ・マレーシアは1,000リンギの予約料で予約受付を開始しており、第2四半期中に納車するとしている。
(ポールタン、4月24日)

ゲオ、19店舗目の「セカンドストリート」をKLにオープン

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 ゲオホールディングス(本社・愛知県名古屋市)は24日、5月25日に衣料・服飾専門リユースショップ「セカンドストリート」をクアラルンプール(KL)にオープンすると発表した。

店舗名は「セカンドストリート・バンダー・スリ・ペルマイスリ店」。衣料品やバッグ・靴・アクセサリーなどの服飾雑貨商品の買取・販売を行う。売場坪数は133坪で、営業時間は午前10時ー午後10時となる。

ゲオホールディングスは、2018年6月に「セカンドストリート」のマレーシア1号店をオープン。今回の新店舗開設により、マレーシア国内で直営する店舗数は19店舗となる。

同社はマレーシア以外にも2018年1月に米国、2020年8月に台湾、2023年12月にタイでそれぞれ1号店を出店。2024年4月時点で、米国で35店舗、台湾で29店舗、タイで1店舗を運営している。

サラワク州投資誘致機関と東洋エンジが提携、エネルギー移行を推進

【クチン】 サラワク州の投資誘致機関インベスト・サラワクと東洋エンジニアリング(本社・千葉県習志野市)、同マレーシア子会社の東洋エンジニアリング・アンド・コンストラクションは、州政府のエネルギー移行計画で必須となるエネルギー関連事業で協力関係を構築するための覚書を交わした。

州政府は、グリーン水素、二酸化炭素回収・貯留、廃棄物のエネルギー転換、蓄電、揚水発電、スマート送電網などのプロジェクトを計画しており、東洋エンジニアリングはこれを支援する。

インベスト・サラワクのティモシー・オン最高責任者は「サラワク州は持続可能なクリーンエネルギーで経済、社会の発展を図る。東洋エンジニアリングの知見、技術力を活用し、州の能力を高める」と述べた。

東洋エンジニアリングの松室健 専務執行役員は「提携を通じ、わが社の経験、技術をサラワク州のエネルギープロジェクトに役立てる」とした。

水資源が豊かなサラワク州はエネルギー転換に意欲的で、水力発電による電力を利用し、年間9万トンのクリーン水素を製造し、日本の需要地に輸送するプロジェクトが、住友商事、ENEOS、州政府系SECDエナジーの間で進行中だ。
(ボルネオポスト、エッジ、4月22日)