マレーシアのグリーン投資、昨年10億米ドルに急増=米調査

【クアラルンプール】 マレーシアの2023年のグリーン投資は、前年比326%増の10.3億米ドル(49.2億リンギ)に急増した。東南アジア全体では前年比20%増の63億米ドル(301億リンギ)となり、マレーシアは16.3%を占めた。

コンサルティング会社の米ベイン・アンド・カンパニーは、グリーン投資のジェンゼロ、スタンダード・チャータード銀行、シンガポール政府系投資会社テマセクと共同で作成した「東南アジアのグリーン経済2024」リポートの中で、電力、特に再生可能エネルギーがグリーン投資の中心となっているが、2023年はグリーン・データセンターへの投資の増加や廃棄物管理への投資が増加したと述べた。

具体的には、ヌサジャヤ・テックパークへの2億8,000万米ドル(13億4,000万リンギ)、クライへの2億5,000万米ドル(11億9,000万リンギ)の投資など、ジョホール州のデータセンターへの大規模な投資が貢献した。

リポートでは、国内グリーン・エネルギー開発を加速させるため、混合金融の導入の推進や自然エネルギー規定の整備、工業団地の推進を継続することが重要だとしている。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、フリー・マレーシア・トゥデー、4月16日)

GDEXがIT事業に多角化へ、宅配事業の競争激化で

【クアラルンプール】 宅配サービスのGDEXは、情報技術(IT)サービス・ソリューション事業への多角化を計画している。

GDEXが16日付けでブルサ・マレーシア(マレーシア証券取引所)に宛てた声明によると、同社は2023年度までの3年間、売上高の85%以上を占める宅配事業に依存してきたが、外資系宅配業者との競争激化の影響を受け、赤字が継続している。そのため、IT事業への多角化に向け、2022年にウェブ・バイツ、スイートマグ・ソリューションズ(M)、アノン・セキュリティというIT企業3社の株式をそれぞれ38%、51%、60%取得した。GDEXは3社を通じ、Eコマースやウェブサイト開発、業務用ソフトウェア、サイバーセキュリティ・コンサルティングなどのITサービス・ソリューション事業に参入する。多角化は今年第2四半期までに完了する予定で、UOBケイヒアン・セキュリティーズ(M)がアドバイザーを務める。

GDEXの2023年度のITサービス・ソリューション事業の売上高は3,340万リンギ(総売上高の8.4%)だったが、人材採用の拡大に伴う人件費の増加により、税引き後損失100万リンギを計上した。GDEXは事業規模の拡大によりIT部門の業績が好転すると見込んでおり、IT部門は今後、グループの純利益の25%以上を占めると予想しているという。他IT企業への投資や買収、提携などについても検討するとしている。
(ザ・スター電子版、マレーシアン・リザーブ、エッジ、4月16日)

フォーブス長者番付、クオック氏がマレーシア人1位を堅持

【クアラルンプール】 米経済誌「フォーブス」は15日、2024年版のマレーシア長者番付を発表。精糖業で財をなしたロバート・クオック氏がトップを堅持した。推定純資産は115億米ドル。

2位はクエック・レンチャン氏(ホンリョン・グループ)で、推定純資産は88億米ドルだった。3位はテー兄妹(パブリック・バンク)で、推定資産額は54億米ドル。4位はリー・ヨーチョー氏とリー・ヨーセン氏(IOIグループ、53.5億米ドル)、5位はクーン・ポーキョン氏(プレスメタル、53億米ドル)だった。IOIグループは初のトップ5入りとなった。

6位以下は、▽アナンダ・クリシュナン氏(マキシス、48億米ドル)▽フランシス・ヨー氏(YTL、47億米ドル)▽ジェフリー・チア氏(サンウェイ、24億米ドル)▽リム・コックタイ氏(ゲンティン、22億米ドル)▽チア・ソンクン氏(QLリソーシーズ、18億米ドル)ーーが続いた。

フォーブスによると、マレーシアの株式市場は前年比で9.0%成長したが、リンギ安が一部相殺したため、上位50人の総資産額は2%増の834億米ドルにとどまったという。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、マレー・メイル、4月16日、フォーブス発表資料)

マクドナルド店内で顧客を脅迫、反イスラエル派5人が逮捕

【クアラルンプール】 外食チェーンのマクドナルド店舗で顧客を脅迫したとして、同店のボイコットを呼びかけていた反イスラエル派5人が逮捕された。ガザ地区に侵攻しているイスラエル軍に同国のフランチャイズ運営会社が無料で食事を提供したとして、イスラム急進派の一部がマクドナルドのボイコットを呼びかけている。

事件はパハン州クアンタンの店内で発生。家族連れで食事をしていた男性に対して、反イスラエル派が侮辱する発言をし殴ると脅迫するなどした。男性は警察に被害届を提出し、自動車セールスマン、銀行員、軍関係者の3人が13日に、建設請負業者と貿易業者の2人が14日にそれぞれ逮捕された。警察の取り調べに対し、1人は容疑を認めているが、4人は否認している。

各国でのボイコット騒動に悩むマクドナルドは先ごろ、イスラエルで225店舗を展開し5,000人以上を雇用しているアロニアル社から、30年間続いた同国のフランチャイズを買収すると発表していた。
(フリー・マレーシア・トゥデー、4月15、16日)

回転寿司のスシロー、マレーシア進出に向け現地法人を設立

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 回転寿司「スシロー」を運営するフード&ライフ・カンパニーズ(F&LC)は16日、マレーシアへの店舗進出に関する調査・検討を目的として 現地法人「スシロー・マレーシア」を5日に設立したと発表した。

スシロー・マレーシアは、F&LCの100%子会社である「スシローGHシンガポール」の子会社となり、F&LCにとり孫会社となる。

スシロー・マレーシアはまた、より具体的な店舗進出に向けた取り組みを行うため、16日付けで増資を行うことを決定した。増資額は99万9,999リンギ(約3,200万円)で、そのうち49%をスシローGHシンガポール、51%を現地パートナーが引き受ける。増資後の資本金は100万リンギ(約3,200万円)となる。

スシローは、東アジアでは韓国、台湾、中国に店舗を構えており、東南アジアではシンガポール、タイ、インドネシアの3カ国に進出している。