自動車販売、2021年通年は3.89%減=MAA

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 マレーシア自動車協会(MAA)は、2021年通年の自動車販売台数が50万8,911台となり、前年比3.89%のマイナスとなったと明らかにした。
 乗用車は5.89%減の45万2,663台にとどまったが、商用車は15.87%増の5万6,248台となった。普通乗用車、窓付きバン、多目的車(MPV)、プライムムーバ、バスは減少したが、四輪駆動車・SUVやパネルバン、ピックアップ、トラックは増加に転じた。
 新型コロナウィルス「Covid-19」感染拡大防止のために発令された行動制限令(MCO)、完全ロックダウンが製造・販売活動にマイナスの影響を及ぼしたものの、経済活動の再開や売上税減免策の継続がマイナス影響を相殺。乗用車は減少したものの産業活動の回復にともない商用車は大幅増加に転じた。
メーカー別では、ダイハツ系のプルサハアン・オトモビル・クドゥア(プロドゥア)が前年の22万163台から19万291台に大きく減らしたもののトップを堅持。プロトン・ホールディングスやトヨタ、三菱が販売台数を増やしたことからシェアは前年の41.7%から37.4%に縮小した。
2位は前年と同じくプロトン。前年の10万8,524台から11万1,695台に増加した。プロトンは二年連続で前年を上回った。シェアは前年の20.5%から21.9%に上昇した。
3位にはトヨタがホンダを抜いて浮上。販売台数が5万8,501台から7万1,585台に増加し、シェアは11.1%から14.1%に上昇した。4位は昨年3位だったホンダで、販売台数は6万468台から5万3,031台に減少し、シェアも11.4%から10.4%に下がった。5位には三菱が浮上。販売台数は9,163台から1万7,489台に大幅増となり、シェアも1.7%から3.4%に倍増した。
2021年通年の生産台数は48万1,651台で、前年比0.73%の微減となった。6月に発令された完全ロックダウンによる生産ストップが影響した。乗用車は2.47%減の44万6,431台にとどまったが、商用車は28.39%の大幅増の3万5,220台となった。
2022年の販売見通しについてMAAは▽グローバル経済と国内経済の回復▽6月末までの売上税減免措置の延長▽低金利政策の継続▽消費の回復▽新型モデルの投入ーーが貢献するとして、▽新型コロナの再拡大▽半導体不足▽不安定な国内政治ーーなどの懸念材料はあるものの2021年比17.9%増の60万台と予想した。乗用車については19.3%増の54万台、商用車は6.7%増の6万台と見込んでいる。

12月の航空旅客数は312万人、コロナ後初の300万人超え

【クアラルンプール=マレーシアBIZ】 空港運営のマレーシア・エアポーツ(MAHB)によると、2021年の国内空港における航空旅客数は前年同期比58.4%マイナスの1,072.4万人となった。12月単月では、前年同月比で2.9倍、前月比1.4倍の311.9万人で、新型コロナウイルス「Covid-19」パンデミック発生以来初めて300万人を超えた。
12月の国際線は前年同月比4.2倍の32.0万人で、国内線は2.8倍の279.9万人だった。
クアラルンプール新国際空港(KLIA)は123.1万人で、前年同月比3.9倍。国際線は4.2倍の31.6万人、国内線も3.8倍の91.6万人となった。
KLIAを除く国内空港は2.5倍の188.8万人となった。国際線は2.5倍の5,000人、国内線は2.5倍の188.3万人だった。
MAHBは、シンガポールとの間で新型コロナウイルス「Covid-19」のワクチン接種を完了した者を対象に隔離なしで双方の出入国を認める「ワクチン接種完了者向けトラベル・レーン(VTL)」と、メッカへの巡礼に伴い、12月は航空旅客数が増加したと説明。また、離発着数も前月比で21%、国際線の運航本数も15%増加し、新型コロナ流行前の41.6%に回復したとした。しかし変異株の出現が今年の見通しを不透明にしているとして、慎重ながら楽観的な見方を持っていると表明。今後も変異株の動向や、ワクチン接種率の有効性、渡航制限に注視していくとした。

ボルボカーマレーシア、昨年の販売台数が14.3%増

【クアラルンプール】 スウェーデンの自動車メーカー、ボルボ・カー・マレーシアは、2021年通年の販売台数が2,229台となり、前年比14.3%の大幅増となったと明らかにした。
前年比での売り上げ増は6年連続。販売台数の73%を電気自動車(EV)及びプラグインハイブリッド車(PHEV)が占めた。また12月の販売台数は524台となり、単月では過去最高となった。
チャールズ・フランプ社長は、「ディーラーとスタッフの総力を結集して、2022年の電化に向けた土台を築き、2030年までに完全なEV会社になるという目標に向かって突進する」と述べた。
ボルボ車の世界全体の販売台数は69万8,693台で、前年比5.6%増となった。EV及びPHEVの販売が前年比63.9%増となり、販売台数全体の27%を占めた。12月単月では、EV及びPHEV販売が全体の40%を占め、EVが7.4%を占めた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、1月10日)

三菱モータース、昨年の販売台数は91%増の1万7489台

【ペタリンジャヤ=マレーシアBIZナビ】 三菱モータース・マレーシア(MMM)は6日、2021年の自動車販売台数が前年比91%増加し、1万7,489台となったと明らかにした。
最も販売台数が多かったのはピックアップ「トライトン」。販売台数は9,268台で、前年比で34%増加した。またミニバン「エクスパンダー」も好調で7,397台を販売し、過去最高となった。
池田真也 最高経営責任者(CEO)は、2021年も前年に続き新型コロナウイルス「Covid-19」の感染拡大に伴い混乱した1年だったが、三菱自動車に対する顧客からの信頼感を得たことで、販売台数は前年を超えることができたと謝意を表明。政府が導入した自動車の売上・サービス税(SST)の減免措置により「エクスパンダー」の販売台数は過去最高となったとし、今後生産量を増やし、全ての予約に応えるとした。今後も同社製品とサービスに関する感想を聞き、顧客満足度の向上に努めると表明。一方で、12月中旬より発生している洪水被害にも触れ、自動車が被災した顧客には、部品やサービス料の割引などを実施しているとして、カスタマーセンターに問い合わせるよう呼びかけた。

今年の自動車販売台数、回復するも下半期減速の見通し

【クアラルンプール】 投資銀行のアナリストは、今年の自動車の市場総需要量(TIV)は回復するが、下半期には販売が減速するとの見通しを示している。
ホンリョン・インベストメント・バンクは、今年のTIVは前年比18.8%増の60万台に達すると予想している。売上・サービス税(SST)の減免措置が2022年6月まで延長されることで、上半期の販売は好調に推移するが、下半期には減速する可能性があると指摘。自動車会社間の厳しい競争が続くため、消費者を惹きつける新モデルや販売プログラムが必要となるとした。自動車部門に対する投資判断は「ニュートラル」を維持している。
一方、RHBリサーチは、2021年のTIVは予想の47万台を上回るものの前年比13%減にとどまるとし、2022年のTIVも54万台程度となると予想している。半導体不足が続いており、またSST減免期間を延長しても、過去18カ月の間にすでに減免措置を利用して車を購入済の消費者が多いため、以前ほどの効果が得られないためだという。減免措置終了後の今年下半期からTIVはしばらくの間減少し、さらに部品不足や新型コロナウイルス「Covid-19」変異株による脅威などの逆風が続くと見込んでいる。そのため、現時点では自動車部門に対する投資判断は「ニュートラル」を維持するとした。
(ザ・スター、1月6日、ニュー・ストレーツ・タイムズ、1月5日)

2021年1ー9月の投資認可額、51.5%増の1778億リンギ

【ペタリンジャヤ=マレーシアBIZナビ】 マレーシア投資開発庁(MIDA)は12月23日、2021年1ー9月の直接投資額(認可ベース)が1,778億リンギとなり、前年同期比51.5%増となったと発表した。投資件数は3,037件で、7万9,899人の雇用創出が見込まれている。
総投資額の58.4%(1,039億リンギ)を製造業、32.5%(578億リンギ)をサービス業、9.1%を第一次産業(161億リンギ)が占めた。
外国直接投資(FDI)は、総投資額の約60%となる1,061億リンギだった。上位5カ国は、シンガポール、中国、豪州、日本、オランダで、上位5カ国だけでFDIの85.3%(906億リンギ)を占めた。日本からは太陽誘電が、サラワク州クチンにおいて積層セラミックコンデンサ新工場を建設すると発表した。
一方で、国内直接投資(DDI)は717億リンギで、総投資額の40.3%を占めた。上位の投資は、ケダ州、サラワク州、クアラルンプール、セランゴール州、パハン州で、DDI総額の75.8%にあたる1,348億リンギを占めた。
産業別では、製造業において522件(1,039億リンギ)が認可され、前年同期比で60%増となった。好調を牽引したのはFDIで、前年同期と比較して133.5%増となり、製造業への投資額の88.3%(917億リンギ)を占めた。DDIは122億リンギ(11.7%)となった。製品別では、▽電気・電子製品(643億リンギ)▽金属加工品(140億リンギ)▽ゴム製品(54億リンギ)▽基礎金属製品(52億リンギ)▽食品製造(46億リンギ)▽化学品・化学製品(41億リンギ)▽科学・計測機器(21億リンギ)▽輸送機器(9億8,080万リンギ)ーーの8製品で96.8%を占めた。
アズミン・アリ上級相(兼通産相)は、2021年12月10日時点で523件、金額にして372億リンギ規模の案件が寄せられていると言明。2022年については明るい見通しを持っているとした。

ノースポート、2021年のコンテナ取扱量が過去最高に

【クアラルンプール】 セランゴール州クラン港のノースポート(マレーシア)は12月30日、2021年通年のコンテナ取扱量が前年比20.7%増の330万5,765TEU(20フィート標準コンテナ換算)に達し、過去最高を記録したと明らかにした。これまでの最高は2010年の330万5,764TEUだった。
アズマン・シャー・モハマド・ユソフ最高経営責任者(CEO)は、2016年にMMCコーポレーション・グループが買収して以来、老朽化した機器の交換、設備の強化、サービスと生産性の向上を進めてきたと強調。2020年12月には月間最多記録を更新する31万865TEUを取扱うなど業績改善を進めてきたとし、新型コロナウイルス「Covid-19」流行や先の未曾有の広域洪水による物流被害でも迅速に対応することができ、過去最高記録を達成できたと述べた。
2021年年初には新型コロナに伴う行動制限令(MCO)で寄港するコンテナ船に対応できずコンテナ渋滞が発生し、延べ250隻以上の船舶が寄港をキャンセルする事態となった。また年末に起きた洪水では500人以上の従業員が被害を受けたという。
(ベルナマ通信、12月30日)

11月の航空旅客数は230万人、コロナ後初の200万人超え

【クアラルンプール=マレーシアBIZ】 空港運営のマレーシア・エアポーツ(MAHB)によると、11月の国内空港における航空旅客数は、前年同月比で7.4倍の230.1万人だった。前月(130.0万人)からは1.8倍となり、新型コロナウイルス「Covid-19」パンデミック発生以来初めて200万人を超えた。
国際線は前年同月比1.9倍の14.9万人で、国内線は9.1倍の215.1万人だった。
クアラルンプール新国際空港(KLIA)は82.1万人で、前年同月比6.2倍。国際線は1.9倍の14.5万人、国内線も17.3倍の67.6万人となった。
KLIAを除く国内空港は7.4倍の148.0万人となった。国際線は1.3倍の4,000人、国内線は7.4倍の147.5万人だった。
1ー11月の国内空港における航空旅客数は前年同期比69.2%マイナスの759.4万人となった。
MAHBは、新型コロナウイルス「Covid-19」ワクチン接種完了者を対象に10月11日付けで州を跨いだ移動を許可されたこと、11月15日付けでランカウイ島において外国人観光客受け入れ再開、29日付けでのシンガポールとの間でのワクチン接種を完了した者を対象に隔離なしで双方の出入国を認める「ワクチン接種完了者向けトラベル・レーン(VTL)」が開始されたこと、運航本数の増加に伴い、航空旅客数は倍増したと説明。特に国内市場のロードファクター(座席利用率)は68.8に上昇したと指摘。また今後については、新型コロナウイルス「Covid-19」のオミクロン変異株を懸念しているとして、今後旅客数に与える影響を監視していくとした。

小売業の売上高、第3四半期は27.8%減少=RGM

【クアラルンプール】 小売業調査会社リテール・グループ・マレーシア(RGM)によると、新型コロナウイルス「Covid-19」の感染拡大防止策として施行された行動制限令(MCO)の影響を受けて、第3四半期の小売業売上高は、前年同期に比べて27.8%減少した。
RGMが発表した「2021年11月マレーシア小売業界リポート」によると、マレーシア小売業協会(MRA)およびマレーシア小売チェーン協会(MRCA)の予想(マイナス15.1%)を下回った。MCOによりほとんどの小売業者は店舗を一時休業しなくてはならなず、百貨店やハイパーマーケットの売り上げは41.9%、43.6%と大幅に減少した。また映画館や劇場など娯楽施設の売り上げも減少した。一方でミニマーケット・コンビニエンスストアの売り上げは2.6%増加し、セクター別で最も増加率が高かった。
8月21日付で政府が車両の乗車人数制限や行動制限を緩和したことで、主要なショッピング施設の客足は回復してきており、第3四半期に売り上げがマイナス0.8%となった飲食店だが、飲料や食品を扱うキオスクや屋台などの売り上げは第4四半期に20.5%増加することが見込まれている。またファッション・装飾品については、第4四半期に50.4%と大幅増加が期待できるという。
RGMは第4四半期について、年末に向けて売り上げの回復が見込めるとし、9月にプラス12.7%としていた小売業の売り上げ予想を18.3%に上方修正したと公表。しかし今年通年については、第3四半期が芳しくなかったことから、プラス0.8%からプラス0.5%に下方修正した。来年は6%増加を予想しているという。
(マレーシアン・リザーブ、12月8日、エッジ、12月7日)

来年の転職市場、人材確保競争が激化へ=ランスタッド調査

【クアラルンプール】 人材サービスのランスタッド・マレーシアが実施した「2022年市場展望および給与スナップショットレポート」によると、2022年には生活費の高騰やロックダウンの反動で多くの労働者が転職を考え、転職市場が活発化するが、人材不足のため売り手市場が続き、優秀な人材を獲得するための企業間競争が激化しそうだ。
IT業界では、電子商取引、フィンテック(金融技術)、クラウド、サイバーセキュリティの4分野の成長が見込まれており、ビッグデータの活用を目指す中堅・大企業ではソフトウェア開発者だけではなく、データエンジニア・サイエンティストの需要も高くなるという。データエンジニアの月額給与基本額(手当などを除く)は、7,000から1万4,000リンギ(3から8年の経験者)。セキュリティ・エンジニアは4,000から1万2,000リンギ(1から5年の経験者)、プロジェクト・マネージャーは1万から2万リンギ(5から10年の経験者)。
製造業の品質管理者の場合、8,000から1万5,000リンギ(10から15年の経験者)。日用消費財(FMCG)では、ブランド・マネージャーの場合、7,000から1万2,000リンギ(5から8年の経験者)、地域販売担当マネージャー(RSM)の場合、1万3,000から1万7,000リンギ(8から10年の経験者)となっている。
ランスタッド・マレーシアの責任者であるファハド・ナイーム氏は、外国人労働者の雇用制限が強化されていることからも国内での人材確保が課題となっており、リモートワークの選択肢を与えるなど、柔軟な働き方を提供することが鍵となるとし、変化を好まずパンデミック以前のやり方に固執する企業は、今後離職率が大幅に上昇するという予想を示した。
(ザ・スター、12月4日)