【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 野党側の統一次期首相候補の人選を巡って混乱が続いている野党連合・希望同盟(PH)は6日、PHリーダーであるアンワル・イブラヒム人民正義党(PKR)党首を推すという先の決定を維持するとの声明を発表した。
PHは同日、声明に先立って構成党トップによる最高評議会議を開催。アンワル氏を首相候補に推すことを再度確認した上で、友党であるサバ遺産党(ワリサン)のシャフィー・アプダル党首を含めたすべての共闘先との対話における全権をアンワル氏に委ねることも決定した。
PKRはアンワル氏の首相候補擁立について譲らない構えを崩しておらず、PH最高評議会はアンワル氏を立てることでひとまず野党連合分裂という最悪の事態を避けることを優先したとみられる。マハティール氏に対する警戒感はあるもののアンワル氏も友党との話し合いを継続する考えを示しており、噂される総選挙に向けて野党間の結束を図りたい考えだ。
野党側の首相候補に関しては、アンワル氏擁立案に対して同氏を嫌うマハティール・モハマド前首相が難色を示しており、当初マハティール氏は自身を首相、アンワル氏を副首相とする案をPH側に打診。それに対するPKRの反対が強いとみてとると、シャフィー氏を首相候補にたてる代案を提案していた。マハティール氏に不信感をもつPKRはこれらのマハティール氏の提案をことごとく却下。野党間の統一候補擁立交渉が暗礁に乗り上げていた。