実家のある福岡県大牟田市が水害に遭った。実家は山沿いにあるため被害は免れたが、観測史上最多の雨量を記録し、平野部はかなりの範囲が水に浸かった。大牟田市は昔の炭坑町というイメージが強すぎてあまり知られていないものの、マーサーの「世界生活の質ランキング2007」で世界25位にランクインしたことがあるほどの住み良い都市だ。都市の規模が10万人とそこそこで、気候が温暖で災害が少ない。

小生が住んでいた22年の間でも地震や水害など大きな災害が起きた記憶はない。しかし今回の水害ではこれまでに2人が死亡。被害の全貌はまだ明らかになっていない。地元の同級生の中にも被災者が多数出ており、次々と被災報告が届く。故郷が破壊される様子をみるのがこんなに悲しいことなのかと初めて実感した次第だ。

そんな中にあって、フェイスブック上で助け合いの輪が市民の間、また遠方に住む大牟田出身者の間で広がっているのが希望の光だ。道路交通情報を提供し合っているグループがあるかと思えば、配給物資供給や人的支援の情報を紹介するグループが活動している。個人レベルで行なっておられる支援に関する情報は、ソーシャルネットで瞬く間にシェアされる。ご多分に漏れず大牟田市も財政難で人手も足りずまったく災害対策が追いつかない現状だが、今後の災害支援の在り方はこうした民間の緩やかな連携が主流になっていくのだろうと感じた。(ゆ)