イベント産業、新型コロナの影響で18億リンギの損失

【クアラルンプール】 マレーシア会議・展示会業協会(MACEOS)は、新型コロナウイルス「Covid-19」感染拡大に伴い1,250件以上のイベントが中止や延期されており、損失額は17.5億リンギに上っていると明らかにした。
ビンセント・リム会長は、新型コロナの流行により、イベント産業の成長は止まったと言明。昨年はビジネスイベントや会議、展示会などで海外から54万人が訪れ、92億リンギの経済効果をもたらしたことを明らかにした。
MACEOSはマレーシア・ビジネスイベント委員会(BECM)と共同で策定したビジネスイベント開催に関するガイドラインを発表したが、ビンセント氏はイベントや展示会、会議が安全であることを保証し国民からの信頼を得る必要があると言明。全ての業界関係者と共に予防措置を講じて参加者の安全と健康を確保すると述べた。
MECMのアラン・プライヤー会長は、政府の支援も受け、イベント業界は回復できると確信していると述べた。政府とオープンな協議を続け、同産業の回復に向けて積極的に協力し合っていきたいとした。
(マレーシアン・リザーブ、7月28日)

ナジブ元首相有罪判決、野党連合「国民の大きな勝利」

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 ナジブ・ラザク元首相が28日、国営投資会社ワン・マレーシア・デベロップメント(1MDB)巨額資金不正流用事件に関連して高裁で禁固12年、罰金2.1億リンギの有罪判決を受けたことについて、各方面から様々な反応が上がっている。
ナジブ氏の汚職を追及してきた野党連合・希望同盟(PH)の構成党党首会議は、公正な裁判を評価した上で、国民にとって大きな勝利と宣言。国民戦線(BN)政権時期の政治的堕落を繰り返さないために包括的な制度改革が行われなければならないとした。
ナジブ氏の部下であった与党・国民連盟(PN)構成党・統一マレー国民組織(UMNO)のアハマド・ザヒド・ハミディ総裁(元副首相)は、判決後にナジブ氏から「これで終わった訳ではない」と上訴の意向を示されたことを明らかにし、党として近く何らかの重大決定を行なう方針を示した。
一方、かねてから党の長老支配に異を唱えていたカイリー・ジャマルディン前UMNO青年部長(科学技術革新相)は、「ナジブ氏を支持する権利は誰にでもあるが、私はこの裁判に党が引きずられないことを望んでいる」と言明。これを機に党の若返りを図るべきだと述べた。
PN政権を率いるムヒディン・ヤシン首相は、「友人たち(ナジブ氏支持者)の感情は理解するが、政府は常に法の支配の原則を支持する」と述べるにとどまった。
■控訴審では逆転のチャンスある=首席弁護人■
首席弁護人のムハンマド・シャフィー・アブドラ弁護士は、「ナジブ氏の失敗は過度に1MDBやSRCの役員たちを信頼し過ぎたこと。彼は1MDBの内情や送金に関する実情は知らなかった」と主張。判決に関しては「合理的な疑いがある場合には棄却しなければならない」という刑法の原則を裁判官が理解していないと批判し、控訴審では十分に逆転するチャンスがあると述べた。
在宅起訴されていたナジブ氏はただちに控訴する方針を示しており、裁判所は100万リンギの保釈金を条件に保釈を認めた。同氏の国会議員の資格は判決が確定するまで維持される。

新型コロナ感染者が新たに13人、うち8人は帰国者

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は29日、新型コロナウイルス「Covid-19」の感染者数が前日から13人増えて8,956人になったと発表した。

新規感染者のうち8人は海外で感染した帰国者(うち4人がマレーシア人)。残り5人は国内で感染したマレーシア人(3人)と外国人(2人)だった。また新たに5人が退院し回復者数は8,612人に増加した。死者数は4日連続ゼロで、124人を維持した。

保健省のノール・ヒシャム事務次官によると、28日にケダとサラワク州で2つのクラスタ検出された。ひとつ目のクラスタは感染の疑いがあるとして検査中の患者(PUI)であったインドのシバガンガイから帰国したケダ州の永住者(8,937人目の感染者)で、入国時の検査では陰性だったが再検査で陽性だったことが分かった帰国後自宅隔離下に置かれていたが規則に従わず感染が拡大した。保健省はこれまで28人の接触者を追跡し、うち5人の感染を確認した。感染者は、1人が感染者の家族、4人がレストランで働く外国人労働者だった。

もうひとつのクラスタは、サラワク州サトクにある市場から検出された。検査を実施した229人のうち4人が陽性で、感染者は全員無症状だという。

他に▽サラワクのセントーサ(新規9人、合計30人)▽クチン医療施設の従業員(新規4人、合計8人)▽マンボン(新規1人、合計6人)▽メルボルンからの帰国者(新規1人、合計3人)ーー4つのクラスタで新規感染者が確認された。28日時点の国内のクラスタは、現在25つに上る。

編集後記 07.30

わたしの友人は、マレーシアで働きながら週末に東南アジアを旅行するバックパッカーで、月に1、2回は海外を飛び回っています。昨年は東南アジア地域だけでなくヨーロッパにも訪れていました。マレーシアーヨーロッパ間の航空券も、オフシーズン(?)であれば日本からよりもかなり安いようです。
行動制限令(MCO)発令中「旅行に行けない!」と嘆いていましたが、州間旅行が解禁され、早速ジョホールに遊びに行っていました。そんな彼女を見習って、わたしも今年こそはタイやインドネシアへ行こう!と計画していたのですが、新型コロナウイルスの影響で年内の海外旅行は厳しそうですね。
わたし、マレーシアに来て1年半以上が経ちますが一度も国外旅行をしたことがないんです…!早く国境が開放され、旅行を楽しめる日が来ることを切実に願っています。そして来年こそはたくさん旅行したいです!(み)

銀行ローンの返済猶予、一部を対象に3カ月延長

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 ムヒディン・ヤシン首相は29日、テレビ演説を行ない、9月いっぱいで終了する銀行ローンの返済猶予措置について、失業者など特定のグループを対象に3カ月延長すると発表した。

失業者は、さらに3カ月のローン返済猶予措置を受けることができる。その後、各人の状況に基づきさらに猶予措置の延長を受けることが可能となる。

また勤務は続けているものの給与カットを受けた者についても、ローンの種類と給与減額の幅に応じて月々の分割払い金額を削減する。同措置は6カ月間だが、状況に応じて延長申請も可能としている。

個人もしくは中小企業(SME)についても銀行側は支援を約束しており、返済繰り延べや金利分だけ返済する方式など、借り手の財務状況が安定するまで支援が受けられる。

対象者は8月7日から銀行に申請することが出来る。

政府は新型コロナウイルス「Covid-19」抑制に向けた行動制限令(MCO)発令に伴い、銀行ローンの返済猶予措置を4月1日付けで6カ月の時限措置として発効していた。7月20日現在、770万人の個人が総額383億リンギ相当、中小企業24万3,000社が207億リンギ相当の融資に関する返済猶予措置をそれぞれ受けている。

銀行ローンの返済猶予措置期間が9月いっぱいで終了することに関して、マレーシア製造業者連盟(FMM)は、多くの中小企業が存続できなくなる恐れがあるとして措置延長を訴えていた。