【イポー=マレーシアBIZナビ】 ペラ州議会(定数59)で4日、アハマド・ファイザル・アズム州首相(統一プリブミ党=PPBM副党首)に対する不信任案が賛成多数で可決された。ムヒディン・ヤシン政権にとっても打撃となりそうだ。
州議会単位で州首相に対する不信任が可決されるのはこれが初めて。これによりアハマド・ファイザル州首相は辞任することになる。アハマド・ファイザル氏は自身が辞任しても同州における与党政権の枠組みは変わらないと強調しており、州議会解散はせずに最大党派である統一マレー国民組織(UMNO)からそのまま後任が選ばれる可能性が高い。
2月から3月にかけての政界再編の煽りを受け、ペラ州でも前与党・希望同盟(PH)からアハマド・ファイザル州首相を含むPPBM所属議員が離脱し、同州野党だった国民戦線(BN)や汎マレーシア・イスラム党(PAS)と協力して過半数を掌握して新たな連立政権を樹立した。連立与党内のバランスを重視してアハマド・ファイザル氏が州首相に再任されたが、わずか5人の少数派であったことからUMNOから不満の声が絶えなかった。
アハマド・ファイザル氏はPPBMにおいてムヒディン首相に次ぐナンバー・ツーの立場にあり、今回の同氏への不信任案可決はムヒディン政権及びPPBMにとって大きな打撃となる。国政においてもムヒディン政権は決して多数派でないため、下院でも同様にムヒディン首相に対する不信任の動きが加速する可能性がある。