1—9月の外国人観光客、78.6%の大幅減に

【プトラジャヤ】 マレーシア政府観光局(ツーリズム・マレーシア)は、今年1—9月の外国人観光客数が前年同期比78.6%の大幅減少となったと明らかにした。
年初9カ月の外国人観光客数は新型コロナウイルス「Covid-19」感染拡大に伴う3月18日から実施された国境閉鎖の影響で429万9,419人にとどまり、前年同期の2,010万人を大きく下回った。
観光収入も126億リンギにとどまり、前年同期の661億リンギから80.9%の減少となった。観光客1人当たりの平均支出額も、前年の3,278.30リンギから10.7%減の2,938.40リンギの落ち込んだ。
国別でみると、シンガポールが154万3,627人でトップとなり、以下、インドネシア(71万118人)、中国(40万3,055人)、タイ(37万2,075人)、インド(15万5,448人)、ブルネイ(13万5,848人)、韓国(11万9,364人)、日本(7万3,891人)、豪州(7万2,369人)、フィリピン(6万5,601人)——と続いた。
観光客の落ち込みは世界的に起きており、近距離市場(東南アジア)はマイナス78.8%、中距離市場(マイナス80.0%)、長距離市場(マイナス74%)となった。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、12月7日、マレーシア政府観光局発表資料)

GST再導入はない、副財務相が言明

【クアラルンプール】 モハマド・シャハル第2財務相は7日の下院審議で、物品・サービス税(GST)再導入の意向を問われたのに対し、歳入を増やすためあらゆる選択肢を検討しているが、GSTは選択肢に含めていないと重ねて表明した。
シャハル氏によると、財務省は歳入を増やすための枠組みの策定作業中で、これには統治改善が含まれ、そのための立法措置を講じるという。
GSTは長期にわたり政権の座にあった国民戦線(BN)時代の2015年4月に導入されたが、首相に返り咲いたマハティール政権時代の18年、廃止され、代わりに売上・サービス税が再導入された。
格付け会社のフィッチ・レーティングスがマレーシアのソブリン債を格下げしたことについて、シャハル氏は、国内要因や経済の基礎的条件が理由の格下げではないため危機とはみなされないと述べた。またフィッチの分析では最近の経済回復が考慮されていないという
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、12月8日)

ペラ州首相人事めぐり混乱続く、過半数確保の党派なく

【イポー=マレーシアBIZナビ】 同州与党連合・国民同盟(PN)率いるペラ州のアハマド・ファイザル・アズム州首相(統一プリブミ党=PPBM副党首)に対する不信任案が州議会(定数59)で可決されて数日経つが、後任人事を巡っていまも混乱が続いている。単独過半数を有する党派連合はなく、多数派工作がめまぐるしく行なわれている模様だ。

4日に可決された不信任案は、PN政権を支援しつつもアハマド・ファイザル州首相に対する批判を強めていた同州第一党・統一マレー国民組織(UMNO)議員らの造反によるものだが、UMNO支部は、早々とサアラニ・モハマド支部長が州議会議員26人から支持を得たと宣言。他党からの支持も取り付け過半数の支持を得たとして同州スルタン、ナズリン殿下に謁見して状況を説明した。しかし王宮側は8日午後時点で過半数を確保した党派はないと発表した。

混乱のきっかけとなったのは、PN構成党でありUMNOと共闘関係にある汎マレーシア・イスラム党(PAS)が態度を一変させ、ポスト・アハマド・ファイザル政権には加わらないと宣言したこと。これによりサアラニ氏が過半数の支持を獲得できるか微妙な情勢となっている。UMNOの現有議席は25議席。過半数をとるためには残り5議席を他の党派との連携により確保する必要がある。

2月から3月にかけての政界再編の煽りを受け、ペラ州でも前与党・希望同盟(PH)からアハマド・ファイザル州首相を含むPPBM所属議員が離脱し、同州野党だった国民戦線(BN)や汎マレーシア・イスラム党(PAS)と協力して過半数を掌握して新たな連立政権を樹立した。連立与党内のバランスを重視してアハマド・ファイザル氏が州首相に再選されたが、わずか5人の少数派であったことから議席数で勝るUMNOから不満の声が絶えなかった。

新型コロナ新規感染者数は1012人、セランゴール州で417人

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は8日、新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者数が前日から1,012人増加したと発表した。アクティブ感染者数は1万862人で、累計感染者数は7万5,306人となった。

 州・地域別の感染者数はセランゴール州が最も多く417人となった。それに▽サバ州(271人)▽ジョホール州(108人)▽クアラルンプール(KL、98人)▽パハン州(33人)▽ペラ州(29人)▽ネグリ・センビラン州(23人)▽ペナン島(18人)▽ケダ州(10人)▽クランタン州(2人)▽サラワク州(2人)▽プトラジャヤ(1人)ーーが続いた。ペルリス州、マラッカ州、トレンガヌ州、ラブアンはゼロだった。1,750人が退院し、累計治癒者は6万4,056人となった。死者数は4人増えて、累計で388人となった。

 保健省のノール・ヒシャム事務次官は7日、新たに2つのクラスターを首都圏で確認したと明らかにした。

 セランゴール州クアラ・セランゴールの「マラワティ」クラスターでは14人に陽性反応が出た。一方でKLの建設現場で発生した「ビナ・アワン・レンバ」クラスターでは、レンバ・パンタイ、ティティワングサで35人の感染を確認した。現在感染者を出しているクラスターは187となっている。