【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 クアラルンプール(KL)ーシンガポール間の高速鉄道(HSR)事業についてマレーシアとシンガポールの両国は12月31日をもって中止することで合意した。
ムヒディン・ヤシン首相とシンガポールのリー・シェンロン首相は12月31日に共同声明を発表。マレーシア側が新型コロナウイルス(Covid-19)感染症拡大が同国経済に与える影響を考慮していつくかの変更をシンガポール側に提案し、両国政府の間で議論が続けられ たものの合意に達することができなかったと説明した。
これに合わせてシンガポール交通省は、2016年に締結した二カ国間合意(BA)に基づき、これまでにシンガポールが負担したコストをマレーシア側が弁済することになると述べた。
同計画は2016年にBAが結ばれ実施に向けて踏み出したが、2018年9月、財政悪化を懸念する当時のマハティール・モハメド内閣の判断によってより中断した。2020年5月末に再開される予定だったが、ムヒディン政権下で新型コロナの影響もあって延期論が浮上。シンガポール側の同意を得て12月末までの再延長が決まり、計画内容の縮小を含めた見直しが行われていた。なおジョホール州側からはジョホールバル止まりでのHSR計画続行を求める声が上がっている。