【クアラルンプール=マレーシアBIナビZ】 イスラム開発局(JAKIM)がハラル(イスラム教義に則った)認証を取得している飲食店や食品店がクリスマスを祝賀する内容の展示やデコレーションを禁じると発表し、ネット上で疑問の声が上がっている。
きっかけとなったのはある顧客がケーキ屋に「メリークリスマス」と書いたデコレーションケーキを注文したところ「ハッピーホリデー」と書かれたケーキが用意されていたためショックを受けたという投稿記事。これに対してJAKIMのアブドル・アジズ・ジュソ―副局長が「ハラル認証を取得している店が他宗教の行事を祝うことは不適切」と指摘したことから騒ぎになった。
「他宗教を祝う」という境目がハッキリしないことについては疑問の声が多く、この点についてズルキフリ・モハマド・アルバクリ首相府相(宗教担当)は「ハラル認証をつけて陳列販売するのは不可だが、オーダーを受けたものであればクリスマス・デコレーションケーキを作るのは構わない」との追加見解を示した。
ハラル認証を取得している飲食大手でクリスマスを祝う飾りつけを行うところはスターバックスをはじめとして数多くあり、「従わなければスターバックスも認証を剥奪されるのか?」とネット上で議論となっている。また経済的観点から、「クリスマスのようなかき入れ時に商品を販売できないということが結果的に零細なマレー系ベーカリーの収入増の道を閉ざすものであり、結果的に彼らを苦しめることになる」との指摘の声も上がっている。