2020年は、マハティール・モハマド政権の崩壊にはじまる政治的混乱と新型コロナウイルス「Covid-19」感染拡大が2大ビッグニュースだった。2018年の総選挙で勝ったばかりの希望同盟(PH)政権は内部分裂を起こしてあっけなく崩壊、分裂騒ぎの中心となったムヒディン・ヤシン氏が政権を樹立したが、経緯が不透明ということもあって不安定な政権運営を強いられている。新型コロナ対策では、3月に早くもロックダウンに近い行動制限令(MCO)を発令していったんは抑え込んだかに見えたが、その後の規制緩和につれて感染が再拡大。いまだ先行きのメドがたたない状況だ。激動の一年間を振り返る2回シリーズの今回は上半期の巻。
下半期の記事はこちら 2020年マレーシアの出来事(下半期編)

2020年は飲食店での禁煙違反への罰則開始やデジタルサービス税導入、チャイルドシート義務化などで始まった。中央銀行バンク・ネガラは景気に陰りが出ていることから低インフレ率を背景に先手を打って景気底上げを狙って利下げに踏み切った。
 新型コロナは26日に早くも訪マ中国人観光客から感染が確認され、湖北省周辺在住の中国人の入国が禁止された。中国人観光客を制限する動きが加速し、各企業も出張取りやめなどの対策に乗り出した。

2月には湖北省に取り残されているマレーシア人の帰国のためのチャーター便も運行されたが、まだこの頃は対岸の火事をといった感覚が強かった。しかし4日に初のマレーシア人感染者が確認され、続いて人から人への感染も確認されたことから空気が一変、国内での感染拡大への懸念が高まり、イベントの延期・中止などの動きが加速化した。
PH政権内では、アンワル・イブラヒム氏支持派と反アンワル派の対立が激しさを増し、反アンワル派が宿敵の国民戦線(BN)との提携を模索。これに批判的なマハティール首相が抗議のために辞任した。反アンワル氏は頑迷なマハティール氏を担ぐのを断念。ムヒディン氏を担ぐ事を決めた。

こうして誕生したムヒディン政権だが、新型コロナ感染拡大中ということもあって国会承認なしにアブドラ国王の一声によって決定したことから、その正統性を巡って後々まで混乱が尾を引く事になる。

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中国経由に限定的だったコロナ感染者は、2月末からセランゴール州のモスクで開催された大集会をきっかけに全国に拡大。17日には初の死者も確認された。ムヒディン政権は18日付けで全国的な移動制限措置となるMCOを実施すると発表した。
 ムヒディン政権は、2月27日にマハティール政権が発表した経済対策に続き、2,600億リンギ規模の追加景気対策を発表。賃金助成金制度や一時金支給などが盛り込まれた。

新型コロナの脅威はおさまらず、MCOは延長され、4月はまるまる規制が行なわれることになった。ただ経済活動はセクターを絞ったり営業時間などの制限を設けた上で段階的に規制が緩和されることになった。

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5月4日付けで条件付き行動制限令(CMCO)に切り替えられ、ほとんどの経済活動の再開が標準的運用手順(SOP)遵守を条件で認められ、電子電気などがフル操業となった。

 

MCO、CMCOが奏功して新型コロナ感染拡大がひと段落してきたところで、経済回復を進めるために6月10日から復興のための行動制限令(RMCO)に移行され、国内旅行を許可するなど社会活動の一層の規制緩和が図られた。

(次号、下半期編に続く)

(マレーシアBIZナビ編集部)

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