「好ましい政治家」ムヒディン首相がトップ=世論調査

【クアラルンプール】 O2マレーシアがこのほど実施したオンライン世論調査でムヒディン・ヤシン首相個人を「好ましい」と考えている有権者の比率は51.1%となり、依然として人気トップ政治家であることを伺わせる結果となった。ただ昨年6月調査での65.8%から、11月調査では52.5%、今回は51.1%と人気は下降傾向にある。
同調査は「政治とリーダーシップの問題に関するマレーシア有権者の国民感情」と題する調査で、3月26日から4月9日にかけて実施し18歳以上の1,582人から回答を得た。
二番目に「好ましい」との回答率が高かったのは汎マレーシア・イスラム党(PAS)のハディ・アワン党首(33.9%)で、民主行動党(DAP)のリム・グアンエン書記長は30.2%、人民正義党(PKR)のアンワル・イブラヒム党首は26.3%、国民信任党(Amanah)のモハマド・サブ党首は22.4%、統一マレー国民組織(UMNO)のアハマド・ザヒド党首は10.6%となった。ハディ、サブの両氏の人気派ほぼ横ばいで、リム、アンワル、ザヒドの3氏の人気はやや回復している。
また首相経験者であるマハティール・モハマド前首相は33%、ナジブ ラザク元首相は27%だったが、両氏ともに人気は上向き基調にある。
党派別の人気では、「次期総選挙での投票先」としては野党連合・希望同盟(PH)が36%と最も高く、与党連合・国民同盟(PN)の31%を上回った。このほか国民戦線(BN)は22%、サイド・サディク前青年スポーツ相が設立した新党・マレーシア統一民主同盟(MUDA)は11%だった。
(ベルナマ通信、5月19日、O2マレーシア発表資料)

首都圏のICU入院患者、2週間前から94%増加=保健省

【クアラルンプール】 保健省のノール・ヒシャム事務次官は19日、首都圏クランバレーの医療施設において、集中治療室(ICU)の入院患者が2週間前と比較して94%増加したと明らかにした。
ノール氏が行ったフェイスブックの投稿によると、セランゴール州やクアラルンプール (KL)、プトラジャヤのICUの79%に新型コロナウイルス「Covid-19」の感染者が入院している。新型コロナ患者を受け入れている病院は、増え続ける感染者のためにICUの病床を増やしたが、新型コロナの感染者以外の患者が適切な救急救命処置を受けることができなくなっているという。
ノール氏は首都圏クランバレーでは医療体制が逼迫していると言明医療従事者など最前線でコロナ危機と戦うフロントライナーの疲労も懸念していると述べた。その上で、国民に対して標準的運用手順(SOP)の順守と不要不急以外は外出しないよう呼びかけた。
(ベルナマ通信、エッジ、5月19日)

完全ロックダウン実施の可能性、産業界は続々反対表明

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 新型コロナウイルス「Covid-19」感染者が急増しているセランゴール州などを対象に政府が完全ロックダウン実施の検討に入ったことを受け、産業界からは経済への影響を懸念して実施に反対する声が上がっている。
国・地域を代表する商工団体からは、マレーシア日本人商工会議所(JACTIM)のほか、マレーシア商工会議所(EUROCHAM)、マレーシア・米国商工会議所(AMCHAM)、マレーシア国際商工会議所(MICCI)などが反対を唱えている。
業界団体からは、マレーシア建築資材卸売業者協会(BMDAM)、マレーシア鉄鋼連盟(MISIF)、マレーシア化学工業評議会(CICM)、マレーシア自動車コンポーネント部品製造業者協会(MACPMA)、マレーシア製靴協会(MFMA)、マレーシア半導体工業会(MSIA)、マレーシア医療製品工業会(AMMI)——の7団体が反対の声を上げている。
マレーシア経営者連盟(MEF)は、行動制限令(MCO)を厳格化すること自体は賛成だが、完全ロックダウンは反対するとしている。またマレーシア中小企業(SME)協会は、昨年3月に実施された制限と同程度のロックダウンが行なわれた場合、40%近くのSMEが倒産する恐れがあるとして反対している。調査によると、中小企業の91%が何らかの影響を予想しており、37.5%がビジネスが半減すると予想しているという。
新型コロナの新規感染者は1月末に5,700人まで増加したが、第二次MCOの効果で3月末には1千人を切るまで減少。しかしその後増加に転じ、5月20日には6,806人を記録した。セランゴール州は特に深刻で、全感染者数の三分の二を占めている。この状況を受けてアダム・ババ保健相は17日、より厳格なMCOの実施に向けて検討していることを公表。タキユディン・ハサン首相府相(法務担当)は、21日の国家安全委員会(NSC)会議で方針が決まる見通しだと明らかにした。

 

厳格なロックダウンが必要、専門家が指摘

【クアラルンプール】 3回目となる行動制限令(MCO3.0)が12日付けで全国に拡大されたものの新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者数が依然として増加傾向にあることから、医療専門家はより厳格なロックダウンを行なう必要があると指摘している。
ロクマン・ハキム・アブドラ元保健省副事務次官は、今年1月に実施したような中途半端な制限令ではもはや感染拡大を抑え込むのは難しいとした上で、1月のMCO2.0では感染抑制目標を達成できず、同時に発令された非常事態宣言も役に立たなかったと指摘。実際の制限は国民の州を跨いだ移動禁止と標準的運用手順(SOP)への準拠だけだったとし、散発的な発生に対処するための集中的なスクリーニングのような措置は行なわれなかったと批判している。
その上でロクマン氏はMCO3.0が新規感染を減らすのに役立つことは認めるものの、戦略がMCO2.0と同様であれば集団免疫を獲得するまでMCO4.0を実施する必要に迫られるだろうと指摘。それまでに経済が持ちこたえられるのだろうかと疑問を呈している
マラヤ大学のラジャ・ラシア経済学教授は、MCO3.0下でのガバナンスの弛みが経済の復活にとって助けになっていないと指摘。「昨年3月のMCO1.0ではSOPが厳しすぎたが、MCO3.0では反対に緩すぎてSOPが守られていない」とし、人の移動を取り締まるより人が多く集まる場所で取り締りを行なうべきと指摘している。
(マレーシアン・リザーブ、5月19日)

新型コロナの感染者数は6806人、2日連続で過去最多を更新

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は20日、新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者数が6,806人となり、2日連続で過去最多を更新したと発表した。アクティブ感染者数は5万171人で、累計感染者数は49万2,302人となった。

州・地域別の感染者数はセランゴール州が最も多く2,277人だった。それに▽クアラルンプール(KL、655人)▽ジョホール州(615人)▽サラワク州(608人)▽クランタン州(426人)▽ケダ州(417人)▽ペナン州(362人)▽ネグリ・センビラン州(291人)▽ペラ州(248人)▽サバ州(245人)▽トレンガヌ州(233人) ▽マラッカ州(212人)▽パハン州(157人)▽プトラジャヤ(35人)▽ラブアン(17人)▽ペルリス州(8人)ーーが続いた。新たに3,916人が回復し、累計治癒者は44万32人となった。死者数は59人増えて、累計で2,099人となった。 保健省のノール・ヒシャム事務次官は19日、新たに22カ所のクラスターを確認したと明らかにした。
職場では最も多い8カ所のクラスターを確認。またコミュニティで7カ所、宗教活動で6カ所、教育機関で1カ所のクラスターが発生した。
州別では、セランゴール州で4カ所、ジョホール州とサバ州で3カ所、サラワク州、マラッカ州、クランタン州、KLでそれぞれ2カ所、トレンガヌ州、ラブアン、ペルリス州、ペラ州でそれぞれ1カ所のクラスターが発生した。その一方で3カ所のクラスターが収束した。