政治家のSOP違反相次ぐ、マハティール前首相も

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 新型コロナウィルス(Covid-19)感染者が増加傾向にある中、政治家など模範となるべき人たちが標準的運用手順(SOP)を違反するケースが相次いでいるが、このほどマハティール・モハマド前首相にも違反行為があったことが発覚した。
マハティール氏は、8日に自身の選挙区であるランカウイで行われたラマダン(断食月)関連イベントに出席。追跡アプリ「MySejahtera」による出席記録を行わず、体温測定も行わないまま会場に入る様子が動画で撮影され、ソーシャルネットで拡散した。マハティール氏は違反を認めて謝罪。罰金を払う意向を示した。
マハティール氏は、前々日の10日に特別声明を発表し「国民がSOPを守らなければインドやブラジルのような事態になる」と警鐘を鳴らしたばかり。
先日はナジブ・ラザク元首相が、今回のマハティール氏と同様に「MySejahtera」を使わず、検温も行わないままチキンライス店に入店する様子が動画で撮影され、罰金を支払った。氾マレーシア・イスラム党(PAS)所属のトレンガヌ州議会議員もSOP違反が判明している。

3度目のMCOは中所得国脱却を阻害、世銀見解

【クアラルンプール】世界銀行は、3度目の行動制限令(MCO)実施は高所得国への移行を阻害する可能性が高いとの見解を示した
世銀は3月、マレーシアは25年までには高所得国になるとの予想を示したが、パンデミック期間中、工業化の進展は遅れ、賃金にも悪影響が出たという。
新型コロナウイルスの感染再発はマレーシアに限ったことではないが、独立系シンクタンク、ガレン健康・社会政策センターのアズルル・モハマド最高責任者は「経済の中心地であるクアラルンプールとセランゴール州で感染が最も広がっているため、経済回復が損なわれている。企業は閉鎖し、人は職を失い、貧困レベルに近づいている世帯が増えている」と述べた。
民主主義・経済研究所(IDEAS)のアザム・ワン研究員は、第3次MCOがビジネス容認の姿勢をとっていることは諸刃の剣と指摘。外食業を除き経済の各部門に対する影響は最小限に抑えられるが、感染防止の効果は弱く、パンデミックが長引けば経済回復が遅れると述べた。
(マレーシアン・リザーブ、5月17日)

公立病院での医療従事者不足、改善策を医師会が提案

【クアラルンプール】保健省の地方事務所と公立病院で医師ら医療従事者の不足が顕著になっていることに関し、マレーシア医師会(MMA)は、民間の力を借りるなど保健省は戦略を変えるべきとの提案をスブラマニアム会長名で行った。
MMAによると、地方事務所では医師らは新型ウイルス「Covid-19」接触者追跡だけでなく、Covid-19以外の患者にも対応しなければならず、過重労働で医療の質が損なわれる恐れもあるという。
ウイルス感染者数は増加傾向を続ける見通しのため、保健省はインターン、医学生、看護学生、医療助手らの助けを、特に接触者追跡で借りるべきだという。
MMAは、Covid-19以外の患者の治療を民間病院、診療所に委託することを提案。また症状が軽い陽性反応者の追跡などで書類作業をデジタル化することも提案した。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、5月17日)

無症状&軽症者の自宅療養を容認=保健相

【クアラルンプール】 アダム・ババ保健相は、カテゴリー1及び2の新型コロナウイルス「Covid-19」感染者について、在宅での隔離・療養を認めると述べた。統合検疫治療センター(PKRC)の混雑を緩和するための措置。

カテゴリー1は症状のない陽性者、カテゴリー2は軽度の症状の陽性者。ただし在宅療養が認められるのは、他の疾病をもたないこと、在宅で同居人と社会的距離が保てることが条件となる。同居人が多く、トイレ&バスを同居人と共有しなければならない場合は、これまで通りPKRCでの隔離・療養を義務づけられる。

新型コロナ感染者の増加を受け、特にセランゴール州で感染アセスメントセンター(CAC)の混雑ぶりが問題となっている。マラワティ・スタジアムのCACを訪れた者の多くがペタリン地区外から来ていたという。

(フリー・マレーシア・トゥデー、5月17日)

新型コロナの新規感染者数は4865人、セランゴール州が最多

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は18日、新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者数が前日から4,865人増加したと発表した。アクティブ感染者数は4万4,827人で、累計感染者数は47万9,421人となった。

州・地域別の感染者数はセランゴール州が最も多く1,743人だった。それに▽サラワク州(512人)▽クアラルンプール(KL、477人)▽ジョホール州(407人)▽クランタン州(406人)▽ケダ州(244人)▽ペナン州(220人)▽ペラ州(160人)▽トレンガヌ州(156人)▽パハン州(152人)▽ネグリ・センビラン州(149人) ▽マラッカ州(127人)▽サバ州(95人)▽プトラジャヤ(9人)▽ラブアン(6人)▽ペルリス州(2人)ーーが続いた。新たに3,497人が回復し、累計治癒者は43万2,600人となった。死者数は47人増えて、累計で1,994人となった。

保健省のノール・ヒシャム事務次官は17日、新たに14カ所のクラスターを確認したと明らかにした。
コミュニティでは最も多い7カ所のクラスターをクランタン州とパハン州、サラワク州、サバ州で確認。また宗教活動で4カ所、職場で3カ所のクラスターが発生した。
州別では、セランゴール州とクランタン州でそれぞれ3カ所、パハン州、サバ州でそれぞれ2カ所、サラワク州、ジョホール州、ペラ州、ケダ州でそれぞれ1カ所のクラスターが発生した。

セランゴール州内の企業、州政府を通じワクチン購入可能に

【シャアラム】 セランゴール州政府は、同州内の企業が同州政府を通じて従業員のための新型コロナウイルス「Covid-19」ワクチンを購入できるようにしたと発表した。

同州公衆衛生・団結・女性家族開発委員会のシティ・マリア・マハムド議長(国政の閣僚に相当)によると、州独自に導入したコロナ情報・追跡アプリ「SELankah」を通じてワクチンの購入申請が可能となる。登録受け付けはすでに開始した。詳細はウェブサイト(https://vax.selangkah.my.)から入手できる。マレーシア経営者連盟(MEF)によると、接種2回分で約400リンギの費用がかかる。

一方、アミルディン・シャリ州首相は、新規感染者の増加により医療体制が逼迫していることから、重症患者向けの病床300床と新たな集中治療室(ICU)病棟を設置するほか、農業展示場「マレーシア・アグロ・エクスポジション・パーク・セルダン(MAEPS)」に仮設されている統合検疫治療センター(PKRC)に1,300床を増設すると発表した。ネグリ・センビラン、マラッカ、パハン、ジョホールの各州もそれぞれPKRCを開設する計画であることから、MAEPSのPKRCは今後セランゴール州及びクアラルンプール(KL)の感染者のみを取り扱うことになる。

またマラワティ・スタジアムに設置されている感染アセスメントセンター(CAC)の混雑ぶりが問題になっていることを受け、州公務員や医学生などからなる150人のボランティアを増員する

(ザ・スター、エッジ、5月17日)