【クアラルンプール】 マレーシアで49年の歴史を持つカナダ系バンク・オブ・ノバスコシア(スコシアバンク)が、年内に撤退する模様だ。情報筋の話として「エッジ」が伝えた。すでに従業員にも撤退方針が伝えられているという。
マレーシア事業の清算計画は、最新の未監査財務諸表の中でも示唆されており、2021年7月の取締役会で清算計画を承認し、従業員の退職金(2,105万リンギ)、有形固定資産の減損(260万リンギ)、その他の引当金(262万リンギ)からなる合計2,626万リンギの清算コスト計上を承認していたことが明らかにされている。
スコシアバンクは1973年にマレーシアで業務を開始し、1994年に現地法人となった。小口金融業務に重点を置いていた2007年には5つの支店を有していたが、現在はクアラルンプール(KL)市内の1カ所だけとなっている。8年前には50億リンギあった資産額も2021年7月には12.8億リンギに減少していた。
当初カナダの親会社はマレーシア事業売却を志向しており、2017年5月には台湾の国泰金控に2億2,500万米ドルで売却する計画が浮上していたが、条件が満たされなかったことを理由にその後破棄されていた。
市場の小さなマレーシアでは多数存在する銀行間の競争が厳しく、外資系では2018年にはアブダビ国立銀行、2016年にはロイヤル・バンク・オブ・スコットランドが撤退している。
(エッジ、2月1日)