トロピカナと中国電建、ゲンティンに娯楽複合施設を開発

【クアラルンプール】 不動産開発のトロピカナ・コーポレーションは、中国電力建設集団(パワーチャイナ、中国電建)と提携し、パハン州のゲンティン・ハイランドでエンターテインメント複合施設「トロピカナ・パラダイス」を開発する。
トロピカナがブルサ・マレーシア(マレーシア証券取引所)に提出した声明によると、子会社のトロピカナ・インスピラシ・インダー、トロピカナ・インスピラシ・インピアンの2社が11日、中国電建の完全子会社シノハイドロ・コープ(M)との間で協力覚書を締結した。トロピカナがゲンティンで手掛ける596エーカーのタウンシップ「トロピカーナ・ウィンドシティ」の一部として、150万平方フィートの娯楽施設、100万平方フィートの商業施設、サービスアパート、高級レジデンス、国際ブランドホテルなどを建設する。また、ケーブルカーや電気トラム、高架式歩行者および自転車通路など、持続可能な交通インフラも整備するという。
中国電建は、2011年に設立。世界で1,000億米ドル以上の建設プロジェクトに携わっており、2021年のフォーチュン500企業ランキングでは107位にランクインしている。
ゲンティン・ハイランドは、クアラルンプールから車で1時間程度の距離にある標高1,700メートルの高原リゾート。冷涼な気候を求めて毎年4,000万人以上が訪れるという。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、エッジ、2月11日、トロピカナ発表資料)

長城汽車、マレーシア市場に再参入を計画

【クアラルンプール】 中国の自動車メーカー、長城汽車(GWM)は今年、マレーシア市場に再参入する計画だ。

東南アジア諸国連合(ASEAN)・タイ地域のエリオット・チャン社長が、先ごろ開催したタイ市場の見通し発表の場で、タイを地域本部として、マレーシアとベトナム、フィリピン、シンガポールに事業を拡大する計画を明らかにした。
 GMWは昨年タイにおいてゼネラルモーターズの組立工場を買収し、タイ市場に参入。そのほか、東南アジアでは、ラオス、カンボジア、ブルネイで事業を行っている。
自動車関連ニュースポータルの「ポールタン」は、マレーシア市場に投入する車種はハイブリッド・スポーツタイプ多目的車(SUV)「ハーバル・ジョリオン(哈弗初恋)」、コンパクトSUVのプラグイン・ハイブリッド「ハーバルH6」、小型電気自動車(EV)「オラ・グッド・キャット(欧拉好猫)」3モデルになると予想した。
(ポールタン、2月11日)

大建工業、チャーター貨物船で中密度繊維板の輸入を開始

【クチン】 港湾で発生しているコンテナの積み替え作業の遅延により、住宅用建材の大手、大建工業(本社・大阪府大阪市)は、中密度繊維板(MDF)が出荷できない状態にあることから、チャーター貨物船を利用してサラワク州から四日市港への直接輸送を開始した。
日刊木材新聞社の日本木材レポート(JLR)によると、サラワク州を出発したコンテナ船は通常、日本への積み替えのためジョホールバルの港を経由するが、木材の積み替え作業の遅延は、台湾の高雄や台北、韓国の釜山、中国の上海でも発生している。そのため、MDFを製造する大建のグループ会社、ダイケンサラワクとダイケンミリの出荷に影響が出ているという。サラワクから日本への航路において輸送スペースを確保することは困難となっており、一部の業者は台湾経由で輸送している。そのため一部の注文の納期に1カ月の遅延が生じているという。
JLRは、サバ州が2018年に丸太の輸出を禁止したことに触れ、日本企業はパプアニューギニアから調達するようになったと指摘。しかしパプアニューギアも輸出を禁止したことが、大新合板工業(本社・東京都八王子)の解散に影響と与えたとした。マレーシアでも新型コロナウイルスの陽性者数が出ている上、労働者不足が起きているため、日本企業は木材の輸出に係る不確実性は依然高いと感じていると指摘。その上で、サバ州の木材の輸出再開への日本企業の関心は低いと明らかにした
大建工業は1月、積載量9,000トンの貨物船をチャーターし、3,000立方メートルの合板と6,000立方メートルのMDFをインドネシアから四日市港を経由して名古屋に輸送した。インドネシアから通常は1カ月かかるが、2週間に短縮することができたという。

コロナ終息宣言出すのは慎重に=保健相

【クアラルンプール】 カイリー・ジャマルディン保健相は11日、新型コロナウイルス「Covid-19」終息宣言を出すに際しては慎重でなければならないとし、もう暫く時間が必要との考えを示した。
カイリー氏は、スウェーデンやデンマークなどの国々が新型コロナに関するすべての規制を撤廃していることについて「これらの国によるパンデミック終息宣言は少し早すぎると思っている」と指摘。「あとで後悔するよりも安全である方が良い」と述べた。
またコントロールされた現状を維持していくためには感染拡大予防措置を講じ、注意深く対処することが依然重要だとした上で、マレーシアでは保守的な対応を取ると強調。拙速にエンデミック(風土病)化を宣言するつもりはないと述べた。
その上でカイリー氏は、感染拡大の主体となっているオミクロン株の感染について、今後2、3週間の入院率に大きな影響を与えず、ほとんどの症状が軽度であった場合、政府としては風土病の段階に移行した可能性が高いと考えていると述べた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、2月12日、ベルナマ通信、2月11日)

新型コロナの感染者数は2万1315人、累計で3百万人超える

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は14日、新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者数は2万1,315人だったと発表した。累計感染者数は306万1,550人となった。
13日の陽性者数は2万1,072人。5,724人が回復し、累計治癒者は285万2,437人。死者数は11人増え、累計で3万2,125人となった。アクティブ感染者は、前日から1万5,337人増え15万5,673人。うち91.9%が自宅、3.9%が低リスク者用隔離・治療センター(PKRC)、4.0%が医療機関、0.2%が集中治療室(ICU)で療養中となっている。病床使用率は65.2%に下降した。
同日午後11時59分時点のワクチン接種完了者数は、2,573万2,151人で、接種率は78.8%だった。ブースター接種完了者は1,325万8,893人で、接種率は40.6%となった。1人の感染者が何人に感染を広げる可能性があるかを示す基本再生産数(R0/RT)は1.43に下降したものの、全ての州・地域で1.00を上回った。最も高いのは、ラブアンで1.90だった。
また新たに10カ所のクラスターが発生。うち8カ所が教育機関、残りは職場と医療機関など感染すると重症化するリスクが高い集団で起きたクラスターだった。クアラルンプールとパハン州がそれぞれ3カ所で最多。これまでに確認されたクラスターは6,596カ所となり、現在感染者を出し続けているアクティブなクラスター数は421カ所に増えた。