【クアラルンプール】 オーストラリアの大手食品メーカー、アーノッツ・グループ(TAG)は、クアラルンプール(KL)にアジア拠点を設立する計画だ。マレーシア政府と協議を進めており、最速で年内に着工する見込み。

ハラル(イスラムの戒律に則った)認証を取得し、輸出拠点とする。3段階の成長計画により、5,000万豪ドル(1億5,500万リンギ)を投じた製造拠点、調達・物流・エンジニアリング・現場管理を統合したサプライチェーン拠点、研究開発拠点を設立し、高価値・高技術職種で200人以上の人材採用を行う。
新拠点設立により今後5年間でアジアでの2桁成長、10年後には年間売上高25億リンギを目指す。現在、アジアでのビジネスは年間10億リンギでTAGの売上高の4分の1を占めているという。

TAGのアジア担当責任者であるメイ・リム氏は、KLを選んだ理由について、戦略的な立地にあり、アジア市場への足がかりとなること、また、優秀な人材の確保や政府の支援政策が整っていることだと述べた。

MIDAのアルハム・アブドル・ラーマン最高責任者(CEO)は、TAGの決定は、マレーシアに寄せる信頼の証であり、マレーシアは世界のハラル産業をリードしていると強調。戦略的立地、良好な投資環境、熟練労働力、貿易やコストの優位性により、300を超える国際的な食品ブランドや加工食品メーカーがマレーシアに拠点を置いていると述べた。

TAGは「ティムタム」などのチョコレート菓子や「キャンベル・スープ」などを製造する多国籍企業で、マレーシアでは、グループ会社のキャンベル・マレーシアが「プレゴ」ブランドでパスタソース、「キンボール」ブランドでチリソース、トマトケチャップなどを製造している。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、ザ・スター、ザ・サン、8月25日)