【シンガポール】国営石油会社ペトロナスは、サバ/サラワク・ガスパイプラインで9月下旬、ガス漏れが起こったことから、輸出拠点となっているLNG(液化天然ガス)プラント向けの天然ガス供給でフォースマジュール(不可抗力条項)を宣言した。

一般に、火事、自然災害など予測不能な出来事のため契約上の義務が果たせない場合、企業は不可抗力を宣言する。今回の場合、ペトロナスは同条項を根拠に、海外の顧客への供給をキャンセルできる可能性がある。

ブルームバーグによると、ペトロナスは長期契約に基づき電力会社など日本の需要家向けに供給しているLNGについて、年末にかけて出荷の削減を要請しているという。

LNGのアジア向け出荷が削減されると、需要家は代替供給先を確保する必要があり、アジアのスポット市場でLNG価格が上昇する可能性がある。

LNGをめぐってはロシア・ウクライナ戦争の勃発以来、アジアと欧州の間で争奪戦が激化している。
(ブルームバーグ、10月6日、エッジ、10月5日)