トレードウィンズ、ホテル3軒を予定通り2024年にオープン

【クアラルンプール】 ホテル運営などを手掛けるトレードウィンズ・コーポレーションは、観光業界が正常化に向かっていることから、クアラルンプール(KL)、ランカウイ、ペナンで建設を進めているホテル3軒について予定通り2024年にオープンする方針だ。

同社は「ウォルドーフ・アストリア・KL」、「ヒルトン・ブラウ・ベイ・リゾート・ランカウイ」、「ランカウイ・インターコンチネンタル・ペナン・リゾート」  を建設中。現在は「ザ・ダナ・ランカウイ」、「ペランギ・ビーチ・リゾート」、「レバク・アイランド・リゾート」 (いずれもランカウイ) 、「ムティアラ・タマン・ネガラ」 (パハン州)、「グレンマリー・ホテル&ゴルフ・リゾート」 (セランゴール州) を所有し、「ヒルトン・ペタリンジャヤ」 (セランゴール州) と「ヒルトン・クチン」 (サラワク州)のマネジメントを手掛けている。

ムハンマド・ザイナル・アシキン社長兼最高経営責任者(CEO)は、既存のホテル稼働率がパンデミック前水準より20%低い程度まで回復するなど、長い不況のトンネルを抜ける気配があるとし、主なインバウンド市場である中国が段階的に海外旅行の制限解除に向かうと見られることから、来年には状況が改善すると楽観視していると述べた。その上で、客室当たりの収益はまだ2019年の時点より30%低いが、国内市場しかなかった2021年に比べると60%高いと指摘。リンギ安による国内旅行増加も追い風になると分析した。
(マレーシアン・リザーブ、10月19日)

25-40歳の労働者、3人に1人が個人保険に未加入=調査

【クアラルンプール】 保険大手のチューリッヒ・マレーシアは19日、25ー40歳の労働者の3人に1人が個人保険に加入していないと明らかにした。

同社が実施した調査によると、参加者の21%が「会社で加入しているグループ保険で十分」、14%が「個人保険やタカフル(イスラム保険)は必要ない」と回答。また個人保険やタカフルに対して、9%が「否定的な認識を持っている」、22%が「十分な知識がない」と答え、誤解や知識不足が起きていることが明らかになった。

また自動車所有者を対象に実施した調査では59%が「洪水などの自然災害による損害が補償される損害保険に加入していない」と回答。34%が「暴風雨に伴う倒木による損害が補償される保険」、29%が「がけ崩れや地滑りなどの土砂災害による損害が補償される保険」に加入していると答えた。

チューリッヒ・マレーシアは、調査結果を受けて、保険に対する正しい知識を広めていき、個人保険やタカフルの普及率を高め、国民が持続可能な生活ができるように努めていくとコメント。またモンスーンシーズンが来るとして、補償オプションを追加するなどの備えをするべきとの見解を示した
(ザ・サン、10月20日、マレーシアン・リザーブ、10月19日、ニュー・ストレーツ・タイムズ、10月17日)

洪水や浸水のホットスポット、全国で5496カ所を特定

【クアラルンプール】 排水灌漑局(DID)は、洪水や浸水が起きる可能性が高い場所として5,496カ所を特定した。

DIDが発表したリストによると、それらのホットスポットは、1,248カ所の村と235カ所の地域にあり、135本の幹線道路が含まれている。

761カ所がマレー半島西海岸となっている。クランタン州が最もホットスポットが多く、中でもバシル・マスでは81カ所と最多で、マチャンでも64カ所、グアムサンでも53カ所が特定された。他にはパハン州のジェラントゥトとケダ州のバリンでそれぞれ52カ所となっている。なお、セランゴール州では52カ所が特定され、クランが14カ所で最多となっている。

3年間続いているラニーニャ現象(太平洋赤道域東部の海水温低下)や北東モンスーンに備えて、ヒシャムディン・フセイン上級相(国防相兼任)は19日、1万6,612人の軍人や消防隊員を配備したと発表。また救助に使う船や、船舶用エンジン、救命胴衣なども適所に配備したと述べた。
(ザ・スター、10月20日、マレーシア ナウ、10月19日、国家災害管理局発表資料)

総選挙は11月19日に決定、三つ巴の争いを中心に展開か

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 選挙委員会(EC)は20日、第15回総選挙について、公示日を11月5日、投開票日を11月19日とする選挙日程を発表した。11月中旬以降は北東モンスーンの勢いが強まるため各地で水害が懸念されており、投票行動に影響を及ぼす可能性がある。

下院議会の定数は222。与党連合の中心となっていた国民戦線(BN)と国民同盟(PN)の二大政党連合が関係を断絶することが決定的となっており、野党連合・希望同盟(PH)を加えた三大政党連合による三つ巴の戦いを中心に展開するとみられる。

UMNOが率いるBNが、マラッカ及びジョホール州議会選挙での連勝に勢いに乗って、単独過半数獲得を目指している。早くから選挙準備を進めてきたこと、対抗するPNや野党側の連携が進んでいないことなどからBNが選挙戦を有利に進めるとみられる。ただどの政党連合も単独過半数を獲得できないとの見方もあり、選挙後の政界再編も予想される。

イスマイル・サブリ・ヤアコブ首相は、自身が総裁補を務めるBN第一党・統一マレー国民組織(UMNO)主流派からの圧力に押し切られ、10月10日に任期を6カ月以上残して下院議会解散に踏み切っていた。

■州議会選挙は3州のみ実施■
州議会選挙は今回、BNが政権を握るパハン、ペルリス、ペラの3州のみが下院選と同日程で行う。

パハン州の定数は42で、解散前はBNが過半数の25議席を掌握していた。ペルリス州の定数は15で、解散前はBNが過半数の10議席を掌握していた。一方、ペラ州の定数は59で、解散前はBNが25議席で第一党派となり、PNなどと連立政権を組んでいた。

各地で起きている洪水などを理由に早期解散・総選挙に反対していたPHが政権を握るセランゴール、ペナン、ネグリ・センビランの3州、汎マレーシア・イスラム党(PAS)が政権を握るクランタン、トレンガヌ、ケダの3州は選挙を行わない。またサラワク、サバ、マラッカ、ジョホールの4州では2021年以降にすでに選挙が行われているため実施しない。

新型コロナの感染者数は2295人、病床使用率は73.4%

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省の総合情報提供サイト「KKMNOW」によると、19日の新型コロナウイルス「Covid-19」感染症の新規感染者数は2,295人となり、累計感染者数は487万2,570人となった。
新たに1,386人が回復し、累計治癒者は481万1,810人。死者数は3人で、累計は3万6,429人となった。アクティブ感染者は、前日から906人増の2万4,331人。うち95.4%が自宅、4.4%が医療機関、0.1%が集中治療室(ICU)で療養中となっている。病床使用率は73.0%、ICU病床の使用率は62.9%、人口呼吸器の使用率は37.0%となった。
同日午後11時59分時点のワクチン接種完了者数は2,751万5,843人となり、接種率は84.3%。1回目のブースター接種完了者は1,624万6,438人で、接種率は49.7%、2回目が51万4,628人となり、1.6%だった。