ミシュランガイド・マレーシア版、12月に創刊

【クアラルンプール】  仏ミシュラン社は20日、レストランの評価を星の数で表す「ミシュランガイド」のマレーシア版を12月に創刊すると発表した。クアラルンプール、ペナン2都市のレストランを評価対象とする。

ミシュラン・ガイドのインターナショナルディレクターであるグェンダル・プレネック氏は、クアラルンプールとペナンをミシュランガイドのファミリーに迎えられたことを嬉しく思うとし、今回の選出によってマレーシア料理の素晴らしさと、地元で育まれた料理の才能にスポットライトを当て、アジア地域の美食界に新たな展開を起こすと言明。匿名の調査員が調査に向けすでに現地入りしていると述べた。

ミシュランガイドは、1900年にミシュラン2兄弟が、フランスを訪れる旅行者のための無料ガイドブックとして編纂したのが始まり。1926年には一つ星、1936年には一つ星から三つ星まで(三つ星が最高評価)を付けることにより、レストランをランキング形式で紹介するようになった。現在では匿名の調査員が、食材の品質、調理の熟練度、味の調和、料理を通じたシェフの個性、時間経過とメニュー全体の一貫性という5つの要素に基づいてレストランをランク付けしている。オーストリア、ブラジル、米国、英国、中国、日本など全世界35カ国以上、東南アジアではシンガポールとタイで展開している。
(ザ・スター、ニュー・ストレーツ・タイムズ、10月21日)

パナソニックマレーシア、消費者の健康トレンドに期待

【ペタリンジャヤ】 パナソニック・マレーシアは、消費者の健康トレンドによる同社へのプラス影響に期待している。

西田圭介社長は英字紙「ザ・スター」の取材に対して、新型コロナウイルス「Covid-19」感染拡大に伴い、健康や衛生、ウェルビーイング(幸福)への意識が高まり、消費者のライフスタイルが変化したと述べた。健康がトレンドの一つとなっており、消費者に健康的な生活を送ってもらうことが、同社が追求している方向性だと説明。新型コロナの感染拡大で、原材料や物流コストの上昇などの逆風を避けることはできなかったものの、多くの人々が、家電製品やキッチン用品を購入したことで、同社は売り上げを大幅に伸ばすことができたとした。また消費者の購買パターンもプレミアム品を求める人、最安値を求める人と二極化していると指摘。プレミアム品は必ずしも高い訳ではなく、一定の品質水準や価値を持っている製品であるということを意味しているとして、プレミアム製品を買ってもらうことを戦略としていると述べた。また同社のエアコンや洗濯機、シーリング・ファンなどの製品はモノのインターネット(IoT)に対応しており、IoT開発の強化に取り組んでいるという。

西田社長は今後について、年末までにマレーシアにおけるトップの家電メーカーになること、2023年3月31日末締めの会計年度で新製品の売り上げを1億5,000万リンギとすることを目標に掲げていると明らかにした。
(ザ・スター、10月22日)

サウジ系アルラジ銀行、野村アセットマネジメントと提携

【クアラルンプール】サウジアラビア最大級のイスラム銀行、アル・ラジ銀行の子会社アル・ラジ・バンク・マレーシア(ARBM)は野村アセットマネジメント・マレーシアとの提携を発表した。野村が設定したイスラム式投資信託をARBMの全支店窓口で販売する。

扱う商品を増やすことで顧客の投資需要に対応する。ARBMのアルサラアン・アハメド最高経営責任者(CEO)は声明で「戦略的提携であり、ARBMの顧客の投資選択肢が増える」とした。

扱うのは、半導体製造にかかわる企業に投資する、リスク許容度の高い投資信託「グローバル・シャリア・セミコンダクター・エクイティー・ファンド」、外国のシャリア(イスラム法に準拠した)株式、債券、短期金融市場商品などに投資する「グローバル・シャリア・ストラテジック・グロース・ファンド」、イスラム式預金、短期金融市場商品などで運用し、定期的な利回りを目指す「アイ・インカム・ファンド」の3種。
(エッジ、10月23日)

マレーシア航空、11月からKLー成田・羽田線を増便

【クアラルンプール】  マレーシア航空は11月1日付けで、クアラルンプール(KL)ー成田、羽田間を増便すると発表した。日本の水際対策緩和に伴う、日本への旅行需要急増に応える。

羽田線を週2回から週3回に、成田線を週5回から毎日運航に増便する。関空線については10月に週3便から週5便に増便している。

羽田線のMH36便は水、金、日曜日の運航で、KL発が15時00分、羽田着が22時35分。MH37便は、月、木、土曜日の運航で、羽田発0時30分、KL着が翌日7時10分。成田線のMH88便は毎日の運航で、KL発が23時35分、成田着が翌日7時15分。MH89便も毎日の運航で、成田発10時05分、KL着が17時00分。関空線のMH52便は水、木、金、土、日曜日の運航で、KL発が22時40分、関空着が翌日5時40分。MH53便は、月、木、金、土、日曜日の運航で、関空発9時55分、KL着が15時55分となる。使用機材は「A350型機」と「A330型機」。

イザム・イスマイル最高経営責任者(CEO)は、今年8月の週2便の運航開始後、羽田便の予約は順調に伸びているとし、ビジネスやレジャーでの日本への旅行需要の急増に対応するため、運航頻度を増やすと述べた。関空便の搭乗率はコロナ禍前の70%まで回復しており、ロンドン、オーストラリア、ニュージーランド、インドを含む他の国際路線とともに、コロナ渦前の70%以上の水準へのキャパシティの早期回復を促進させると言明。また、増便により、両国間の輸送量を早期に回復させ、経済成長を促進し、ビジネスや貿易の支えとなることを期待しているとした。
(ザ・サン、10月21日、エッジ、10月20日、マレーシア航空発表資料)

新型コロナの感染者数は2054人、5日連続で2千人超

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省の総合情報提供サイト「KKMNOW」によると、23日の新型コロナウイルス「Covid-19」感染症の新規感染者数は2,054人となり、累計感染者数は488万2,059人となった。
新たに1,975人が回復し、累計治癒者は481万8,237人。死者数は0人で、累計は3万6,444人となった。アクティブ感染者は、前日から79人増の2万7,378人。うち96.0%が自宅、3.9%が医療機関、0.2%が集中治療室(ICU)で療養中となっている。病床使用率は69.4%、ICU病床の使用率は63.9%、人工呼吸器の使用率は36.1%となった。
同日午後11時59分時点のワクチン接種完了者数は2,751万7,069人となり、接種率は84.3%。1回目のブースター接種完了者は1,624万8,242人で、接種率は49.8%、2回目が51万7,191人となり、1.6%だった。

トレードウィンズ、ホテル3軒を予定通り2024年にオープン

【クアラルンプール】 ホテル運営などを手掛けるトレードウィンズ・コーポレーションは、観光業界が正常化に向かっていることから、クアラルンプール(KL)、ランカウイ、ペナンで建設を進めているホテル3軒について予定通り2024年にオープンする方針だ。

同社は「ウォルドーフ・アストリア・KL」、「ヒルトン・ブラウ・ベイ・リゾート・ランカウイ」、「ランカウイ・インターコンチネンタル・ペナン・リゾート」  を建設中。現在は「ザ・ダナ・ランカウイ」、「ペランギ・ビーチ・リゾート」、「レバク・アイランド・リゾート」 (いずれもランカウイ) 、「ムティアラ・タマン・ネガラ」 (パハン州)、「グレンマリー・ホテル&ゴルフ・リゾート」 (セランゴール州) を所有し、「ヒルトン・ペタリンジャヤ」 (セランゴール州) と「ヒルトン・クチン」 (サラワク州)のマネジメントを手掛けている。

ムハンマド・ザイナル・アシキン社長兼最高経営責任者(CEO)は、既存のホテル稼働率がパンデミック前水準より20%低い程度まで回復するなど、長い不況のトンネルを抜ける気配があるとし、主なインバウンド市場である中国が段階的に海外旅行の制限解除に向かうと見られることから、来年には状況が改善すると楽観視していると述べた。その上で、客室当たりの収益はまだ2019年の時点より30%低いが、国内市場しかなかった2021年に比べると60%高いと指摘。リンギ安による国内旅行増加も追い風になると分析した。
(マレーシアン・リザーブ、10月19日)

25-40歳の労働者、3人に1人が個人保険に未加入=調査

【クアラルンプール】 保険大手のチューリッヒ・マレーシアは19日、25ー40歳の労働者の3人に1人が個人保険に加入していないと明らかにした。

同社が実施した調査によると、参加者の21%が「会社で加入しているグループ保険で十分」、14%が「個人保険やタカフル(イスラム保険)は必要ない」と回答。また個人保険やタカフルに対して、9%が「否定的な認識を持っている」、22%が「十分な知識がない」と答え、誤解や知識不足が起きていることが明らかになった。

また自動車所有者を対象に実施した調査では59%が「洪水などの自然災害による損害が補償される損害保険に加入していない」と回答。34%が「暴風雨に伴う倒木による損害が補償される保険」、29%が「がけ崩れや地滑りなどの土砂災害による損害が補償される保険」に加入していると答えた。

チューリッヒ・マレーシアは、調査結果を受けて、保険に対する正しい知識を広めていき、個人保険やタカフルの普及率を高め、国民が持続可能な生活ができるように努めていくとコメント。またモンスーンシーズンが来るとして、補償オプションを追加するなどの備えをするべきとの見解を示した
(ザ・サン、10月20日、マレーシアン・リザーブ、10月19日、ニュー・ストレーツ・タイムズ、10月17日)

洪水や浸水のホットスポット、全国で5496カ所を特定

【クアラルンプール】 排水灌漑局(DID)は、洪水や浸水が起きる可能性が高い場所として5,496カ所を特定した。

DIDが発表したリストによると、それらのホットスポットは、1,248カ所の村と235カ所の地域にあり、135本の幹線道路が含まれている。

761カ所がマレー半島西海岸となっている。クランタン州が最もホットスポットが多く、中でもバシル・マスでは81カ所と最多で、マチャンでも64カ所、グアムサンでも53カ所が特定された。他にはパハン州のジェラントゥトとケダ州のバリンでそれぞれ52カ所となっている。なお、セランゴール州では52カ所が特定され、クランが14カ所で最多となっている。

3年間続いているラニーニャ現象(太平洋赤道域東部の海水温低下)や北東モンスーンに備えて、ヒシャムディン・フセイン上級相(国防相兼任)は19日、1万6,612人の軍人や消防隊員を配備したと発表。また救助に使う船や、船舶用エンジン、救命胴衣なども適所に配備したと述べた。
(ザ・スター、10月20日、マレーシア ナウ、10月19日、国家災害管理局発表資料)

総選挙は11月19日に決定、三つ巴の争いを中心に展開か

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 選挙委員会(EC)は20日、第15回総選挙について、公示日を11月5日、投開票日を11月19日とする選挙日程を発表した。11月中旬以降は北東モンスーンの勢いが強まるため各地で水害が懸念されており、投票行動に影響を及ぼす可能性がある。

下院議会の定数は222。与党連合の中心となっていた国民戦線(BN)と国民同盟(PN)の二大政党連合が関係を断絶することが決定的となっており、野党連合・希望同盟(PH)を加えた三大政党連合による三つ巴の戦いを中心に展開するとみられる。

UMNOが率いるBNが、マラッカ及びジョホール州議会選挙での連勝に勢いに乗って、単独過半数獲得を目指している。早くから選挙準備を進めてきたこと、対抗するPNや野党側の連携が進んでいないことなどからBNが選挙戦を有利に進めるとみられる。ただどの政党連合も単独過半数を獲得できないとの見方もあり、選挙後の政界再編も予想される。

イスマイル・サブリ・ヤアコブ首相は、自身が総裁補を務めるBN第一党・統一マレー国民組織(UMNO)主流派からの圧力に押し切られ、10月10日に任期を6カ月以上残して下院議会解散に踏み切っていた。

■州議会選挙は3州のみ実施■
州議会選挙は今回、BNが政権を握るパハン、ペルリス、ペラの3州のみが下院選と同日程で行う。

パハン州の定数は42で、解散前はBNが過半数の25議席を掌握していた。ペルリス州の定数は15で、解散前はBNが過半数の10議席を掌握していた。一方、ペラ州の定数は59で、解散前はBNが25議席で第一党派となり、PNなどと連立政権を組んでいた。

各地で起きている洪水などを理由に早期解散・総選挙に反対していたPHが政権を握るセランゴール、ペナン、ネグリ・センビランの3州、汎マレーシア・イスラム党(PAS)が政権を握るクランタン、トレンガヌ、ケダの3州は選挙を行わない。またサラワク、サバ、マラッカ、ジョホールの4州では2021年以降にすでに選挙が行われているため実施しない。

新型コロナの感染者数は2295人、病床使用率は73.4%

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省の総合情報提供サイト「KKMNOW」によると、19日の新型コロナウイルス「Covid-19」感染症の新規感染者数は2,295人となり、累計感染者数は487万2,570人となった。
新たに1,386人が回復し、累計治癒者は481万1,810人。死者数は3人で、累計は3万6,429人となった。アクティブ感染者は、前日から906人増の2万4,331人。うち95.4%が自宅、4.4%が医療機関、0.1%が集中治療室(ICU)で療養中となっている。病床使用率は73.0%、ICU病床の使用率は62.9%、人口呼吸器の使用率は37.0%となった。
同日午後11時59分時点のワクチン接種完了者数は2,751万5,843人となり、接種率は84.3%。1回目のブースター接種完了者は1,624万6,438人で、接種率は49.7%、2回目が51万4,628人となり、1.6%だった。