【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 JX石油開発(本社・東京都千代田区)は26日、国営石油会社ペトロリアム・ナショナル(ペトロナス)の上流部門子会社ペトロナス・チャリガリとの間で、マレー半島沖の高濃度二酸化炭素(CO2)を含む未開発の5ガス田群(BIGST)を対象とした共同操業協定(JOA)を締結したと発表した。アクティブパートナーとして開発計画の作成に積極的に関与していく。

JX石油開発は100%子会社JXニッポン・オイル&ガス・エクスプロレーションを通じ、ペトロナスとの間で、BISSTの生産分与契約(PSC)を締結し、同ガス田の権益を取得している。BIGSTの権益構成は、JX石油開発が50%、ペトロナス・チャリガリが50%となっている。

JX石油開発は、2020年4月から約1年半をかけ、エネルギー・金属鉱物資源機構と共同で、CO2回収・貯留(CCS)技術を用いた既発見未開発ガス田の低環境負荷での開発実現を目指す共同研究を実施した。この共同研究が高く評価され、2022年12月に、CCS を伴う形でのBIGSTの開発技術提案をペトロナスに行うこと、および権益取得の検討を進めることについて覚書を締結していた。今回、PSCおよび JOAを締結のうえ、開発・生産に向けた具体的な検討を進める運びとなった。

BIGSTは豊富な天然ガス埋蔵量(約4兆標準立方フィート)を有することが確認されていたが、ガスと共に高濃度のCO2を含むことから、これまで開発が見送られてきた。天然ガスとともに産出されるCO2を分離・回収して近隣の減退ガス田に圧入することで、BIGSTの新規開発の実現を目指す。