ペラ州がUAEなどと2件の覚書、未来に通用する経済ハブを構築

【クアラルンプール】 ペラ州開発公社は30日、東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会合に合わせ2件の覚書を中国系CHECコンストラクション(マレーシア)およびアラブ首長国連邦(UAE)政府と交わした。多目的ターミナル開発や食糧安全保障を推進する。

CHECマレーシアとの覚書ではバガン・ダトゥク国際海上ハブ多目的ターミナル開発と、ハラル(イスラムの戒律に則った)製造センターおよび人工知能(AI)センターの開発を進める。CHECマレーシアは海洋工学、浚渫などを手掛ける中国港湾工程の子会社。

ターミナルはルムット海事都市計画の一環で、中国、ASEANおよび湾岸協力会議(GCC)加盟国と世界を結ぶ貿易の玄関口として開発される。ハラルセンター設立を通じ倫理的製造を強化する。

UAEとの覚書は、食糧安全保障における協力と多目的ターミナルに関する投資機会を模索するための枠組みで、農業技術の革新、および域内貿易と供給網の強化を図る。
(ザ・スター電子版、ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、5月29日)

大阪万博開幕1カ月で5億リンギ確保=MATRADE

【クアラルンプール】 マレーシア外国貿易開発公社(MATRADE)は29日、大阪・関西万博の開幕約1カ月で、270件超のビジネスミーティングが開催され、4億8,888万リンギの売上が確保されたと発表した。

MATRADEが主導する万博のマレーシアパビリオンでは、産業別ビジネスマッチングやテーマ別セミナー、ターゲットを絞ったプレゼンテーションセッションなど、さまざまな形のプログラムを展開。特にハラル(イスラムの戒律に則った)、電気・電子、グリーンテクノロジー、ライフサイエンスといった潜在力の高い分野を中心に、日本の主要企業などとの直接的な接触を促進してきた。

モハメド・ムスタファ最高経営責任者(CEO)は、新市場に参入に向けたマレーシア企業の製品展示やバイヤーとの交流といった従来のやり方に留まらず、より広範な国家および地域の目標に沿った戦略的なアプローチの重要性を強調。4月13日の開幕から1カ月で約5億リンギが確保されたことについて「価値主導型のエンゲージメントモデルの成果を示している」と述べた。

さらに閉幕までの残り5カ月で、貿易・投資誘致額で、前回ドバイ万博の83億リンギを上回る、130億リンギという目標達成に向け、主要な成長分野を中心にマレーシアの強みを促進していくとしている。

開幕8週目の6月2―6日は、フルーツ加工品などの食品や、アニメ・ゲーム開発などの商談会が予定されている。ビジネスプログラムに参加企業には、万博入場チケット(1社につき2人まで)も提供される。詳しくはビジネスプログラム公式サイト(https://bsp.expo2025-malaysia.miti.gov.my/ja/)。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、ビジネス・トゥデー、ベルナマ通信、5月29日、報道発表資料)

健康食品&サプリの三生医薬、マレーシアに営業所を開設

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 健康食品・サプリメントの受託開発製造を手掛ける三生医薬(本社・静岡県富士市)は、5月6日付けでペナン州に営業所、サンショー・アジア(法人名)を開設し、健康食品分野における海外展開を本格的にスタートしたと発表した

サンショー・アジアは、韓国・台湾・中国を除くアジア諸国、インド、中東を含む広域圏(AIMリージョン)を対象に、現地市場調査、事業機会の開拓、パートナーシップの構築を進める戦略拠点となる。AIMリージョンの需要の多様性と急成長性を踏まえ、今後の同社のグローバル展開における中核的な役割を担う。

三生医薬は、サンショー・アジアには海外営業やローカルビジネスに精通した専門人材を配置し、日本側とも密に連携しながら、市場調査、営業活動、規制対応、パートナー開拓といった実務を遂行するとしている。また今後については、各国・各地域の消費動向や法制度への理解を深め、製造拠点やサプライチェーンの現地化も視野に入れて段階的な機能強化を図り、マレーシアを起点にAIMリージョン全域での価値提供体制を強化していくとしている。

内外4行に行政処分、金融サービス法違反で

【クアラルンプール】 中央銀行バンク・ネガラ(BNM)は28日、外資系を含む4銀行を金融サービス法違反で罰金の行政処分に付したと発表した。

処分を受けたのはHSBCとそのイスラム銀行部門(罰金は合計326万リンギ)、マラヤン・バンキング(メイバンク)のイスラム銀行部門、メイバンク・イスラミック(同120万リンギ)、および開発銀行のバンク・ペンバングナン・マレーシア(約49万リンギ)。4行とも罰金は既に納付した。

HSBCは顧客の身元確認を怠った。実質的支配者(受益所有者)の身元確認要件に関する理解の欠如が立ち入り検査で判明した。顧客が制裁対象者でないことを確認する制裁スクリーニングでも過失があったという。

バンク・ペンバングナンでも顧客の身元確認と制裁スクリーニングで怠慢があった。行員の理解不足が原因だ。

メイバンク・イスラミックはBNMが管理する中央信用照会情報システムに対し、3人の顧客情報の提供を怠った。この結果、顧客の信用度を正確に判断できず、同行は損害を被った。
(エッジ、ベルナマ通信、BNM報道資料、5月28日)