【クアラルンプール】 首相の任期を最長10年に制限する憲法改正法案が下院議会で2日、否決された。賛成票が146票にとどまり、可決に必要な3分の2に当たる148票に2票足らなかったためで、与党所属議員8人を含む32人が欠席、44人が棄権したことが影響した。

首相の任期制限案は与党連合・希望同盟(PH)構成党の民主行動党(DAP)が要求しアンワル首相もかねてから同意していたもので、民主化を標榜する同政権における目玉政策の一つとなっていた。現時点で法案が再提出されるかどうかは明らかにされていない。

改正案では、10年の上限に達した場合、首相及び内閣は辞職しなければならないが、新首相が任命されるまでは暫定的に首相職にとどまることも可能と規定されている。また同改正は遡及し既に10年以上在任している元首相の再任は禁止されるため、成立すればマハティール・モハマド元首相の再々登板はなくなる。

複数の議員から上限の計算方法や、任期が上限に達した際の首相交代の方法について懸念が示されたが10年という年数の上限よりも任期数を制限する方が有効ではないかとの声が上がった。

一部の野党議員(主に汎マレーシア・イスラム党=PAS所属)は、国家元首である国王の権限を侵害するのではないかと懸念を示し、首相の最終決定権は国王にあると主張した。
(フリー・マレーシア・トゥデー、ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、マレー・メイル、3月2日)