【シンガポール】 シンガポール国家環境庁(NEA)は、インドネシアの森林・土地火災に起因する越境ヘイズ(煙害)の調査を拡大し、シンガポール登記のパーム油・林業関連企業10社に情報提出を求める通知を発出した。対象には、マレーシアのPPBグループが大株主であるウィルマー・インターナショナルや、TSHの名を冠する2社などが含まれる。
通知は10月23日、シンガポールの越境ヘイズ汚染法(THPA)第10条に基づき発出された。同法を利用してシンガポール登記企業に文書や情報の提出を求めるのは今回が初めて。NEAは、対象企業がインドネシアに土地のコンセッション(事業権)を保有するか、関連会社が保有していると説明した。
対象企業は、▽ウィルマー・インターナショナル▽アジア・パルプ・アンド・ペーパー(APP)関連2社▽ブミタマ・アグリ▽ゴールデン・アグリ・インターナショナル▽ファースト・リソーシズ▽インドフード・アグリ・リソーシズ▽ケンチャナ・アグリ▽TSHグローバル・プランテーション▽TSHオーバーシー――の10社。
各社には、シンガポールおよびインドネシアの関連会社との資本・企業関係、対象となる土地の所在地、乾季に実施した火災予防・消火対策などについて、文書や情報を提出するよう求めている。NEAは、越境ヘイズを引き起こした、または発生に関与した国内外の企業を特定し、THPAに基づいて責任を問う方針を示している。
今回の措置に先立ち、NEAはインドネシア企業10社にも、スマトラ島やカリマンタン島で発生した火災への関与が疑われるとして、予防措置通知を発出していた。対象企業には、保有・占有する土地での消火活動や延焼防止、野焼きの停止、再発防止策を盛り込んだ行動計画の提出などが求められている。
ウィルマーは23日、シンガポール取引所への届け出で、NEAの要請に応じて文書・情報の提出準備を開始したと発表した。ファースト・リソーシズとブミタマ・アグリも、当局に協力し、重要な進展があれば開示すると表明した。
一方、マレーシア上場のTSHリソーシズは、インドネシアの農園に関連する火災やホットスポットについて、シンガポール取引所規制当局から別途照会を受けている。同社は10月22日、2026年1月1日から10月21日までに、インドネシアの農園境界内で274カ所のホットスポットが検出されたと公表。ただしいずれも植栽地や操業区域の外にある地域住民の居住区域内だったと説明している。
(ビジネス・トゥデー、エッジ、ベルナマ通信、10月23日)