AIを身に付けた大卒者3万人を輩出、高等教育省計画

【クアラルンプール】 高等教育省は人工知能(AI)技術を身に付けた大卒者を2025―30年の5年間で3万人、輩出する計画だ。下院議会における議員の質問にザンブリー高等教育相が回答した。

現在、11の公立大学の学士・修士・博士号課程で30の特別プログラムを提供しているが、AIをすべての学生が学べるよう、公立大の学士課程の80%にAIの要素を組み入れる。

ザンブリー氏は「AIは多様な学びの領域を横断しており、専門分野とみなすべきではない」と説明した。

人材育成を強化するためマレーシア工科大学にはAI学部を設け、ほかの2大学にはAI関連学部を設ける。また学業のあらゆる段階で学生がAI能力を高められるよう、就業実習型学習プログラムなどを大学に導入する。

AIが学生の創造性などに与える影響を考慮し、AIツールへの過剰な依存を防ぐべきとの質問に対し、ザンブリー氏は「AIへの過剰依存は創造性、批判的思考、さらには道徳的価値観に影響する可能性がある。技術の利用と人としての能力開発のバランスが必要だ」と述べた。
(マレーシアン・リザーブ、マレー・メイル、10月9日)

半島部などで煙害悪化、セナイ空港や学校休校など影響拡大

【クアラルンプール】 ジョホール州のセナイ国際空港(LTAS)で8日、煙害(ヘイズ)による視界不良のため、到着地変更や遅延など計5便に影響が出た。

アンソニー・ローク運輸相も同日早朝、クアラルンプール新国際空港(KLIA)からLTASに向かう予定だったが、1時間45分遅れで離陸許可が出たという。このほか、LTASに到着予定の便の中で、KLIAや、シンガポールのチャンギ空港に目的地が変更になった便もあった。

この日、州内の7地域で、大気汚染指数(API)が101―200の「不健康」を記録した。アンワル・イブラヒム首相は汚染緩和のため、雲が発生しやすい地域で人工降雨作戦を強化していることを明らかにした。

しかし、9日午前8時半時点では、環境局の全国68カ所の観測地点のうち38カ所でAPIが「不健康」となり、大気汚染が広範囲に拡大した。8日から小中学校が休校となっているジョホール州に加え、9日はセランゴール州、マラッカ州、ネグリ・センビラン州、クアラルンプール、プトラジャヤなどでも休校となった。教育省は、APIが180を超えた地域では9日から、150を超える状態が3日連続した地域では12日から、それぞれ休校とするよう指示している。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、ザ・サン、フリー・マレーシア・トゥデー、10月8日、マレー・メイル、10月8、9日)

2027年度予算案発表、最低賃金2000リンギに引き上げ

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 アンワル・イブラヒム首相(兼財務相)は9日、下院議会に2027年度(27年1月1日ー12月31日)予算案を提出した。最低賃金引き上げや低・中所得層への現金給付、個人所得税控除の拡大などを盛り込み、経済成長と生産性向上、社会的包摂を重視する内容となった。

最低賃金は現行の月額1,700リンギから2,000リンギに引き上げ、2027年6月から適用する。年間売上高が5,000万リンギ未満の中小零細企業は最低賃金引き上げの対象外となる。

2010年以来見直しが行われてこなかった個人所得税の控除上限も、9,000リンギから1万2,000リンギに引き上げる。個人所得税控除の対象が拡大され、医療費、両親や祖父母の介護費、スポーツ用品費、教育費、技能訓練費、ライフスタイル経費などが対象となる。

■個人所得税、中小企業の法人所得税を減税■
個人所得税比率を1ポイント引き下げる。課税所得額7万―10万リンギの税率は18%に、10万―15万リンギは24%となる。一方、100万リンギ以上の高所得者に対する税率は一律30%とする。控除上限引き上げと個人所得税率の引き下げにより、約500万人の納税者に最大1,600リンギの追加可処分所得がもたらされると見込む。

中小零細企業(MSME)の法人所得税率は、課税所得の最初の15万リンギに対して14%、15万―60万リンギに対して16%にそれぞれ1ポイント引き下げる。

学歴や資格、スキルに見合った適正な給与が支払われていない現状を改めるため、準熟練労働者および新卒者の最低月給を2,500リンギとする制度を導入する。また政府系投資会社(GLIC)と政府系企業(GLC)について、生活賃金の基準を月額3,100リンギから3,400リンギに引き上げる。

環境税制優遇措置を2030年12月31日まで延長し、グリーンテクノロジープロジェクト、電気自動車充電ステーション、または自社利用のためのグリーン資産に投資する企業は、引き続き投資額の最大100%の税額控除を受けられる。

外国人の「カテゴリーI」就労パス保持者の配偶者を対象に、扶養家族パスを所持している場合、2027年1月1日から一定の条件の下でマレーシアで就労することを認める。またデジタルノマド向けビザ「DE Rantau Nomad Pass」の所有者を対象に、最長2年間の滞在制限(初回12カ月+更新12カ月)に達した際、特定の条件を満たすことで、さらに2年間の滞在・リモートワークの延長を認める。

生活支援策では、最大1,300万人を対象に、支援金「スンバンガン・アサス・ラフマ―(SARA=基礎的慈悲の寄付)」の給付金として100リンギを年2回支給する。また 「思いやり現金給付(STR)」の全受給者に対し、最大月150リンギの給付を実施する。

■予算規模は過去最高の4598億リンギ■
予算規模は前年度から3.6%増の4,598億リンギで過去最高となった。経常支出は3,768億リンギ、開発支出が830億リンギで、総予算の30.2%を教育省、保健省、国防省に配分する。

歳入は前年度比4.7%増加の3,808億リンギとなる見通し。持続的な歳入改善と支出効率化に支えられた財政健全化により、財政赤字は約790億リンギに減少する見込みで、対GDP比は前年度の3.6%から3.3%へ縮小する見込みだ。