首都圏でのCMCO発令、経済下ぶれリスクに

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 首都圏クランバレー(セランゴール州、クアラルンプール=KL、プトラジャヤ)とサバ州で条件付き行動制限令(CMCO)が施行されたことを受け、エコノミストらは経済の下ぶれリスクになるとみている。
CGS-CIMBは、CMCOに指定された地域がマレーシアの国内総生産(GDP)の46.6%を占めている点(セランゴール州24.2%、KL&プトラジャヤ16.4%、サバ州6.0%)を指摘。2週間のCMCOが、個人消費の減少により企業収益の回復が遠のくとの懸念から市場心理を悪化させるとした。
CGS-CIMBによると、影響を受けそうな業種は、醸造業者(販売減)、建設(工事の中断)、消費関連(客足減少、外食減少、コンビニの営業時間短縮)、公営賭博・宝くじ(売上減少、旅行制限によるゲンティンハイランドへの客足減少)、不動産投信(REIT、ショッピングモールの客足減少、テナントの売上減少、ホテル予約キャンセル)、運輸(国内旅行の回復の鈍化)、銀行(OPRの更なる引き下げ可能性)。
一方MIDFリサーチは、影響を受ける業種についてはほぼ同意見だが、eコマース、宅配サービス、eウォレットやオンラインバンキングなどのオンライン・サービスの利用拡大によって促進されるオンライン購入の増加によって、個人消費が下支えされると指摘。第4四半期のGDPに与える影響は限定的だとして現状の通年GDP成長予想(マイナス4.8%)を維持するとした。

来年度予算は経済的弱者の支援などに注力=ムヒディン首相

【クアラルンプール】 ムヒディン・ヤシン首相は、2021年度予算案について「新型コロナウイルス感染拡大の影響を被った経済的に脆弱なグループに的を絞った支援など4つの項目に注力する」と明らかにした。予算案は11月6日に下院議会に提出される予定。

 ムヒディン首相はテレビ討論形式で行なわれた記者会見の中で、政府が約3,000億リンギにのぼる様々な経済対策を実施したものの多くのグループが新型コロナの影響を受けたと指摘。「来年度予算はこうしたグループに別の形の支援を提供することになる」と述べた。
また弱者支援措置が実施された後には、二番目の注力項目としてインセンティブを通した産業支援を行なうとし、それにはサービス提供の強化と持続可能な生活環境の発展が含まれると指摘。世帯所得下位の40%(B40)が貧困レベルに落ち込むのを防止するための協力なセーフティネットを構築するとした。
ムヒディン首相はその上で、予算の焦点はこれまで通り国民の命と生計を救うことにあるとし、国民支援、ビジネス支援、経済の継続的な強化——という3つの主要な柱に焦点を当てるとした。
(ベルナマ通信、10月13日)

新型コロナ感染者は新たに660人、サバ州では429人が感染

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は14日、新型コロナウイルス「Covid-19」の感染者数が前日から660人(うち6人が海外で感染した帰国者)増えて、1万7,540人になったと発表した。
州別の感染者数は▽サバ州(429人)▽ケダ州(113人)▽セランゴール州(68人)▽ペナン島(17人)▽クアラルンプール(KL、12人)▽ラブアン(8人)▽ジョホール州(3人)▽ペラ州(3人)▽サラワク州(3人)▽マラッカ州(2人)▽ネグリ・センビラン州(1人)▽プトラジャヤ(1人)ーーとなった。新たに233人が退院し治癒者数は1万1,605人に増加した。死者数は4人増えて167人になった。
保健省のノール・ヒシャム事務次官によると、国内で発生している23つのクラスターが、サバ州からの入州者に関連していることが分かった。保健省は9月22日ー10月13日間において、サバ州からの入州者1万8,478人のスクリーニング検査を実施。うち394人の感染者を検出した。感染者の228人(57.9%)は9月22日ー27日間、残り166人は9月28日以降にそれぞれ確認された。
保健省は9月27日からすべてのサバ州からの入州者に対して、検査受診および結果が出るまでの自宅隔離措置を発令し、10月11日以降においては14日間の自宅隔離を命じている。

新型コロナウイルス、ASEANの状況

10月12日、KL、スランゴール、プトラジャヤに対して10月14日から27日までの間、条件付き活動制限令(CMCO)が再度発令されることが発表されました。

地図は、Googleの人流データに基づいて、ASEAN各国の9月30日〜10月6日の職場への人の移動の増減を新型コロナウイルス流行前と比較して色分けしたものです。現在、ASEANで最も職場への移動が減っているのはミャンマーで54%減となっています。これは、マレーシアの過去状況に当てはめるとMCO期に相当します。

逆に状況が良いのはベトナムで、新型コロナウイルス流行前よりも職場への移動が増加しています。タイについても、職場への移動は10%減にとどまっています。

マレーシアの職場への移動は15%減、状況が近いのはカンボジアとラオスで、ともに19%減となっています。一段状況が悪いのはインドネシアとフィリピンで、職場への移動はそれぞれ23%、35%減少しています。これはマレーシアではCMCO期に相当します。

アジアではこれまで感染が少なかったネパールとミャンマー、マレーシアで新規感染者が急増しています。ただ、マレーシアについては欧米と比較すれば感染者数は少なく、適切な政策で抑制可能と考えられます。今回の措置も、首都圏での感染爆発を防ぐための予防的措置と考えられます。

この記事を書いた人

入国時の二週間隔離、プレミアムホテルが選択可能に

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 マレーシア国家災害管理局(Nadma)は12日、マレーシア入国の際に義務づけられている14日間の隔離について、これまでの政府指定の隔離施設での隔離に加え、プレミアムホテルでの隔離を選択できるよう規定を変更した。

在マレーシア日本大使館によると、マレーシアに入国する者は監視対象者(PUS)に指定されるが、プレミアムホテルでの隔離を望む場合はマレーシア入国3日前に、「MySejahtera Quarantine(隔離)」(http://www.nadma.gov.my/info/pendaftaran-kemasukan-ke-malaysia)を通じてリクエストする必要がある。

クアラルンプール新国際空港(KLIA)からホテルまでのリムジンサービス、多様な食事オプションなど特典が付くが、自身で全額負担しなければならない。プレミアムホテルの宿泊料に加え、2,600リンギの隔離運営経費(固定額)がかかる。

現時点では▽マリオット・プトラジャヤ▽サマサマKLIA▽ドーセット・スバン▽ヒルトン・ペタリンジャヤ▽ヒルトン・ガーデン・イン・プチョン▽グランド・ミレニアム・ブキビンタン▽イスタナKL▽インピアンKL▽スイス・ガーデンKL——が掲載されているという。

投資の手続き簡略化は日本からの投資増加に繋がる=岡大使

【クアラルンプール】 在マレーシア日本大使館の岡浩大使は、新規投資に関する手続きが簡素化された場合、日本からの投資が大幅に増加する可能性があるとの見解を示した。
岡大使は、日本政府はここ最近、マレーシアへの新規投資を促進するために取り組んでいると言明。マレーシアはこれまで日本企業にとり電気・電子(E&E)の投資先であったが、新たな産業へ多様化する傾向にあると述べた。潜在的な新規投資を実現させるために、マレーシアには改善の余地があると指摘。新規投資を促進するためにワンストップ・センターの開設や、手続きの合理化や簡素化を行うことができるとの見解を示した。具体的な例として、マレーシア投資開発庁(MIDA)が投資促進機関としてワンストップ・センターとなり、新規投資家を手続きなどの面において支援することができるとした。
また岡大使は、大使館の職員が投資環境の改善などについてMIDAや通産省(MITI)と定期的に話し合っていると言明。それらの取り組みや協力により、医療機器やハラル(イスラムの戒律に則った)食品、航空産業などの新しい産業への投資に繋がっていると述べた。
(ザ・サン、ザ・スター、10月13日)

小売業5万店舗以上が閉店の見込み、新型コロナの影響で

【クアラルンプール】 小売セクターのリサーチ会社、リテール・グループ・マレーシア(RGM)は、新型コロナウイルス「Covid-19」感染拡大に伴う環境の変化に対応できない小売業者は5万1,000店舗以上となっており、今後4、5カ月内に閉店することになるとの予想を示した。
タン・ハイシン社長は、9月末で銀行の融資返済猶予期間が終了したことから、国内の小売業者の15%となる5万1,000社が閉店に追い込まれると予想。閉店する動きはすでに全国的に出ており、RGMが実施した調査によると、ショッピング・センターのテナントの5%が行動制限令(MCO)実施後に閉店したと明らかにした。閉店したのはインド系マレーシア人が経営する「ママック」レストランや、カフェ、フードコート、ファッション、ヘアサロン、ビューティーサロンなど幅広い業種の店舗が閉鎖していると指摘。新型コロナの流行前にすでに厳しい状況にあった小売業者は、永久的な店舗の閉鎖を決めることになるとの予想を示した。
RGMは、今年第4四半期小売業の成長率について、ー1.5%からー2.5%に下方修正した。また通年についてもー8.7%からー9.3%とした。年末まで給与の引き下げが行われることや今後もさらに解雇が行われること、フル稼働できないことを下方修正の理由として挙げた。
(マレーシアン・リザーブ、10月12日)

アンワル氏の政権奪取宣言、国王は各党領袖から意見聴取へ

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 野党・希望同盟(PH)を率いるアンワル・イブラヒム元副首相が下院議会(定数222)で過半数を超える支持を獲得したと宣言した件で、アブドラ国王は数日中に各党トップから意見聴取した上で今後の対応を決める考えだ。
13日にアブドラ国王と会見したアンワル氏は同日午後に記者会見を開き、自身が下院議会で過半数の支持を得たことを示す証拠文書をアブドラ国王に提出したと言明。アブドラ国王は憲法を尊重することを確約した上で、数日内に主要各党のトップを呼んで証拠文書の内容について確認する方針を示したと明らかにした。
アンワル氏は、ムヒディン首相が過半数の支持を失ったとして即時辞任を求めたが、自身の支持を表明した過半数を超える議員の名簿の内容については公表しなかった。支持議員の名簿については、王宮側はアブドラ国王への提示もなかったとしている。
同日午後にはさっそく、統一マレー国民組織(UMNO)の長老、テンク・ラザレイ・ハムザ元財務相が国王に呼ばれて会見した。報道によると、民主行動党(DAP)のリム・グアンエン書記長は14日、国民信任党(Amanah)のモハマド・サブ党首は15日にそれぞれ国王と会見する予定。与党・国民同盟(PN)を率いるムヒディン・ヤシン首相(統一プリブミ党=PPBM党首)、汎マレーシア・イスラム党(PAS)のハディ・アワン党首とも会見が予定されている。
アンワル氏は9月23日に緊急記者会見を開き、自身に対する下院議会で120人を越える支持を得たと発表し、国王との会見を経た後に自身を首班とする新政権を樹立すると宣言した。PHの現有議席は91議席。過半数を掌握するためにはあと21議席が必要となるが、アンワル氏は具体的な内訳については明らかにしておらず様々な憶測を呼んでいた。一方、PN政権側は113議席を掌握していると主張している。

14日より首都圏でCMCO、経済活動維持を保証

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 イスマイル・サブリ・ヤアコブ上級相(兼国防相)は13日、首都圏クランバレー(セランゴール州、クアラルンプール=KL、プトラジャヤ)を対象に14日深夜零時付けで発令される条件付き行動制限令(CMCO)に関する詳細を発表。すべての経済活動はこれまで通り行なうことができると保証した。実施期間は27日までの14日間。

  州や地区を跨いでの移動は緊急時を除いて原則禁止。CMCO外に出ることも原則禁止となる。ただ州や地区を跨いで通勤する場合には雇用主が発行した雇用証明書を提示すれば通行可能となる。CMCO指定外からの通勤も同様で、例えばネグリ・センビラン州セレンバンからプトラジャヤへの通勤も証明書があれば可能となる。またCMCO指定外の州から別の指定外の州へ移動する際にCMCO指定域を通過する場合、最寄りの警察署で許可を取る必要がある。

  飲食店を含む事業所の営業時間については、これまで通り午前6時から午後10時まで認める。ただ飲食店で飲食する場合には1テーブルに2人までとし、デリバリーやテイクアウトを奨励する。給油所の営業は午前6時から午後10時まで。路線バスや軽便鉄道(LRT)、タクシー、配車サービスもこれまで通り認める。タクシーや配車サービスは乗客2名までとする。ただし労働者の送迎バスは通常通りの運行がみとめられる。

  公益市場は午前6時から午後2時まで、卸売市場は午前4時から午後2時までとする。政府行事や公式・非公式行事、結婚披露宴や集会などの民間のイベントの開催は認めない。礼拝所での礼拝は最大6人まで認める。

  首都圏でのCMCO実施についてムヒディン・ヤシン首相は同日、メディアと行なったバーチャル記者会見の中で、人の移動を制限することで感染拡大を防止しつつも経済活動は全面的に認めるという正しい方向性だとして、国家安全委員会(NSC)の決定を評価した。

新型コロナ感染者が新たに660人、サバ州では443人感染

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は13日、新型コロナウイルス「Covid-19」の感染者数が前日から660人(うち2人が海外で感染した帰国者)増えて、1万6,880人になったと発表した。
州別の感染者数は▽サバ州(443人)▽セランゴール州(76人)▽ケダ州(60人)▽ペナン島(23人)▽ラブアン(19人)▽ペラ州(16人)▽ジョホール州(10人)▽クアラルンプール(KL、10人)▽ネグリ・センビラン州(2人)▽パハン州(1人)ーーとなった。新たに350人が退院し治癒者数は1万1,372人に増加した。死者数は4人増えて163人になった。
保健省のノール・ヒシャム事務次官によると12日時点で新たなクラスターが6つ検出された。そのうちの▽セランゴール州ぺタリンの「トロピカナ・ゴルフクラブ&カントリー・リゾート」が関連する「トロピカナ・クラスター」▽プトラジャヤの「カスツーリ・クラスター」▽KLのチェラスの「ペルダナ・クラスター」ーーの3つのクラスターは、サバ州からの入州者が関連する。感染者数は12日時点でそれぞれ23人、18人、9人となった。セランゴール州フル・ランガットとKLのチェラスが関連する「バイドゥリ・クラスター」は感染者数が18人。サバ州ケニンガウの「コロン・クラスター」とマラッカ州マラッカ・セントラルおよびジョホール州ジョホールバルが関連する「リンティング・クラスター」はそれぞれ8人に上った。
14日より条件付き行動制限令(CMCO)の対象エリアとなるセランゴール州、KL、プトラジャヤについてノール事務次官は、各地の感染者数が100人未満に止まっているが他の地域に拡散させるおそれがあるとし、感染拡大を防ぐための鍵になると言明。イエローゾーンからレッドゾーンへ引き上げる前にCMCOを実施する必要があると述べた。