「ワン・ウタマ」モール、17日に営業再開

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 新型コロナウイルス「Covid-19」の大規模クラスターが発生していたセランゴール州ペタリンジャヤの「ワン・ウタマ」ショッピングモールは、施設内の消毒作業が終わったとして17日から営業を再開すると発表した。保健省から承認が出たという。

スポークスマンによると、27日までの条件付き行動制限令(CMCO)の期間中も、営業時間は午前10時—午後10時で維持する。一部のテナントは午前11時から午後8時までの間でフレキシブルに営業を行なう。

「ワン・ウタマ」クラスターでは15日までに132人の感染者が確認され、一部のテナント店員を除きほとんどを警備員や清掃員が占めた。このため11日より全面的に閉鎖となり、従業員やテナントの店員ら6,000人を対象にスクリーニングを実施した。

■ケダ州バリンの村で新たにCMCO発令■

イスマイル・サブリ・ヤアコブ上級相(兼国防相)は、25人の感染者が確認されたケダ州バリンのカンポン・パダン・チェ・マスが新たに条件付き行動制限令(CMCO)に指定されたと発表した。発令は18日付けで期間は31日までの14日間。

内閣不信任案審議求める声が相次ぐ、友党からも

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 ムヒディン・ヤシン首相に対する与野党双方からの不満がこれまでになく高まっており、11月2日に開幕する次期国会において内閣不信任案の審議を行なうよう求める声が相次いでいる。ムヒディン内閣は3月の組閣時点で下院(定数222)の過半数をわずかに上回る114議席しか支持を獲得できておらず、数人のくら替え議員が出ただけで退陣に追い込まれるきわどい状況に立たされている。
独立系野党・祖国戦士党(ペジュアン)は15日に開催した中央委員会会議でムヒディン首相の不信任案審議を要望する文書を提出する方針を決議。マハティール・モハマド会長(前首相)、ムクリズ・マハティール党首(前ケダ州首相)、マスズリー・マリク前教育相、アミルディン・ハムザ書記長(前副財務相)、シャハルディン・モハマド・サレー前副公共事業相——の下院議員5人全員がアズハル・アジザン・ハルン下院議長に提出した。マハティール氏は前にも下院議長にムヒディン内閣不信任案審議の要望書を提出したが、他の審議を優先するとの名目で見送られた経緯がある。
野党連合・希望同盟(PH)所属政党・国民信任党(Amanah)のハサルディン・モハマド・ユヌス党首補は、所属議員11人に対して不信任案審議要求書の提出を呼び掛けたことを明らかにした。
ムヒディン内閣を支援してきた統一マレー国民組織(UMNO)所属議員の間からもムヒディン首相への批判の声が高まっており、長老のテンク・ラザレイ元財務相は下院議長に対し、マハティール前首相が要求した不信任案の審議が行なわれなかった理由を糾した上で改めて審議を行なうよう求めた。
ムヒディン首相への不満の声を背景に政界では再編の動きが強まっており、PHを率いるアンワル イブラヒム元副首相(人民正義党=PKR党首)は先ごろ、下院における自身への支持が過半数を越えたと宣言。報告を受けたアブドラ国王が、主要各党のトップを呼んで意見聴取を行なっていた。政治的混乱を懸念するアブドラ国王は16日に特別声明を発表し、憲法に則った合法的手段に基づいて政治的対立を解消するよう呼び掛けた。

旅行業界、コロナ時代の生き残り策(前)

 新型コロナウイルス「Covid-19」感染拡大で壊滅的な打撃を受けている旅行業界。いつ終息するかも分からない先行き不透明な状況にあって、生き残りを模索する一方で、将来的な「ポスト・コロナ」を見据えたビジョンが求められている。日系旅行代理店、日本旅行グループ・サンライズ・ツアーズ&トラベル取締役の壁田忠幸さんに話を伺った。

業態の脆弱性が浮き彫りに

——コロナの流行でマレーシアの旅行業界ではどのような影響が出ているのでしょうか?

壁田:マレーシアに限らず世界全体の旅行業界がかつて経験した事のない、まさに未曾有の危機に直面しているのは間違いないことです。いずれの旅行会社も売り上げがゼロまたはそれに近い状況となり、旅行産業という業態の脆弱性が浮き彫りになりました。それぞれが生き残りをかけた対策を講じていますが、実際は各社毎の企業体力に寄るところが大きいと言えるでしょう。

——政府の支援体制はどうでしょう。

壁田:世界観光ランキングでもトップ20に入る上位国であり、観光立国と言われるマレーシアですが今般のコロナ禍において、現時点では観光業に対する特別な支援は少なく、他の産業同様に企業努力が求められています。今後、日本の「Go To トラベルキャンペーン」のような分かりやすい施策に発展していく事を期待をしています。

——マレーシアは3月18日というかなり早い時期に行動制限令(MCO)を敷くという思い切った厳しい措置をとりましたが、効果がそれに見合っていない印象です。解除どころか年末まで延長となってしまいました。

壁田:仮に先月(9月)にRMCOが解除されていれば「あの早い時期でのロックダウンは英断だった」という評価になったと思うのですが、結果的に12月末まで延長されたことでガッカリした方も多かったのではないでしょうか。ここまで我慢に我慢を重ねてきた我々の希望は奪われ、もう一段踏み込んだ費用圧縮の対策に追われる事になりました。もし8月末で終わっていれば・・・もしは無いですが各社とも進む道が大きく変わっていたと思います。

「ゼロよりまし」の功罪

——御社サンライズ・ツアーズ&トラベルのお話をお願いします。

壁田:弊社は日本旅行のマレーシア総代理店です。クアラルンプールを本拠地にした総合旅行社でありインバウンド事業は主にマレーシアを訪れる日本人のお客様を、アウトバウンド事業は在馬日系企業の業務渡航や団体旅行のお手伝いを中心にサービス展開をさせていただいております。

——インバウンドとアウトバウンドではコロナの影響はどのように違いますか?

壁田:当社のインバンド事業は日本からの来馬顧客をメインに取り扱うため、マレーシアのRMCOの解除時期に限らず、日本国内における海外旅行需要復活の時期が大きな鍵になります。一方、アウトバウンド部門ですがマレーシアのRMCOが年末まで延長された影響は甚大です。来年早々の市場の戻りに期待をし、その準備をするより手立てがありません。インもアウトも本年いっぱい動きのない(収入が見込めない)この状態、そしてこの時間をどうやって乗り越えるかは目下の課題です。

——アウトバウンドについては、ベトナムとかタイ、中国、豪州、ニュージーランドといった感染を抑え込んだ国を対象に「グリーンゾーン」国として観光渡航も解禁していこうという動きがあり、マレーシアの観光大臣もそうした交渉を他国と進める意向を示しています。

壁田:市場回復過程で「グリーンゾーン」渡航制度が確立され、段階的に渡航国が増えるのは喜ばしい事ですが、必ずしもそれだけでは十分とは言えません。もちろん一部のビジネス需要の回復は小さな光であり希望です。しかしながら一般的な旅行者にも、そして旅行業界にとってもより分かりやすい対策が投入される事を心から期待しています。

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——MCO延長のため年内は回復が期待できなくなりました。そうした中、生き残りのために物品販売をやっている旅行会社もあると聞きます。

壁田:「収入ゼロよりは何でもやって少しでも収入を得よう」という考えに基づいて実施しているところは多いようです。各社毎の判断ですからそれをとやかく言うつもりはありません。ただ、ポスト・コロナでもその分野に進出していくつもりで本気でやっているものと、言葉通り手当り次第にやっているものが混在しているように感じます。

——これまでにも現地のおみやげを車内販売する旅行会社が多くありましたが、これはガイドさんが観光のついでに売る訳です。本業(旅行)があるからプラスアルファの儲けになるからいいのでしょうが、本業が無いのに売るという事になれば勝手が違うし、経費も余計にかかってしまいます。

壁田:はい、付帯販売と呼ばれるものですね。たしかに主力商品であるツアーと比べると「付帯=オマケ」的な存在ではありますが、旅行全体を輝かせる名脇役だとも言えます。そこにはしっかりとしたストーリーがありました。ですから脇役だけを必死で売るような事は無かったのですし、旅行に直接関係ないものであればなおさらです。

——まったく本業と関係の無いものを売っている旅行会社もあるようですがいますが、これでは将来には繋がらないですよね。

壁田:旅行業はその歴史の中で常に形態を変えてきました。旅行という形の無い商品を取り扱う我々にとって、売るものが変化していくことに大きな戸惑いはありません。ただし今般のコロナ禍中で「生き残りの為に迫られた急激な変化」は、「ゼロよりマシ」「売れれば何でもいい」等、ストーリー性のない無策な物販に走ったものと、コロナ問題が明けた後も本業の旅行商品と融合できる(させる)戦略的ものとに大別されていると思います。

※本記事は中編・後編に続きます。

完全回復は来年11月の見込み=MATTA副会長

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 マレーシア旅行代理店協会(MATTA)のシンティア・タン・アウトバンド担当副会長は、「マレーシアBIZナビ」の取材に対し、新型コロナウイルス「Covid-19」の落ち込みから回復するのは来年4月以降、完全回復は来年11月を見込んでいると述べた。
タン副会長は、MATTAに訪日旅行を売り込みたい日本側から日本の観光業界における感染防止の取り組みなどをマレーシア側に紹介するウェビナーを開催したい旨のオファーが寄せられていることに触れ、「こうしたポスト・コロナの取り組みを積極的に発信していこうというのは日本が初めて」と歓迎する意向を表明した。
その上でタン副会長は、訪日観光ウェビナーをマレーシアで行うのであれば復興に向けた行動制限令(RMCO)が明けた来年1月か2月が望ましく、その際にはマレーシアの地元メディアを使ったPRするのが好ましいと言明。それを踏まえた上で4月頃にメディアを連れて観光視察旅行(FAMツアー)を実施するとさらに効果的ではないかとの考えを示した。
またタン副会長はマレーシア人訪日旅行の傾向について、今後は4泊程度の短期間になっていくとの見方を示し、中部地方で1カ所に絞った旅行が選ばれる傾向にあると指摘。美しい景色、ショッピング、グルメのほかマレーシアで決して出会えない特別な体験、ユニークな製品、美しい景色、新しい体験が人気を博すだろうと述べた。

家計債務の伸びが4%に縮小、新型コロナで消費に慎重姿勢

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 中央銀行バンク・ネガラ(BNM)は14日、2020年上半期の金融安定性報告書を公表した。家計債務の伸びが、前期の5.5%から4%に縮小した。新型コロナウイルス「Covid-19」の発生により消費に慎重になったため、住宅不動産と自動車の融資の伸びがそれぞれ8.5%から7.2%、マイナス0.4%からマイナス0.9%に縮小したことが影響した。
家計負債の伸びが鈍化した一方で対国内総生産(GDP)比率は、2015年の最高値(86.9%)を上回り、87.5%に上昇した。しかしこれらの債務は、値債務返済比率(DSR)の中央値が示す未払いローン(35%)および新たに承認されたローン(43%)の範囲内で借り入れされており、経済活動が改善し徐々にローンの返済が再開されることで、この比率は低下するとBNMは見ている。
政府とBNMが導入した救済措置により、水準の金融資産と流動性が高い金融資産(LFAs)はそれぞれ2.2倍と1.4倍の負債で維持した。
また主に持ち家キャンペーン(HOC)が再導入され、住宅購入に充てる借入が増加したことで、特に月収5,000リンギ未満の世帯(借り手)でレバレッジが上昇した。
BNMは、労働市場の改善が今後期待される中で、国民や企業は引き続き金銭的問題に直面する可能性が高いとした上で、政府による賃金補助や再スキルアップなどのプログラムが借り手を支援に役立つとした。

セランゴール州の感染収束、4—6週間かかる可能性も

【クアラルンプール】 14日付けで条件付き行動制限令(CMCO)が発令されたセランゴール州について疫学専門家のアワン・ブルギバ博士は、標準的運用手順(SOP)を遵守した場合であっても、新規感染者数が減少に転じるのに4—6週間かかる可能性があると指摘した。
マラヤ大学で副学長を務めるアワン・ブルギバ博士は、セランゴール州での感染速度は速いものの感染者数のベースが大きくないため新規感染者数がそれほど多くないが、新規感染件数に比べると治癒件数が少ないと指摘。現状では14日間の期限付きとなっているCMCOを解除するために必要な感染速度の低下や新規感染者数の低下の基準を見極めるのは難しいと指摘した。
また最近の感染拡大の多くがサバ州から戻った人を介したものであることについて、「多くの人が自宅における監視対象となる前の9月中にすでに戻っており手遅れ。多くが無症状のため無意識に拡散した可能性があり追跡は不可能」と言明。問題はSOPやCMCOそのものではなく住民がいかにSOPを厳しく守るかであり、全員がSOPを守ればCMCOも機能するだろうと述べた。
一方、13日にCMCOが発令されたサバ州についてはまだ感染ピークを過ぎていないとした上で、向こう2週間が非常に重要だと指摘。期間中に拡大を抑制できれば横ばいになってその後は下降に向かうとし、6—8週以内に改善がみられることが期待されると述べた。ただ重症患者が急増していることが懸念材料であり、集中治療室のキャパシティなど同州の医療体制を圧迫する可能性があるとした。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、10月15日)

新型コロナ感染者は新たに589人、サバ州が最多で304人

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は15日、新型コロナウイルス「Covid-19」の感染者数が前日から589人(うち3人が海外で感染した帰国者)増えて、1万8,129人になったと発表した。
州別の感染者数は▽サバ州(304人)▽セランゴール州(150人)▽ペラ州(52人)▽ケダ州(31人)▽ペナン島(16人)▽ネグリ・センビラン州(11人)▽クアラルンプール(KL、10人)▽ラブアン(6人)▽サラワク州(4人)▽マラッカ州(2人)▽クランタン州(2人)▽プトラジャヤ(1人)ーーとなった。新たに409人が退院し治癒者数は1万2,014人に増加した。死者数は3人増えて170人になった。
セランゴール州のぺタリン地区防災管理委員会は同日、バンダル・ウタマにある1ウタマ・ショッピング・センターが11ー12日の2日間かけて6,000人を対象に実施したスクリーニング検査において、105人の感染者を検出したと明らかにした。うち79人は警備員、18人が掃除スタッフで、8人がモールのテナントスタッフだった。感染したテナントスタッフは、カジュアルレストラン「テー・タリク・プレイス」で6人、「ダイソー」とクッキーショップの「C&Cクッキーズ」でそれぞれ1人検出された。「ダイソー」の労働者はマレーシア人で、それ以外は外国人だった。

「KL市内は一つの地区とみなす」サブリ上級相が言明

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 イスマイル・サブリ・ヤアコブ上級相(兼国防相)は15日、条件付き行動制限令(CMCO)が発令されているクアラルンプール(KL)市について、KL市全体を一つの地区とみなして住民の自由な移動を認めると発表した。

  14日に発令された首都圏クランバレー(KL、セランゴール州、プトラジャヤ)を対象としたCMCOではそれぞれ地区や州を越えた移動は通勤以外は禁止されているが、KL市民から同市内の「地区」の区分に関する質問・疑問が政府に寄せられていた。

  KL市内の住民であれば市内の移動は警察などの許可証は不要。KLとセランゴール州、プトラジャヤの間を通勤する場合は雇用主が発行した証明書を提示する必要がある。

  またMCOとは異なり、KL、セランゴール州、プトラジャヤの住民は、同一地区内であれば自宅から半径10キロメートル以上離れた場所に買物に行くことも認められる。

 ■ラブアンでもCMCO発令、17日から■

  サブリ大臣はこのほか、連邦直轄地のラブアンについても感染拡大が懸念されるとして、17日から30日までの14日間、CMCOを発令すると発表した。11日のKL発ラブアン行きのマレーシア航空(MAS)便で乗客の1人から感染者が出ており、同乗した99人に対してスクリーニングを受けるよう勧告が出されていた。

フェイクニュース、「政治関連」が37%占める

【クアラルンプール】 マレーシア通信マルチメディア委員会(MCMC)は、フェイクニュースで最も多いのが政治に関するもので全体の37%を占めていると明らかにした。

フェイクニュースの追跡調査を行なっている「Sebenarnya.my」によると、生活費支援計画(BSH)や国民支援計画(BPN)などの政策に関するニセ情報、公文書の流出、公的ソーシャルメディアのなりすましといった政府絡みのものが最も多かった。

次いで多かったのは犯罪及び保健衛生に関するもので、犯罪に関するものは詐欺や誘拐、臓器売買に関するもの、保健衛生に関するものは新型コロナウイルス「Covid-19」やその感染者に関するニセ情報が多かった。

また消費者情報に関するものも13%と多く、ハラル(イスラムの戒律に則った)や食品汚染、無許可製品に関するニセ情報が多かった。

「Sebenarnya.my」は2017年3月に立ち上げられ、月平均480万件の閲覧を記録した。一般市民からも1万1,000件を超える情報提供を受けているという。

(ザ・スター、10月11日)