ドルペッグ制導入の計画はない、上院答弁で第2財務相

【クアラルンプール】 アミル・ハムザ第2財務相は19日、政府にドル・ペッグ制を導入する計画はないと明言した。上院審議でファトミ・チェ・サレー議員の質問に答えた。

ドル・ペッグ制は自国通貨と米ドルの通貨レートを一定に保つ固定相場制で、1998年のアジア通貨危機に際しマハティール政権(当時)が導入し、金融危機に対処した。

アミル・ハムザ氏によると、固定相場制が導入された1998年頃の経済状況は現在とは異なる。株式市場は当時、76%暴落したが、今年の株価は6%上昇している。対外債務は当時、国内総生産(GDP)比で16%以上あったが、現在は1-2%程度。また中央銀行の準備金も現在は1,140億リンギと、当時(260億リンギ)を大きく上回っている。このため政府としてあわてて反応的行動をとる必要を認めないという。

しかし政府はリンギ相場には敏感で、対処を怠ることはないとした。
(マレーシアン・リザーブ、フリー・マレーシア・トゥデー、3月19日)

マレー半島の電力予備率は28ー36%、EV充電増加にも対応

【クアラルンプール】 マレー半島の電力予備率は、2024-2030年に28ー36%になると予想されている。アクマル・ナスルラ副エネルギー移行・水利転換相が18日の国会質疑で明らかにした。

万が一いずれかの発電所で供給が途絶えた場合でも電力需要に対応するのに必要な最低水準をクリアしており、電気自動車(EV)の充電需要増加にも対応できるという。

昨年11月に開催された、電力供給・料金計画実施委員会(JPPPET)会議において、2024年のマレー半島の電力供給需要は1万9,480メガワット(MW)で、2030年には2.9%増の2万49メガワットに達するという予想について議論された。経済活動の成長、データセンター設立、新型コロナ・パンデミック後の経済社会活動の再開、EV台数増加などにより電力需要が増加すると予想されている。

アクマル・ナスルラ氏は、電力供給コストを抑えるため、電力予備率を維持していくと言明。予備電力には、ガス、石炭、再生可能エネルギーなどの発電所で発電された電力が含まれており、供給源の多様化によって国家電力供給システムの安全性が確保されるとしている。
(ポールタン、3月19日、ベルナマ通信、3月18日)

ブリッジ、電子請求書制度導入に向けたワーキンググループを設立

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 ブリッジインターナショナル(本社・東京都世田谷区)のマレーシア現地法人である、総合マーケティング企業ブリッジインターナショナルアジアは19日、マレーシアに進出している日系企業の電子請求書制度(e-Invoice)対応を総合的にサポートするため、4月17日付けで「e-Invoicingワーキンググループ」を設立すると発表した。

同社が運営するマレーシア最大の日系企業コミュニティ「CONNECTION」にメンバー登録している企業を対象としてワーキンググループを設立する。入会金は500リンギ、月額会費は200リンギ(12カ月分が必要)。別途売上・サービス税(SST)8%がかかる。最大20社までの参加を受け付ける。

同ワーキンググループの設立に向けて、ブリッジインターナショナルは3月21日に「マレーシア e-Invoice(電子請求書制度)導入に向けて 」と題したウェビナーも開催する。マレーシア時間で14ー15時、参加費は無料。申し込みについてはhttps://connection.com.my/bizevent-0321/で受け付けている。

マレ【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 ブリッジインターナショナル(本社・東京都世田谷区)のマレーシア現地法人である、総合マーケティング企業ブリッジインターナショナルアジアは19日、マレーシアに進出している日系企業の電子請求書制度(e-Invoice)対応を総合的にサポートするため、4月17日付けで「e-Invoicingワーキンググループ」を設立すると発表した。

同社が運営するマレーシア最大の日系企業コミュニティ「CONNECTION」にメンバー登録している企業を対象としてワーキンググループを設立する。入会金は500リンギ、月額会費は200リンギ(12カ月分が必要)。別途売上・サービス税(SST)8%がかかる。最大20社までの参加を受け付ける。

同ワーキンググループの設立に向けて、ブリッジインターナショナルは3月21日に「マレーシア e-Invoice(電子請求書制度)導入に向けて」と題したウェビナーも開催する。マレーシア時間で14ー15時、参加費は無料。申し込みについてはhttps://connection.com.my/bizevent-0321/で受け付けている。

マレーシアでは、2024年8月からe-Invoiceが順次導入され、2025年7月1日までに全マレーシア企業が完全導入することが義務づけられる。e-Invoiceとは、売り手と買い手の取引をデジタルで証明するもので、従来の紙面もしくは電子文書の「Invoice、Credit Note、Debit Note」に代わる制度。各企業は自社の導入時期を確認し、その対応に向けたロードマップを策定のうえ、システム構築などe-Invoiceに対応する必要がある。

リンギ相場でグーグルが誤報、中銀が説明要求へ

【クアラルンプール】 マレーシア中央銀行バンク・ネガラ(BNM)は16日、グーグルが15日に間違ったリンギ・米ドル相場を掲載し、それがソーシャルメディアで共有されたと発表した。

グーグルは1米ドル=4.98リンギとの相場を掲載したが、BNMは「不正確な情報で、現実の取引価格を反映していない」と指摘した。グーグルは2月6日にも不正確な相場を発表していた。15日の国内取引の終値は1米ドル=4.7045リンギ。BNMによれば、過去2週間でリンギは米ドルに対し0.76%値上がりした。

1回目の誤報に際しBNMは警告文を発表したが、今回は2回目ということもあり、原因の説明と再発防止をグーグルに求める。BNMは「為替相場は市場に影響を与えるデータであり、不正確な情報の流布は金融市場に深刻な影響を及ぼす」とした。

指摘を受けたグーグル・マレーシアは18日、X(旧・ツイッター)上に「為替レート情報を提供する会社に直ちに連絡して誤りを修正し、現在問題は解決されている。混乱を引き起こしたことをお詫びする」との声明を発表した。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、ザ・サン、ザ・スター、3月17日)

リンギは上昇、外国人の株式保有も増加=楽天トレード予想

【クアラルンプール】 米国、欧州で予想される利下げを背景に、リンギ為替は上昇し、年末までに対米ドル相場で4.50-4.55リンギまで値上がりすると楽天トレードは予想している。外国、特にシンガポールなど近隣国からの直接投資もリンギ上昇要因になるという。

13日のオンライン記者会見でケニー・イー調査部長は「米連邦準備制度理事会(FRB)は今年、まだ利下げに踏み切っていないが、この高金利環境を米国があと9カ月間維持することはできない。年内のいずれかの時点で利下げを開始する」と述べた。

イー氏は5回の年内利下げを予想しており、金利の誘導目標を最終的に2%前後にするとみている。現在の誘導目標は5.5%。

有価証券市場における2月時点の外国人の保有比率は19.34%で、コロナ禍さなかの2021年の11.35%を上回った。これまでマレーシア市場は外国人投資家から遠ざけられてきたため、この先保有比率が20%を超えることは確実だという。
(エッジ、3月13日)

中古車仲介「マイトゥカー」が「カロ・マレーシア」に改称

【クアラルンプール】 中古車仲介のオンラインプラットフォーム「マイトゥカー」を運営するカロは、ブランド名「マイトゥカー」を「カロ・マレーシア」に変更すると発表した。米国での上場を視野に入れたもので、数カ月をかけ、段階的に変更を行っていくとしている。

カロは、シンガポールに本社を構え、マレーシア、インドネシア、タイ、日本、台湾に進出している。マレーシアでは、中古車仲介サービスに加え、保険や融資、アフターサービスなども提供しており、国内に販売センター11カ所、検査センター27カ所、整備工場5カ所、改装センター2カ所を構えている。

ブランド名変更記念式典に参加した、カロのアーロン・タン共同創業者兼最高経営責任者(CEO)は、同社は最近香港での企業買収を発表しており、今年度はアジアで2地域に新規参入する予定もあると言明。また、米国での上場を見据え、コンプライアンスや管理体制も整備していると述べた。一方、具体的な上場時期については市場環境次第とし、明言を避けた。

カロの2024年度のEBITDA(利払い前・税引き前・減価償却前利益)は、前年比10倍以上となる4,000万米ドル(1億8,700万リンギ)近くに達しており、過去最高を更新する見込みとなっている。
(ザ・サン電子版、ビジネス・トゥデー、ポールタン、3月11日)

ステランティスが3月1日付けで法人設立、現地組立を強化へ

【クアラルンプール】 多国籍自動車メーカーのステランティスN.V.は、3月1日付けでマレーシア法人、ステランティス・マレーシアを正式に設立したと発表した。ステランティス・マレーシアは、マレーシアにおけるプジョーおよびその他のステランティス傘下ブランドのマーケティング、販売、流通、アフターセールスを管理する。

マレーシアにおけるプジョー車販売は、これまでベルマツ・オートが手掛けていた。ステランティスは、ベルマツから引き継いだプジョーの成長軌道を継続し、販売モデルを他のステランティス傘下ブランドに拡大する。今後はシトロエン、アルファ ロメオ、ジープなどの他のブランドのモデルとともに、新型プジョー「408」 や現地組立のプジョー「ランドトレック」などをマレーシア市場に投入する計画だ。

ステランティスは、ケダ州グルンの工場を域内の製造ハブとして最大限に活用するために20億リンギ以上を投資し、マレーシア国内および東南アジア諸国連合(ASEAN)各国の市場向けに現地組立を進める計画だ。顧客サポート強化に関しては、マレーシアのプジョー、DS、シトロエンのオーナーに対応するワンストップコールセンターをすでに設立している。
(ビジネス・トゥデー、3月7日)

グッドイヤーが6月末で工場閉鎖、550人が解雇の見通し

【クアラルンプール】 大手タイヤメーカーのグッドイヤーは7日、コスト削減を理由に今年6月30日付けで52年の歴史を持つセランゴール州シャアラム工場を閉鎖すると発表した。工場閉鎖手続きは年末までに完了する予定で、従業員550人は解雇される見通しだ。

グッドイヤー・アジア太平洋地域担当のナサニエル・マダラン社長は、シャアラム工場閉鎖はコスト削減により競争力維持を目指す「グッドイヤー・ フォワード」と称する変革プログラムの一環だと強調。「グッドイヤー・フォワードは事業展開とポートフォリオを最適化し、大幅な利益拡大を実現して企業価値を高めることを目的としたもの。2025年までに年間10億米ドル(47億リンギ)のコスト削減を実現し、競争力を維持するための具体的取り組みが盛り込まれている」と述べた。

なおマレーシア国内での同ブランドのタイヤ販売は、タイ、インドネシア、中国、台湾など他の製造拠点から供給を受けてマレーシア工場閉鎖後も続ける方針だ。

マレーシアとグッドイヤーの関係は、ゴム購買会社の米グッドイヤー・オリエント・カンパニーがマラヤとインドネシアのプランテーションからのゴム購入を目的にシンガポールに設立された1908年に遡る。グッドイヤーのウェブサイトによると、1929年にマラヤに販売拠点を開設し製品販売を開始した。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、ザ・スター、3月8日、マレー・メイル、エッジ、3月7日)

豪州企業7社が投資拡大の意向を表明、首相公式訪問で

【メルボルン】 豪州企業7社が、マレーシアへの新規投資および既存投資の拡大を行う計画だ。3日夜より4日間の日程で豪州を公式訪問中のアンワル・イブラヒム首相が明らかにした。

 アンワル首相に同行しているテンク・ザフルル投資貿易産業相によると、5日に開催された豪州企業18社トップとの座談会の場において、マレーシアへの投資計画が伝えられた。座談会には医療機器、金属などの製造業や、データセンター、金融、貿易などのサービス業のトップが参加し、投資や貿易の簡素化、国家エネルギー移行ロードマップ(NETR)、世界貿易におけるマレーシアの役割などについても議論された。7社はすでにマレーシア投資開発庁(MIDA)や関係機関との会合などを行っており、今回の首相公式訪問が最終決定に向けた動きを加速させることが期待できるという。残りの日程でもアンワル首相と他企業との会合が予定されており、最終的な投資誘致結果については後日発表するとしている。

 豪州とマレーシアの2023年の二国間貿易額は185.7億米ドル(846.4億リンギ)で、豪州はマレーシアにとり第10位の貿易相手国となっている。2023年12月時点で豪州からマレーシアへの投資件数は承認ベースで582件、そのうち366件が実現されている。
(マレーシアン・リザーブ、ザ・スター電子版、ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、3月5日)

仮想通貨取引所のトーラム、証券委員会から仮認可を取得

【クアラルンプール】 仮想通貨取引所のトーラム・インターナショナルはマレーシア証券委員会(SC)から国内6番目のデジタル資産取引所(DAX)として仮認可を得たと発表した。国内2番目のデジタル・ブローカーとしての仮認可も得ている。

トーラムが仮認可から正式な認可に移行するには、SCが定めるコンプライアンス要件を9カ月以内に満たす必要があり、プラットフォームの正式開設は認可取得後となる。

トーラムのゴー・イーフェン最高経営責任者(CEO)は、同社はマレーシアでの仮想通貨取引体験を刷新することを目指しており、次世代ユーザーを取り込むことを最優先していると言明。仮想通貨に対する正しい考え方や理解を持つマレーシア人を育成し、仮想通貨の受容レベルを引き上げることを目指すと述べた。

トーラム・インターナショナルは仮想通貨ソーシャルメディアを運営するトーラム・テクノロジーの一部門。過去6年間の運営実績があり、100カ国・24万人以上の仮想通貨ユーザーにサービスを提供している。

現時点で、トーラム以外にSCに登録されているDAXは、▽ルノ・マレーシア▽MXグローバル▽シネジーDAX▽トークナイズ・テクノロジー▽ハタ・デジタルーーーの5社となっている。そのうちハタ・デジタルがトーラム同様、デジタル・ブローカーとしての認可を得ている。
(ザ・サン、3月1日、リンギットプラス、フィンテックニュース・マレーシア、2月29日)