プロトン、2027年までに自社製EVの製造販売を開始へ

【クアラルンプール】 国民車メーカー、プロトン・ホールディングスは、電気自動車 (EV) 生産能力を強化し、2027年までに自社製EVを製造・発売する計画だ。ロスラン・アブドラ副最高経営責任者(CEO)が明らかにした。

ロスラン副CEOは、10年前にEVのロードマップをスタートしたものの、市場需要や技術的な問題から実現に至らなかったとし、EVの販売やマーケティングを理解しないままEV生産に乗り出すことができないとした。2年後には、より良い価格の新しいEV技術を開発する競合他社が現れる可能性があるため、今後5年間で技術や地域市場の両方を徹底的に研究し、最も受け入れやすく維持しやすい価格帯のEVを開発すると述べた

自社製EVに移行する前に、今年1月にマレーシアとタイにおける販売代理店契約を締結した、スマート・オートモービル社のEV販売を通じて、EVの現地組立や販売などに関する経験と知識を蓄えるという。

ロスラン副CEOは、手頃な価格のEVの少なさ、EV充電インフラの未整備、EV分野での人材育成や関連技術への投資不足などがEV普及を妨げていると指摘。EV産業の発展には、研究開発、サプライチェーンへの投資、新技術、EVインフラなどに対する支援が必要だと述べた。
(ザ・サン、ニュー・ストレーツ・タイムズ、11月10日、ポールタン、マレーシアン・リザーブ、ベルナマ通信、11月9日)

来年の政策金利は3.5%の可能性も、ホンリョン投資銀予想

【クアラルンプール】 中央銀行バンク・ネガラ(BNM)は3日、翌日物政策金利を2.75%へ0.25ポイント引き上げたが、ホンリョン・インベストメント・バンクは強気姿勢の継続を予想しており、来年には更なる利上げが行われ、政策金利は3-3.5%になるとみている。

ホンリョンエコノミストのチン・イーシャン氏は「来年の金利予想はこれまでどおり3-3.5%だが、当初予想より早くその水準になる。インフレ抑制のため利上げは前倒し実施が必要だからだ。リンギ安圧力も強い」と述べた。

チン氏によれば、来年上半期は、財政・金融緩和という追い風効果の多くが消散し、前年同期の数字が統計に影響するベース効果も薄れるため、経済は徐々に減速すると予想される。さらに、金融政策は効果が表れるまで時間がかかるため、経済減速が明確になった時より、経済回復が好調な時の方が利上げをしやすいという。

消費者支出はこの先数カ月、堅調を維持する見通しのため、コアインフレに対する需要サイドからの圧力は弱まらないという。
(マレーシアン・リザーブ、11月4日)

通信5社、5Gネットワーク運営のDNBと回線卸売契約を締結

【クアラルンプール】 国内通信会社5社は10月31日、政府系デジタル・ナショナル(DNB)から5Gネットワーク回線の卸売を受ける契約を締結した。テンク・ザフルル財務相が明らかにした。

5社は▽セルコム・アシアタ▽Digiドットコム▽テレコム・マレーシア▽ユーモバイル▽YTLコミュニケーションズーー。いずれも6月にDNBに均等出資しているが、同じく出資したマキシスは今回契約を締結していない。

ザフルル財務相は、DNBから回線の卸売を受けることで、5社の顧客は高速な5Gサービスを手頃な価格で享受できると言明。現在、5Gネットワークは全国で約1,100万人、人口密集地では33%をカバーしているが、DNBは2024年末までに人口密集地で約80%をカバーすることを目指すと述べた。また、5Gネットワーク構築費用は10年間で165億リンギに達しているが、政府は、DNBに対して5億リンギを出資した以外の資金提供はしていないとし、DNBが単独で所有・運営し、各通信会社に卸売する1社独占方式(SWN)のおかげで今後10年間でインフラ建設費の約300億リンギを節約できると述べた。

5GネットワークのSWNについては通信会社から不満の声が上がっていたが、政府が3月、5G導入の迅速化のためSWNを採用すると最終決定。6月にDNBの株式70%を通信会社6社に提供した。5Gサービス構築により、生産性、効率性、革新性が向上し、2030年までに75万人の高技能職の創出や国内総生産(GDP)への6,500億リンギの貢献が期待されるという。
(マレーシアン・リザーブ、11月2日)

中銀バンクネガラ、今年4度目の利上げで2.75%に

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 中央銀行バンク・ネガラは3日、定例金融政策会合(MPC)を開催し、政策金利である翌日物政策金利(OPR)を0.25ポイント引き上げて2.75%とすることを決定した。中銀は2020年7月から1.75%で維持していたが、今年5月11日、7月6日、9月8日にそれぞれ0.25ポイント引き上げており、今回で4会合連続の利上げとなった。

中銀は声明の中で、国内経済の好調な成長が最新の統計で示されており、今後も成長維持が見込めるとして、4度目の利上げを決めたと説明。現在の金融政策のスタンスも緩和的であり、引き続き経済成長を支えることが可能だとした。

国内経済について中銀は、厳しい世界情勢にも関わらず、内需が引き続き経済成長を下支えするとの予想を示した。国境再開に伴い、外国人観光客数が増加しており、観光産業の成長を押し上げると予想。投資活動も複数年にわたって実施されている大型プロジェクトに支えられるとしたものの、外需は世界経済の成長鈍化を受ける見通しだとした。また、金融および為替市場のボラティリティー(変動性)の高まりも懸念されるものの、マレーシアの経済成長を阻害することはないと指摘。その上で、今後も、世界経済の回復が予想を下回る可能性、ロシアのウクライナ軍事侵攻の激化、サプライチェーンの混乱悪化が成長リスクとなり続けるとした。今年のコア・インフレ率の予想については、2.0ー3.0%で維持するとしたものの、2023年は引き続き上昇するとの見解を示した。

また中銀は世界経済について、コスト圧力の高まり、世界的な金融引き締め、中国の「ゼロコロナ」政策下で実施されるロックダウン、コスト圧力の上昇、欧州のエネルギー危機の可能性などが成長に影響を与えているとした。特に米国の積極的な金融緩和策が金融市場を変動させているとし、リンギなどの様々な国の通貨に影響を及ぼしていると指摘。今後も主要経済国のインフレ上昇や中国が抱える国内問題、地政学的緊張の高まりなどが下振れリスクとなるとした。

リンギは来年第2四半期から値上がり、Am銀行見解

【クアラルンプール】 Amバンクの調査部門は、対米ドルで下落を続けるリンギ相場は来年第2四半期以降、上昇に転じ、第4四半期には1米ドル=4.4リンギの水準になるとの見解を示した。米ドルが下落局面に入ると予想されるためだ。

リンギが最も下がったのは1998年3月31日で、1米ドル=4.88リンギ。年内は下落傾向を維持し、27日の4.705リンギに対し、第4四半期は4.7リンギ、来年第1四半期は4.8リンギが予想されるという。

来年のリンギ上昇予想の根拠は両国金利差の縮小で、米国経済は急な減速あるいは景気後退が予想されるため、米連邦準備制度理事会(FRB)は来年下半期に利下げに転じるという。同期の引き下げ予想幅は1ポイント。

FRBは9月20、21日に連邦公開市場委員会を開き、政策金利の誘導目標2.25ー2.5%から3.0ー3.25%へ0.75ポイント引き上げた。

現在のマレーシアの政策金利は2.5%だが、中央銀行バンク・ネガラ(BNM)は今年11月と来年1月にそれぞれ0.25ポイント引き上げ、3.0%にするとAmバンクは予想している。
(ザ・サン、10月28日、ベルナマ通信、10月27日)

複合放送施設「アンカサプリ・メディアシティ」がオープン

【クアラルンプール】  8億6,000万リンギを投じ2016年に開発がスタートした複合放送施設「アンカサプリ・メディアシティ」がクアラルンプールでオープンした。

政府のデジタルテレビ放送サービス開発計画に沿ったハイテク放送インフラ施設で、敷地面積は6万2,027平方メートル。18階建てのオフィススペース、1,000人収容可能なホール、録音・練習スタジオ、テレビスタジオ3カ所、立体駐車場、広場、屋外放送車両車庫などを備える。

開所式に参加したイスマイル・サブリ・ヤアコブ首相は、「アンカサプリ・メディアシティ」はマレーシアのデジタル放送の象徴になるとし、米国ハリウッドや英国BBC、日本や韓国のコンテンツ産業のように、国内文化やライフスタイルを世界に通用する普遍的なコンテンツとして生み出すことが可能となると述べた。また、放送業界の発展は、技術、コンテンツ制作、インフラ・施設という3要素と密接に関係しており、「アンカサプリ・メディアシティ」は、放送業界の成長と発展に向け、有益なエコシステムを提供するための戦略の一環だと述べた。
(ザ・サン、10月27日、ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、ベルナマ通信、10月26日)

中古車のカーサム、東マレーシアに事業を拡大

【クアラルンプール】 総合自動車Eコマースプラットフォームのカーサムは7日、サラワク州に4カ所の検査センターを開所し、東マレーシアに事業を拡大した。
検査センターはクチン、シブ、ミリ、ビントゥルに設立した。これにより同社の検査センター数は49カ所に拡大した。

検査センターでは、熟練した検査員が包括的な中古車検査を実施し、同社の独自データと価格設定アルゴリズムを活用して、中古車市場で公正な価格で車両を販売する。また買取のみならず、販売も実施する。

22日にクチンで開催された開設式典において、カーサムの共同創立者でありカーサム・アカデミーの最高経営責任者(CEO)のるテオ・ジウンイ氏は、東マレーシアへの進出は同社にとり大きな一歩だと言明。中古車エコシステムの革新を続けながら、全てのマレーシア人がカーサムのサービスを利用できるようにすることを追求していくとした。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、ザ・サン、10月25日、ボルネオポスト、10月24日)

韓国ベーカリー「パリバゲット」、ジョホールのハラル工場着工

【イスカンダル・プテリ】  韓国の人気ベーカリーチェーン「パリバゲット」は、ジョホール州ヌサジャヤ・テックパークにおいて、同社にとり世界初のハラル(イスラムの戒律に則った)対応生産施設「SPCセンター」の建設を開始した。2023年第4四半期までの完工を目指す。

投資額は1億3,000万リンギ。計7つの生産ラインを持ち、1日あたり冷凍生地最大11トンの生産が可能。東南アジア、中東、北アフリカ地域のハラル市場に商品を出荷する。製造、管理、経営職で100人以上の現地人材の雇用機会を創出する見込みだ。

「パリバゲット」を運営するSPCグループのフル・ジンス社長は、20日に開催された鍬入れ式に参加。同センターについて、東南アジアで最初の工場となり、域内での存在感を高めることに貢献するとし、国内メーカーやサプライヤーから食品や原材料を継続的に調達することを約束すると述べた。

ジョホール州のオン・ハフィズ首相は、同州には、質の高い投資を誘致するための適切なエコシステムがあり、SPCの成功が、社会経済的にプラスの影響をもたらすと信じているとし、今後もSPCの成長に向けた支援を続けていくと述べた。

マレーシア投資開発庁(MIDA)は、ジョホール州にSPCがハラル拠点を設立することで、ハラル産業のパイオニアとしてのマレーシアの地位が強化されるとコメント。外国投資が域内ハラル拠点としてマレーシアを選択するようになったことは、マレーシアがハラルビジネス市場で高い競争力や評価を得ていることの証明だと述べた。

パリバゲットは1988年に設立。世界に4,000店舗、製造拠点10カ所を有している。
(ザ・スター、10月25日)

リンギ続落、年末には1米ドル=5リンギの可能性も

【クアラルンプール】 リンギは14日、さらに下落し、9時の取引開始とともに1米ドル=4.6920/6965リンギと過去最低を更新した。アナリストは年末の相場を4.70ー5.00リンギと予想している。

予想の背景にあるのは議会解散による国内政治の先行き不透明と、米国における9月の消費者物価指数(CPI)の上昇幅が8.2%と予想(8.1%)を上回ったことで、米連邦準備制度理事会が年内、さらに2回の利上げを行う可能性が高まったためだ。

英系オンライン証券アクティブトレードのトレーダーは、11月と12月にそれぞれ0.75%の追加利上げの可能性を指摘。年末の米金利を4.5ー4.75%と予想している。
クアラルンプール大学ビジネススクールのアイミ・ズルハズミ准教授は年末の外為相場を1米ドル=4.80ー5.00リンギと予想。マレーシアの政治が安定すれば外国人投資家は戻ってくるとした。ケナガ投銀行のエコノミストも一段のリンギ下落を予想している。

リンギはシンガポール(S)ドルに対しても3.3リンギと過去最低を更新した。シンガポールが再度の金融引き締めに乗り出した結果だ。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、10月15日、ベルナマ通信、10月14日)

富裕層誘致を目的とした長期滞在ビザ、代理店16社を承認

【クアラルンプール】 富裕層受け入れのための長期滞在ビザ「プレミアム・ビザ・プログラム(PVIP)」の申請を受け付ける代理店16社が承認された。16社で合計1万300人分の承認枠を有する。

出入国管理局のカイルル・ザイミー・ダウド局長によると、代理店になるには、100万リンギの払込資本金を持ち、保証金の支払能力があることが条件。PVIP申請費用は20万リンギで、代理店は入国管理局からの承認通知を受け取ってから30日以内にその10%にあたる2万リンギを保証金として収める必要がある。代理店のリストは、同局のウェブサイトやソーシャルメディアから確認可能だ。

PVIPはマレーシア国外の収入が月4万リンギ以上、あるいは年48万リンギ以上の個人(年齢不問)を対象としており、銀行口座残高100万リンギが必要となっている。申請は代理店を通してのみ受け付ける。最長20年間のマレーシア滞在が可能で、滞在中の不動産購入や投資、事業運営なども許可されるが、市民権は得られない。PVIP参加者数は、マレーシア・マイ・セカンド・ホーム(MM2H)参加者数と合計してマレーシア人口の1%までだが、第1期では上限2万人まで受け付け、その後申請費用20万リンギについて見直されるという。
(ザ・スター、10月13日、フリー・マレーシア・トゥデー、ベルナマ通信、10月12日)