マレーシア航空とシンガポール航空、29日に共同運航を再開

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 マレーシア航空(MAS)は18日、シンガポール航空(SIA)とコードシェア(共同運航)便再開を合意したと発表した。29日よりシンガポールークアラルンプール(KL)間およびクアラルンプール国際空港からマレーシア主要都市間がコードシェア便となり、来年1月からは欧州7都市、南アフリカの2都市まで拡大する。
マレーシアとシンガポールが29日から入国時の隔離を免除する「ワクチン接種完了者向けトラベル・レーン(VTL)」導入を受け、移動規制緩和で航空旅行の需要が高まることが予想されることから再開が決定された。
SIA利用客はKLからMAS便を利用し▽アロースター▽ビントゥル▽ジョホールバル▽コタキナバル▽クアラ・トレンガヌ▽クアンタン▽クチン▽ラブアン▽ランカウイ▽ミリ▽ペナン▽サンダカン▽シブ▽タワウーーまで乗り継ぎが可能となる。来年1月1日からは、MAS利用客がシンガポールからSIA便を利用し欧州では▽バルセロナ▽コペンハーゲン▽フランクフルト▽モスクワ▽ミュンヘン▽ローマ▽チューリッヒーー、南アフリカではケープタウンとヨハネスブルグまで乗り継ぎが可能となる。両社は他の便も順次コードシェアの対象とする予定だ。コードシェア便は、当局の承認後、両社の予約システムで販売を開始する。
両社は▽フライトスケジュールの調整▽共同運賃商品の提供▽企業向けプログラムの調整▽マイレージプログラムの連携▽観光マーケティング活動の共同実施ーーなどについても検討する計画だ。

サバ州政府、日本人観光客の呼び込みに意欲表明

【コタキナバル】 サバ州政府の観光・文化・環境副大臣のジョニストン・バンクアイ氏は、日本は持続可能な観光やエコツーリズムという点で多くの共通点があるとして、日本人観光客を呼び込むことができるとの意欲を表明した。
サバ州政府観光局(STB)の局長でもあるジョニストン氏は、JTBマレーシアの藤田清代表と昼食会合を行った後の会見で、サバ州での農村観光では森林浴ができるとして日本人に人気が出ると考えを示した。STBは常に日本のパートナーと協力してサバ州に観光に来てもらえるよう宣伝を行っていると言明。来年の国境再開に伴い日本人観光客を歓迎することを楽しみにしていると述べた。
藤田氏は4日間の出張でコタキナバルを訪問。市場や公園、温泉などの観光地を視察した。藤田氏は、サバ州には日本人を惹きつけるたくさんの観光地があり、日本人に人気が出ると思われる観光地を実際に訪問することができたとコメント。観光産業において標準的運用手順(SOP)の順守は大切だとし、日本政府も非常に重視していると述べた。
(ザ・スター、ザ・サン、11月18日、ボルネオポスト、11月17日)

追加接種用ワクチン、シノバックとアストラゼネカを追加

【クアラルンプール】 薬物管理局(DCA)は17日、新型コロナウイルス「Covid-19」ワクチンの追加(ブースター)接種について、新たに中国・科興控股生物技術(シノバック・バイオテック)とアストラゼネカ製のワクチンを条件付きで追加することを承認した。ノール・ヒシャム保健省事務次官が明らかにした。これまで追加接種はファイザー製のみが認められていた。
追加接種の時期は、シノバック製は2回目の接種から3ー6カ月後、アストラゼネカ製は同6カ月後となっている。詳細については新型コロナワクチン追加接種作業部会(CITF-B)が逐次発表する。
全国的な新型コロナワクチン追加接種は10月13日、▽高齢者▽免疫不全の人▽基礎疾患を持つ人▽医療従事者▽介護施設勤務者ーーなどのリスクの高いグループを優先して開始した。その後、対象範囲を妊婦、非医療の最前線従事者、40歳以上の成人にまで拡大している。
11月22日からは全国の医療施設ワクチン接種センター(PPV)において追加接種のキャンセル待ち登録を受け付けることになっている。
(フリー・マレーシア・トゥデー、ザ・スター、11月17日)

MRTプトラジャヤ線第1期の開業、来年第2四半期に延期

【ペタリンジャヤ】 鉄道開発のMRTコープは16日、首都圏大量高速輸送(MRT)プトラジャヤ線(MRT2、旧称スンガイブロー—セルダン・プトラジャヤ線)の第1期を11月末に開業する予定だったが、来年第2四半期に延期すると発表した。
モハマド・ザリフ・ハシム最高経営責任者(CEO)は、新たな開業日については来年3月以降に発表すると明らかにした。開業の延期を決めた理由については、クワサ・ダマンサラからカンポン・バトゥ(全長17.5キロメートル)を結ぶ第1期では今年4月29日より試運転を行なっていたが、最終段階となる詳細な検査やシステムの動作確認が完了していないためと説明。これまで3,000時間以上に及ぶデータを収集したところ、改善すべき点が見つかったと明らかにした。
一方でジョホールバルとシンガポールを結ぶ高速鉄道輸送システム(RTS)の工事について、モハマドCEOは、2027年1月の運転開始に向けて順調に進んでいると説明。建設予定地での水道管の移設問題や立ち退き拒否が起きているが、運転開始が遅延することはないと強調した。
(エッジ、マレーシアン・リザーブ、11月16日)

5G通信網整備費用が2倍に、サービス開始に遅れの可能性

【クアラルンプール】 第5世代移動通信(5G)ネットワークの整備が遅れる見通しだ。整備費用が当初見込みの110億リンギから200億リンギに膨らんでおり、通信事業者がネットワーク利用契約の締結に慎重になっている。
アナリストによれば、5G基盤を構築する国営事業体のデジタル・ナショナル(DNB)に、通信事業者はネットワーク利用料金の変更を申し入れており、契約締結に至っていない。
通信事業者が問題にしているのは構築費用の急増で、当初見込みは110億リンギだった。DNBは基盤整備費用を、人件費などを理由に165億リンギに修正。さらに2030年までには200億リンギになる可能性があるとした。
ケナガ・インベストメント・バンクによれば、こうした不透明性を通信事業者は問題にしている。楽天トレードのアナリストも、全体像が明らかになるまで通信事業者が契約締結に慎重になるのは当然との意見だ。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、11月16日)

ペラ州政府、イポー市へのLRT導入を検討

【イポー】 ペラ州政府は、イポー市への軽便鉄道(LRT)導入を検討している。
住宅地方自治委員会のノリー・アシリン委員長は、イポー駅周辺の交通ハブの開発からスタートするが、開発には約60ヘクタールの面積が必要であり、コストや期間についてはまだ検討中であるとした。イポーでは現状、住民の多くが公共交通機関ではなく自分の車で移動しているため、交通ハブを効率的で近代的なものにし、LRT以外にも高速バスや通常バス、トラム、タクシーなど、都市の総合交通システムを強化していくという。交通システム整備にあたっては、都市周辺の山や石灰岩丘の保護にも注力するとし、開発案に107のプロジェクト、256の行動プランが策定されていると述べた。
同委員長はまた、「イポー広域圏観光地域行動計画およびブランディング」について、既存の観光商品だけではなく、関連自治体が一丸となり導入した新しい観光商品も含まれており、具体的には▽イポーをヒップスター観光の拠点にする▽バトゥ・ガジャをヘルスツーリズムの拠点とする▽ゴペンの「エコ・アドベンチャー・キャピタル」の広報宣伝▽王都クアラカンサーの活性化ーーなどの案が含まれているとした。
(ベルナマ通信、11月15日)

ランカウイで外国人旅行者の受け入れを再開

【ランカウイ】 国内旅行者向けの「トラベルバブル」第一号となったケダ州のリゾート島、ランカウイで、15日から外国人旅行者を対象とした試験運用が開始された。
ランカウイで外国人旅行者を受け入れるのは20カ月ぶり。当面は3カ月間の試験運用だが、国内観光業の復興を下支えするために来年1月からの本格的な国境開放を目指すマレーシア政府や観光業界はランカウイでの成果に注目している。ランカウイ開発公社(LADA)では年内に5,000人の誘致を目指す方針を示しており、2,440万リンギの観光収入を見込んでいる。
まだ国際直行便が運航を再開していないため、当面はクアラルンプール(KL)経由となる。▽公認旅行代理店を通じて予約すること▽ワクチン接種を完了したこと▽18歳未満の未接種者は接種を完了した保護者の同伴が必要▽最低3日間の滞在▽情報・追跡アプリ「MySejahtera」ダウンロード▽渡航72時間前のRT-PCR感染検査の陰性証明▽8万米ドル以上の海外旅行保険加入——などが許可条件となっている。感染検査はランカウイ到着時にも行われ、陽性反応が出た場合に隔離する旅客を受け入れるホテル20カ所(118室)を確保している。
一方、9月16日に開始された国内向けトラベルバブルについては、これまでに7万7,939人の旅客が利用し、観光収入は8,030万リンギに上っている。.
(ザ・スター、ベルナマ通信、11月15日)

コロナによる回復速度は予想以上に遅い=アナリストら

【クアラルンプール】 マレーシアの第3四半期の国内総生産(GDP)成長率が大方の予想を下回るマイナス4.5%だったとことをうけ、アナリストらの間で新型コロナウイルス「Covid-19」で打撃を受けた経済の回復のスピードが予想より遅いとの見方が広がっている。
MIDFリサーチは、第4四半期には経済が再び上向く見通しだが、実体経済の回復がより緩やかとなっているようだとして通年の成長予想をプラス4.6%から3.7%に下方修正した。
第3四半期の大方の予想はマイナス1.3%で、MIDFはマイナス3.0%とやや悲観的な予想を示していたがそれも下回った。MIDFは3度目の行動制限令(MCO3.0)が長引いた影響が予想より大きかったと指摘。非必需産業の閉鎖、人の移動の制限を受けて個人消費と事業活動が冷え込んだことが響いたと分析した。
OCBCバンクは、第3四半期の大幅マイナス成長を受けてプラス3.6%としていた当初の通年経済成長予想を3.2%に下方修正。ただ経済・社会活動が開放に向かいワクチン接種率が全人口の76%に達していることから経済は回復傾向にあるとし、来年についてはベース効果も含めてプラス4.3%としていた従来予想を5%に引き上げた。
バンク・イスラムは、第3四半期のGDPが4.5%マイナスとなったことについて国内経済が行動制限などの手段による人間の移動の制限に対して非常に脆弱であることを示唆していると指摘。ただ第4四半期はプラス2 3%成長が予想されることから、政府が掲げている通年目標の3 4%は達成できるとの見方を示した。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、マレーシアン・リザーブ、11月15日、ボルネオ・ポスト、11月14日)

7-9月の経済成長率、マイナス4.5%に転落=中銀

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 中央銀行バンク・ネガラ・マレーシア(BNM)は12日、2021年第3四半期(7ー9月)の国内総生産(GDP)成長率が前年同期比マイナス4.5%に落ち込んだと発表した。新型コロナウイルス「Covid-19」抑え込みのために6月に再導入されたロックダウンが首都圏クランバレーなどで長引いたことから、前期のプラス16.1%から一転して大幅なマイナス成長となった。
製造、サービス、建設、鉱業、農業の全てのセクターでマイナス成長となった。経済の牽引役である製造は前期のプラス26.6%からマイナス0.8%に、サービスはプラス13.5%からマイナス4.9%にそれぞれ落ち込んだ。製造は必需品以外の製造活動に対する制限が影響、サービスは消費活動の低迷が影響した。
前期にプラス13.9%だった鉱業は、マイナス3.6%となった。施設メンテナンス閉鎖による原油減産と天然ガスの生産量の減少が響いた。また前期に40.3%の大幅成長となった建設は、建設工事にかかわる稼働制限により、一転して20.6%の大幅マイナスに転落した。前期でマイナス1.5%だった農業も労働力不足による生産減少が響いてマイナス1.9%にさらに落ち込んだ
国内需要はプラス12.4%だった前期から一転してマイナス4.1%となった。GDP全体の61.0%に貢献する民間消費も前期のプラス11.7%からマイナス4.2%に大幅ダウンとなった。前期はプラス17.4%だった民間投資もマイナス4.8%に落ち込んだ。
公共支出は前期のプラス9.0%からプラス8.1%に下降。プラス12.0%だった公共投資はマイナス28.9%に落ち込んだ。モノとサービスの輸出は、プラス37.4%だった前期からプラス5.1%に、プラス37.6%だった輸入もプラス11.7%にダウンした。
中銀のノル・シャムシア総裁は、新型コロナの封じ込め策の緩和による経済活動の正常化に伴い、第4四半期には経済成長の改善が見込まれると指摘。ワクチン接種完了者に対する州を跨いだ移動の許可といった制限緩和措置が観光セクターの改善や世界的に堅調な需要が輸出を下支えするとして今年通年のGDPはプラス3.0ー4.0%の軌道に乗っているとした。
また2022年については、高いワクチン接種率、経済活動の再開、労働市場のさらなる改善、継続的な政策支援、外需拡大を考慮するとマレーシアの成長軌道は改善するという予想に基づき、経済成長が加速するとの見通しを表明。そのためにワクチン接種の進捗とその効果、標準的運用手順(SOP)の遵守、新たな変異株(VOC)の拡大を効果的に封じ込める能力が回復の鍵となると指摘した。

高級輸入食料品店、KLパビリオンブキジャリルに近くオープン

【クアラルンプール】 最新の高級輸入食料品店「ザ・フード・マーチャント」が12月3日、クアラルンプール郊外ブキ・ジャリルにオープンする。高級スーパー「ビレッジ・グローサー」の創業者が運営する。
ショッピングモール「パビリオン・ブキ・ジャリル」内の5万6,000平方メートルの店舗面積にプレミアム食品、生鮮食品、レストランなどを展開する。
ザ・フード・マーチャント社長であり、ビレッジ・グローサー、ビッグ、バングサ・ファインフードなどの食料品店の運営企業ザ・フード・パベイヤの取締役でもあるアイバン・タン氏によると、200以上の国際的なブランドを厳選しており、▽オーストラリア▽エジプト▽イタリア▽日本▽ニュージーランド▽ペルー▽ポルトガル▽南アフリカ▽韓国▽中東▽アメリカーーなど、10カ国以上から取り寄せた新鮮かつ高級な食品が並ぶという。
ミシュランガイドで最も評価されているフランス人シェフ、ジョエル・ロブション氏のブランド「リフレクツ・ドゥ・フランス」の食品やベルギーの「ロータス・ビスコフ・アイスクリーム」、ドイツの「フェレロ・ロシェ・アイスクリーム」、イギリスの「ウォールズ・ビエネッタ」などの輸入アイスクリームも用意。飲料も手頃な価格のものから新旧ワイナリーの高級ワインまでを取り揃える。また、環境保護の観点から、使い捨てのプラスチック容器を削減。グリーンエネルギー企業との提携により、国内初のグリーン電力を利用した食料品チェーンを目指し、将来的には再生可能な太陽光エネルギーを利用する予定だ。
(ザ・スター、11月10日)