ランカウイで外国人旅行者の受け入れを再開

【ランカウイ】 国内旅行者向けの「トラベルバブル」第一号となったケダ州のリゾート島、ランカウイで、15日から外国人旅行者を対象とした試験運用が開始された。
ランカウイで外国人旅行者を受け入れるのは20カ月ぶり。当面は3カ月間の試験運用だが、国内観光業の復興を下支えするために来年1月からの本格的な国境開放を目指すマレーシア政府や観光業界はランカウイでの成果に注目している。ランカウイ開発公社(LADA)では年内に5,000人の誘致を目指す方針を示しており、2,440万リンギの観光収入を見込んでいる。
まだ国際直行便が運航を再開していないため、当面はクアラルンプール(KL)経由となる。▽公認旅行代理店を通じて予約すること▽ワクチン接種を完了したこと▽18歳未満の未接種者は接種を完了した保護者の同伴が必要▽最低3日間の滞在▽情報・追跡アプリ「MySejahtera」ダウンロード▽渡航72時間前のRT-PCR感染検査の陰性証明▽8万米ドル以上の海外旅行保険加入——などが許可条件となっている。感染検査はランカウイ到着時にも行われ、陽性反応が出た場合に隔離する旅客を受け入れるホテル20カ所(118室)を確保している。
一方、9月16日に開始された国内向けトラベルバブルについては、これまでに7万7,939人の旅客が利用し、観光収入は8,030万リンギに上っている。.
(ザ・スター、ベルナマ通信、11月15日)

コロナによる回復速度は予想以上に遅い=アナリストら

【クアラルンプール】 マレーシアの第3四半期の国内総生産(GDP)成長率が大方の予想を下回るマイナス4.5%だったとことをうけ、アナリストらの間で新型コロナウイルス「Covid-19」で打撃を受けた経済の回復のスピードが予想より遅いとの見方が広がっている。
MIDFリサーチは、第4四半期には経済が再び上向く見通しだが、実体経済の回復がより緩やかとなっているようだとして通年の成長予想をプラス4.6%から3.7%に下方修正した。
第3四半期の大方の予想はマイナス1.3%で、MIDFはマイナス3.0%とやや悲観的な予想を示していたがそれも下回った。MIDFは3度目の行動制限令(MCO3.0)が長引いた影響が予想より大きかったと指摘。非必需産業の閉鎖、人の移動の制限を受けて個人消費と事業活動が冷え込んだことが響いたと分析した。
OCBCバンクは、第3四半期の大幅マイナス成長を受けてプラス3.6%としていた当初の通年経済成長予想を3.2%に下方修正。ただ経済・社会活動が開放に向かいワクチン接種率が全人口の76%に達していることから経済は回復傾向にあるとし、来年についてはベース効果も含めてプラス4.3%としていた従来予想を5%に引き上げた。
バンク・イスラムは、第3四半期のGDPが4.5%マイナスとなったことについて国内経済が行動制限などの手段による人間の移動の制限に対して非常に脆弱であることを示唆していると指摘。ただ第4四半期はプラス2 3%成長が予想されることから、政府が掲げている通年目標の3 4%は達成できるとの見方を示した。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、マレーシアン・リザーブ、11月15日、ボルネオ・ポスト、11月14日)

7-9月の経済成長率、マイナス4.5%に転落=中銀

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 中央銀行バンク・ネガラ・マレーシア(BNM)は12日、2021年第3四半期(7ー9月)の国内総生産(GDP)成長率が前年同期比マイナス4.5%に落ち込んだと発表した。新型コロナウイルス「Covid-19」抑え込みのために6月に再導入されたロックダウンが首都圏クランバレーなどで長引いたことから、前期のプラス16.1%から一転して大幅なマイナス成長となった。
製造、サービス、建設、鉱業、農業の全てのセクターでマイナス成長となった。経済の牽引役である製造は前期のプラス26.6%からマイナス0.8%に、サービスはプラス13.5%からマイナス4.9%にそれぞれ落ち込んだ。製造は必需品以外の製造活動に対する制限が影響、サービスは消費活動の低迷が影響した。
前期にプラス13.9%だった鉱業は、マイナス3.6%となった。施設メンテナンス閉鎖による原油減産と天然ガスの生産量の減少が響いた。また前期に40.3%の大幅成長となった建設は、建設工事にかかわる稼働制限により、一転して20.6%の大幅マイナスに転落した。前期でマイナス1.5%だった農業も労働力不足による生産減少が響いてマイナス1.9%にさらに落ち込んだ
国内需要はプラス12.4%だった前期から一転してマイナス4.1%となった。GDP全体の61.0%に貢献する民間消費も前期のプラス11.7%からマイナス4.2%に大幅ダウンとなった。前期はプラス17.4%だった民間投資もマイナス4.8%に落ち込んだ。
公共支出は前期のプラス9.0%からプラス8.1%に下降。プラス12.0%だった公共投資はマイナス28.9%に落ち込んだ。モノとサービスの輸出は、プラス37.4%だった前期からプラス5.1%に、プラス37.6%だった輸入もプラス11.7%にダウンした。
中銀のノル・シャムシア総裁は、新型コロナの封じ込め策の緩和による経済活動の正常化に伴い、第4四半期には経済成長の改善が見込まれると指摘。ワクチン接種完了者に対する州を跨いだ移動の許可といった制限緩和措置が観光セクターの改善や世界的に堅調な需要が輸出を下支えするとして今年通年のGDPはプラス3.0ー4.0%の軌道に乗っているとした。
また2022年については、高いワクチン接種率、経済活動の再開、労働市場のさらなる改善、継続的な政策支援、外需拡大を考慮するとマレーシアの成長軌道は改善するという予想に基づき、経済成長が加速するとの見通しを表明。そのためにワクチン接種の進捗とその効果、標準的運用手順(SOP)の遵守、新たな変異株(VOC)の拡大を効果的に封じ込める能力が回復の鍵となると指摘した。

高級輸入食料品店、KLパビリオンブキジャリルに近くオープン

【クアラルンプール】 最新の高級輸入食料品店「ザ・フード・マーチャント」が12月3日、クアラルンプール郊外ブキ・ジャリルにオープンする。高級スーパー「ビレッジ・グローサー」の創業者が運営する。
ショッピングモール「パビリオン・ブキ・ジャリル」内の5万6,000平方メートルの店舗面積にプレミアム食品、生鮮食品、レストランなどを展開する。
ザ・フード・マーチャント社長であり、ビレッジ・グローサー、ビッグ、バングサ・ファインフードなどの食料品店の運営企業ザ・フード・パベイヤの取締役でもあるアイバン・タン氏によると、200以上の国際的なブランドを厳選しており、▽オーストラリア▽エジプト▽イタリア▽日本▽ニュージーランド▽ペルー▽ポルトガル▽南アフリカ▽韓国▽中東▽アメリカーーなど、10カ国以上から取り寄せた新鮮かつ高級な食品が並ぶという。
ミシュランガイドで最も評価されているフランス人シェフ、ジョエル・ロブション氏のブランド「リフレクツ・ドゥ・フランス」の食品やベルギーの「ロータス・ビスコフ・アイスクリーム」、ドイツの「フェレロ・ロシェ・アイスクリーム」、イギリスの「ウォールズ・ビエネッタ」などの輸入アイスクリームも用意。飲料も手頃な価格のものから新旧ワイナリーの高級ワインまでを取り揃える。また、環境保護の観点から、使い捨てのプラスチック容器を削減。グリーンエネルギー企業との提携により、国内初のグリーン電力を利用した食料品チェーンを目指し、将来的には再生可能な太陽光エネルギーを利用する予定だ。
(ザ・スター、11月10日)

外国人旅行者への国境再開、1月までに実施へ=ムヒディン前首相

【クアラルンプール】 マレーシア政府は、海外からの外国人旅行者に対して遅くとも来年1月1日までに国境を再開する方針を固めた。新型コロナウイルス「Covid-19」パンデミックからの復興計画を策定する国家復興評議会のムヒディン•ヤシン議長(前首相)が明らかにした。

観光業の復興支援を目的とした措置。ムヒディン氏は事業を再開するために旅行関連事業者が時間やリソースを要しているというのもあるが、外国人旅行者なしの状態にあるせいで回復ペースが遅すぎると指摘。ただ感染検査などの予防措置は今後も継続するとし、旅行者の出身国の感染状況などを考慮して当局が決定すると述べた。また具体的な実施日に関しては言及を控えた上で、保健省や治安機関によって検討されることになると述べた。

マレーシアは今週に入ってから、シンガポールとの間でワクチン接種を条件に11月29日付けで検疫なしで相互往来できるようにすると発表。インドネシアとの間でも2022年初めまでに開始することで合意した。

(ロイター、ザ・スター、11月11日)

5G通信網計画、いまだ通信事業者の同意得られず

【ペタリンジャヤ】 第5世代移動通信(5G)ネットワーク計画について、携帯電話会社は民業圧迫や設定価格の懸念からいまだ同意していない。業界関係者が明らかにした。
10日付けで第5世代移動通信(5G)ネットワークの国内展開を開始するとの発表が行なわれたが、デジタル・ナショナル(DNB)の関係者はロイター通信の取材に対し、当初の交渉スケジュールが楽観的すぎたとし、実際は通信事業者との間でいまだ合意に達していないと述べた。DNBは5G基盤整備のために国が設立した特別目的事業体(SPV)で、各通信業者に5Gネットワーク回線を卸販売する立場。
DNBは来年初頭に通信事業者との間で長期契約を締結することを目指し協議を続けていく予定だ。年内に通信事業者数社の参加により500拠点間の5Gネットワークを構築することを第一の目標とするという。
ロイター通信はまた、情報筋の話として、5Gの普及を目指しインフラ更新に投資してきた通信事業者が、5Gネットワークが国有化されることを懸念しており、万が一そうなった場合、事業に大きな打撃を受けるおそれがあると報じている。携帯電話会社の市場価値が最大で450億リンギ損なわれるという試算もあり、また、DNBにより提案されている料金体系では、通信事業者は独自でサービス展開する場合よりも高いコストを負担することになるという。
通信事業者は、DNBの価格案では割に合わないとして大幅な修正を求めている。同時にDNBに対し「回線卸売のみを行ない、5G容量の自社確保や小売については行なわない」という確証を求めているという。
(フリー・マレーシア・トゥデー、11月9日)

 

マレーシアとインドネシア、隔離なしの往来再開で合意

【ジャカルタ】 インドネシアを公式訪問中のイスマイル・サブリ・ヤアコブ首相は10日、インドネシアのジョコ・ウィドド大統領と会談し、両国間の人の往来を再開するための「トラベルコリドー制度(TCA)」を2022年初めまでに開始することで合意した。
「ワクチン接種完了者向けトラベル・レーン(VTL)」とよばれる同制度は、新型コロナウイルス「Covid-19」ワクチン接種を完了した者を対象に隔離なしで双方の出入国を認めるというもの。ワクチン接種証明やPCR感染検査結果の相互承認も含まれる。ワクチン接種が完了した者、公用、ビジネス、医療、人道上の理由による渡航を優先して実施する。
当面はクアラルンプール(KL)ージャカルタ、KLーバリ間の航空路線から開始し、段階的に感染リスクの低いエリアに適用範囲を拡大する。
マレーシアはシンガポールとの間でも、11月29日付けでワクチン接種完了者を対象に隔離なしの空路往来を認めることで合意している。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、ザ・スター、ザ・サン、ベルナマ通信、11月日)

5G通信網、10日よりKLなどで運用開始

【クアラルンプール】アヌアル・ムサ通信マルチメディア相は、10日付けで第5世代移動通信(5G)ネットワークの国内展開を開始すると発表した。
1年以内にクアラルンプール、プトラジャヤ、サイバージャヤで5Gネットワークの運用を開始し、2022年にはペナン、セランゴール、ジョホール、サバ、サラワクなど人口密度の高い州を中心に展開、その後段階的に全国展開を進め、人口カバー率36%を目指すという。同相は、5Gにより様々なハイテク分野で新たな雇用機会が創出され、ビジネスに変革がもたらされると強調した。
同相はまた、進行中の国家デジタル・ネットワーク計画(JENDELA)について、デジタル経済センター(PEDi)の設立を予定しているとした。PEDiは、既存のコミュニティ・インターネット・センターの改訂版で、一般の人々が最新のデジタル技術や電子商取引について学び、収入を得られるようにするもの。通信マルチメディア省では、新型コロナウイルス「Covid-19」感染症がエンデミック(風土病)段階に移行するのに合わせ、経済活動の再開を支援し、収入を得るための教育プログラムを再開していくという。
(ベルナマ通信、11月9日)

ファーマニアガ、ドローンによる遠隔地への医薬品配達を検討

【クアラルンプール】 製薬会社ファーマニアガは8日、遠隔地など医療サービスが行き届きにくい地域において、無人航空機もしくはドローンを利用した医薬品の配達を検討していると明らかにした。
発表した声明の中で、ファーマニアガはドローンを利用した配達は従来の配達方法よりも5倍ほど効率的と評価されていると説明。ドローンを利用することで、配達時間とコストの削減、サプライチェーンの効率を高めることを目的としているとした。
同社は、実証実験の第1弾として「プロジェクト・イーグル」をペラ州のパンコール島で実施。保健省や科学技術革新省、マレーシア民間航空局(CAAM)などの協力のもとで行った。マンジュンの桟橋から4.2キロメートル離れたパンコール島内のクリニックへ3キログラムの医薬品を配達するという、国内初の長距離かつ海を超えてのドローンを利用した配達となった。操縦は女性が行い、天候や視界も悪かったが、通常は30分かかるところ3.5分で配達でき、成功裏に終わったという。
ファーマニアガは、サバ、サラワク州を含む他の地域においても段階的に実証実験を行う計画だ。
(ザ・スター、11月9日、ベルナマ通信、11月8日)

イベルメクチンは重症化防げず、予防効果の確認試験へ

【クアラルンプール】 保健省(MOH)は5日、寄生虫駆除薬のイベルメクチンは新型コロナウイルス「Covid-19」の重症化を防げず、コロナ治療には使用できないと発表した。
臨床研究所(ICR)がカテゴリー2(軽症)、3(肺炎発症)の患者500人を対象に臨床試験を行ない、基礎疾患を持つ50歳以上の患者が発病後1週間以内にイベルメクチンの投与を受けることで、重症化を防げるかどうかを調べた。無作為に「標準治療のみを受けるグループ」「標準治療に加え5日間のイベルメクチン投与を受けるグループ」の2つに分けた結果、両グループの重症化には差がなく、ICU使用率、呼吸補助装置の使用率、回復率、血液パラメーター、胸部CT画像などの点でも有意な差は認められなかった。イベルメクチン投与者には下痢を中心とする副作用があったという
保健省のノール・ヒシャム事務次官は、イベルメクチンはコロナ重症化のリスクを低減しないため、現行の治療ガイドラインに含めることは推奨できないとし、さらに裏付けとなる証拠が得られるまではイベルメクチンを推奨しないよう医療従事者に対して注意を喚起した。
一方、MOHとICRは、イベルメクチンの濃厚接触者に対する感染予防効果について調べるため、早ければ来月にも臨床試験を開始する予定だと発表した。ケダ州、ペラ州、ペナン州、ペルリス州の医療施設10カ所で、18歳以上の濃厚接触者300人を対象に行なう。隔離開始後1日目と2日目にイベルメクチンを投与、隔離前・隔離開始後8日目にRT-PCR検査を実施し感染状況を調べる。現在、試験実施について国家医薬品規則庁(NPRA)の承認待ちの段階となっている。
イベルメクチン支持者は「イベルメクチンにコロナ感染予防効果がある」という主張を行なっており、本臨床試験にはその主張を確かめる意図があると見られる。
(フリー・マレーシア・トゥデー、ベルナマ通信、11月7日、ザ・スター、11月5日)