イスマイル・サブリ第9代首相が就任、与野党に協力を要請

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 イスマイル・サブリ・ヤアコブ前副首相が21日に王宮で宣誓を行ない、マレーシア第9代首相に就任した。
ムヒディン・ヤシン首相の辞任後、アブドラ国王の求めに従い下院議会(定数222)議員全員が推薦する次期首相名を提出。過半数の114人がサブリ氏を推薦。国王は最終的に114人全員と面談して意思を再確認し、サブリ氏の過半数獲得を承認した。
サブリ氏支持の内訳は、サブリ氏が総裁補を務める統一マレー国民組織(UMNO)が37人、ムヒディン氏が党首を務める統一プリブミ党(PPBM)が31人、汎マレーシア・イスラム党(PAS)が18人、サラワク政党連合(GPS)が18人——などとなっている。
過半数とはいえ安定多数には程遠く、与党第一党のUMNOでも支持は37人にとどまっており、喫緊の課題である新型コロナウイルス「Covid-19」対策や経済復興対策に向けて与党内の結束を保っていくためには難しい舵取りが求められる。
サブリ首相は22日に就任初のテレビ演説を行ない、国民を一つの「マレーの家族」と表現。国民を救うために協力するよう議員全員に呼び掛け、野党にも国家復興評議会(MHN)や新型コロナ特別対策班への参加を求めた。

中国カンシノワクチン、初回20万回分がマレーシアに到着

【クアラルンプール】 中国の康希諾生物(カンシノ・バイオロジクス)の350万回分のカンシノ製ワクチンのうち、最初の20万回分が20日マレーシアに到着した。
科学技術革新省(MOSTI)の発表によると、20万回分のカンシノ製ワクチン(完成品)は、MASカーゴが北京からMH361便で空輸し、20日7時50分にクアラルンプール国際空港に到着したという。
カンシノ製ワクチンは1回接種ワクチンで、農村地域など2回の接種が困難な地域の住民に接種する。6月15日、条件付きで保健省から登録を承認された。保健省に350万回分を納入予定で、うち50万回分は接種可能な完成品として輸入。残りの300万回分についてはバルクで輸入し、ソリューション・バイオロジクスが国内工場で充填する。
1回接種ワクチンでは他に米ジョンソン・エンド・ジョンソン製ワクチンも条件付きで承認を受けている。
(マレーシアン・リザーブ、エッジ、ベルナマ通信、8月20日)

首都圏での外国人向け予約なしワクチン接種が終了

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 首都圏での予約なしワクチン接種が一部変更される。ブキ・ジャリル・スタジアムのワクチン接種センター(PPV)で外国人向けに行なわれていた予約なしワクチン接種は終了し、23日より予約が必須となる。一方、マレーシア人を対象とした予約なし接種は首都圏のPPV13カ所で実施される。
外国人のワクチン接種は、今後、コロナ情報アプリ「MySejahtera」、電話(1800-888-828)、Webサイト(https://www.vaksincovid.gov.my/のいずれかからの予約が必要となる。
また、首都圏でマレーシア人の予約なし接種を受け付けるPPVは、▽クアラルンプール(KL)コンベンションセンター▽アシアタ・アリーナ・ブキ・ジャリル▽アイディアル・コンベンションセンター(IDCC)シャアラム▽バンギ・アベニュー・コンベンションセンター▽ウィンダムホテル・クラン▽ペタリンジャヤ・シティ・カウンシル・シビックセンター▽クアラ・セランゴール・クローズド・スタジアム▽デワン・セリ・ベルナム▽クアラランガット・ムニシパル・カウンシル・スポーツ・コンプレックス・ホールーーの9カ所となる。25ー26日からは、▽ル・パビリオン・ガムダ・ガーデン・ゴンバ▽ブキ・ベルントゥン・ゴルフリゾート▽ギャラクシーモール・アンパン▽マルチメディア大学(MMU)サイバージャヤ・キャンパスーーの4カ所が追加される。
接種時には、首都圏在住を証明する身分証明書が必要。1回目ワクチンを接種済で2回目の接種が受けられていない場合、上記13のPPVで2回目の接種ができる。万が一1回目のワクチンと同じ種類が提供されていない場合、他のPPVの紹介が受けられる。
KLではすでに成人人口の85%がワクチン接種済で、集団免疫を獲得するという目標を達成している。6月7日より開始されたトラックを利用した移動式ワクチン接種会場(ワクチントラック)も21日に終了している。ワクチントラックは、主に高齢者、病人、障害者を対象として約40台が稼働、18日までに1回目接種16万8,607回、2回目接種13万8,172回を完了していた。

首都圏など半径10キロ移動制限を解除、接種完了者対象に

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 国家安全委員会(NSC)は、20日付けで最新版の標準的運用手順(SOP)を発表。国家復興計画(NRP)第1フェーズに指定されている州・地域について、ワクチン接種完了者に対する自宅から半径10キロメートルの移動制限が撤廃された。ただし州・地区を跨いだ移動は引き続き禁止される。
ワクチン接種が完了していない場合は世帯を代表して最大2人が食料、薬、栄養補助食品、基本的な必需品を入手するために移動できる。また医療サービスや感染検査、ワクチン接種を受ける目的の場合は、患者を含めて最大3人が移動することができる。
飲食店における店内飲食を実施できる店舗は従業員ワクチン接種率が40%以上に限られ、その接種率によって稼動率が定められる。100%出勤できるのは接種率80%以上の店舗で、接種率60%以上は出勤率80%、接種率40%以上は出勤率60%に制限される。
テーブル間の距離は少なくとも1メートル空ける必要があり、キャパシティは50%に制限する。また入店できるのはワクチン接種完了した者、及びその子供(SOP厳守が条件)となっている。入店の際には「MySejahtera」アプリで接種証明を提示する必要があり、店側も確認することが求められる。
ワクチン接種完了の定義は、▽ファイザー▽アストラゼネカ▽シノバック——の2回接種ワクチンについては2回目の接種を受けてから14日以降、ジョンソン&ジョンソン及びカンシノなどの1回接種ワクチンについては28日以降となっている。
22日時点で第1フェーズにとどまっているのは、▽セランゴール▽ネグリ・センビラン▽ジョホール▽ケダ▽マラッカ——の5州と連邦直轄地のクアラルンプール(KL)、プトラジャヤとなっている。

新型コロナの感染者数は1万7672人、3日連続で前日下回る

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は23日、新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者数が1万7,672人となったと発表した。3日連続で前日を下回った。アクティブ感染者数は26万7,000人で、累計感染者数は157万2,765人となった。

州・地域別の感染者数はセランゴール州が最も多く4,316人だった。それに▽サバ州(2,474人)▽ケダ州(1,602人)▽サラワク州(1,538人)▽ペナン州(1,451人)▽ジョホール州(1,367人)▽クランタン州(1,176人)▽ペラ州(952人)▽クアラルンプール(KL、891人)▽パハン州(506人)▽ネグリ・センビラン州(478人)▽トレンガヌ州(470人)▽マラッカ州(363人)▽ペルリス州(57人)▽プトラジャヤ(24人)▽ラブアン(7人)ーーが続いた。1万9,053人が新たに回復し、累計治癒者は129万7,723人。死者数は174人で、累計で1万4,342人となった。

保健省によると、22日に確認された感染者のうちカテゴリー1(無症状)が49.7%、カテゴリー2(軽度の症状)が48.6%、カテゴリー3(肺炎の症状)が0.9%、カテゴリー4(酸素吸入が必要)が0.3%、カテゴリー5(人工呼吸器を装着する必要)が0.5%だった。
また同日は新たに24カ所のクラスターを確認した。職場で12カ所、コミュニティで11カ所の他、感染すると重症化するリスクが高いグループでクラスターが発生した。州・地域別ではクランタン州が6カ所で最多となった。