マレーシア人訪日者数、7月は前月比で2倍に

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 日本政府観光局(JNTO)が発表した2021年7月の訪日者数統計によると、マレーシアからの訪日者数は200人で、前月(100人)比で2倍となった。
JNTOによると、前年同月に比べて33倍となった。新型コロナウイルス「Covid-19」感染症の拡大により、マレーシアは日本政府による上陸拒否、14日間の隔離・PCR検査受診、査証の効力停止等の対象となっている。国際的な人の往来再開に向けた段階的措置として、昨年9月8日から「レジデンストラック」を開始したが、今年1月14日に運用が停止されている。 また6月4日以降、マレーシアは水際対策上特に懸念すべき変異株に対する指定国・地域として、検疫所が確保する宿泊施設での待機、入国後の再検査等、検疫強化の対象となっている。
一方でマレーシア政府も行動制限令を施行しており、出国禁止が継続されている。マレーシア人の日本からの入国については、マレーシアへの出発3日前のスワブ検査、入国時のPCR検査、14日間の隔離、隔離施設退出2日前のPCR検査受検が義務付けられている。日本への直行便は、8月も引き続き大幅な運休・減便となっている。
1ー7月のマレーシアからの訪日者数は、前年同期比98.7%マイナスの1,000人となった。
世界全体の7月の訪日者数は、東京2020オリンピック競技 会の選手・ 会関係者の 国等もあり、前年同月比13.5倍の5万1,100人となった。年初7カ月では前年同期比96.3%マイナスの14万7,400人だった。
JNTOは、観光目的の国際的な移動に制約が続いていると指摘。その一方で一部の国においては、ワクチン接種の普及等を受けて 国後の行動制限が緩和されるなどの動きも見られることから、感染状況の変化とともに各国の出入国規制や市場動向を引き続き注視していく必要があるとした。

復興計画第2期の指定地域、流通&販売は営業再開可能に

【クアラルンプール】 国内取引消費者行政省は18日、国家復興計画(NRP)第2フェーズに移行した州・地域における流通・販売セクターにおける標準的運用手順(SOP)をさらに緩和すると発表した。
国取省によると、新型コロナウイルス「Covid-19」ワクチン接種の完了率が成人人口の50%に達していない場合でも、第2フェーズに移行すればすべての流通・販売セクターの営業再開が認められる。
従業員がワクチン接種を完了した従業員の詳細を提出する必要はなく、国取省からの承認は不要だが、最新版の新型コロナ・マネジメント・システム(CIMS3.0)を通じて申請する必要がある。申請証明書は必要な場合に提示が必要になるため、保管しておく必要がある。
18日時点で第2フェーズに移行しているのは▽ペナン▽ペラ▽クランタン▽トレンガヌ▽パハン▽サバ——の6州。ペルリス、サラワクの2州と連邦直轄地ラブアンはすでに第3フェーズに移行している。
ムヒディン・ヤシン首相(現在は暫定首相)は15日、第2フェーズ指定地域を対象にサービス関連の11業種について16日付けで営業再開を認めると発表していた。営業再開が認められるのは▽写真店▽中古品店▽花屋▽手工芸品・土産店▽アンティークショップ▽玩具店▽カーペット店▽クリエイティブコンテンツに関するビジネス及び機器販売▽アウトドアスポーツ店▽化粧品店▽電子たばこ店——。
(ベルナマ通信、8月18日)

首都圏でも店内飲食&屋外運動可に、ワクチン接種証明が条件

【クアラルンプール】 ムヒディン•ヤシン暫定首相は19日、店内飲食や屋外での個人スポーツについて、国家復興計画(NRP)の第1フェーズに指定されている首都圏を含む州・地域においても新型コロナウイルス「Covid-19」ワクチン接種を完了した人に限って20日付で認めると発表した。

全国の成人のワクチン接種率が50%を超えたことから、国家安全委員会(NSC)が規制緩和に同意した。飲食店入店する際にはワクチン接種が完了したことを示す電子証明書を呈示する必要があり、飲食店側も電子証明書の確認やテーブル間隔を空けるなどの配慮が求められる。

認められる個人スポーツは、▽ジョギング▽太極拳▽エクササイズ▽サイクリング▽釣り▽乗馬▽スケートボード▽アーチェリー▽ハイキング▽シングルテニス▽シングルバドミントン▽ゴルフ——などの屋外スポーツ、ピクニック、キャンプ。

またワクチン接種を行なっていない17歳未満の子供を連れて行くことは可能だが、厳格な標準的運用手順(SOP)を守ることが求められる。

ワクチン接種完了の定義は、▽ファイザー▽アストラゼネカ▽シノバック——の2回接種ワクチンについては2回目の接種を受けてから14日以降、ジョンソン&ジョンソン及びカンシノなどの1回接種ワクチンについては28日以降となっている。

19日時点で第1フェーズにとどまっているのは、▽セランゴール▽ネグリ・センビラン▽ジョホール▽ケダ▽マラッカ——の5州と連邦直轄地のクアラルンプール(KL)、プトラジャヤとなっている。

(星州日報、フリー・マレーシア・トゥデー、8月19日)

サブリ前副首相が過半数支持獲得か、国王が直接意思を確認

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 16日に辞任したムヒディン•ヤシン前首相の後任について、イスマイル・サブリ・ヤアコブ前副首相を推薦した下院議員が過半数を超える114人に達した模様だ。アブドラ国王は19日、推薦議員全員を王宮に呼んで直接意思確認をおこなった。午後7時時点で王宮から新首相に関する発表・コメントは出ていない。

サブリ氏を推薦したのは、前・連立与党の国民同盟(PN)の構成各党、及びPNと共闘する統一マレー国民組織(UMNO)など諸政党や無所属の議員。内訳は、サブリ氏が総裁補を務めるUMNOが37人、ムヒディン氏が党首を務める統一プリブミ党(PPBM)が31人、汎マレーシア・イスラム党(PAS)が18人、サラワク政党連合(GPS)が18人、マレーシア華人協会(MCA)が2人、マレーシア・インド人会議(MIC)、サバ団結党(PBRS)、サバ統一党(PBS)、サバ国土連帯党(STAR)がそれぞれ1人、無所属が4人となっている。

下院議会の定数は222人だが、うち2議席は議員死去のため空席となっており、過半数を獲得するには111人の支持が必要。国王との直接確認で変更が生じていなければサブリ氏が過半数を掌握することになる。国王は下院議員全員に対して、18日午後4時までに次期首相として推薦する人物名を書いた法定宣言を送付するよう求めていた。

野党側は希望同盟(PH)を率いるアンワル•イブラヒム人民正義党(PKR)党首(元副首相)を推すことで候補者一本化と前・連立与党側の議員の切り崩しを狙ったが、過半数には届かなかった。

新型コロナの感染者数は2万2948人、2日連続で過去最多を更新

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は19日、新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者数が2万2,948人となったと発表した。2日連続で過去最多を更新した。アクティブ感染者数は25万5,534人で、累計感染者数は148万9,460人となった。

州・地域別の感染者数はセランゴール州が最も多く7,175人だった。それに▽サバ州(2,583人)▽ケダ州(2,137人)▽ペナン州(1,655人)▽ジョホール州(1,526人)▽クアラルンプール(KL、1,439人)▽クランタン州(1,271人)▽ペラ州(1,229人)▽サラワク州(1,206人)▽マラッカ州(737人)▽パハン州(736人)▽トレンガヌ州(621人)▽ネグリ・センビラン州(556人)▽ペルリス州(42人)▽プトラジャヤ(26人)▽ラブアン(9人)ーーが続いた。2日連続で過去最多となる2万1,720人が新たに回復し、累計治癒者は122万446人となった。死者数は178人で、累計で1万3,480人だった。

保健省によると、18日に確認された感染者のうちカテゴリー1(無症状)が47.8%、カテゴリー2(軽度の症状)が50.3%、カテゴリー3(肺炎の症状)が0.6%、カテゴリー4(酸素吸入が必要)が0.4%、カテゴリー5(人工呼吸器を装着する必要)が0.9%だった。
また同日は新たに49カ所のクラスターを確認した。7月30日の47カ所を超えて過去最多となった。職場で30カ所、コミュニティで13カ所、残りは医療施設、高齢者施設、透析センター、拘置所でクラスターが発生した。州・地域別ではセランゴール州とクランタン州がそれぞれ10カ所で最多となった。セランゴール州では8カ所が建設会社、工場などの職場に関するクラスターが発生した。