GDP成長率、8州・連邦直轄地でマイナス5.6%を上回る

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】  統計局の発表によると、2020年のマレーシアの国内総生産(GDP)成長率はマイナス5.6%となった。各州、連邦直轄地のGDP成長率のうち、マイナス5.6%を上回ったのは▽ラブアン(マイナス0.5%)▽クランタン(マイナス1.1%)▽ケダ(マイナス1.7%)▽ペナン(マイナス2.1%)▽ペラ(マイナス2.3%)▽ネグリ・センビラン(マイナス3.6%)▽ジョホール(マイナス4.6%)▽セランゴール(マイナス5.3%)ーーの8カ所だった。
最もGDP成長率が低下したのは、サバでマイナス9.5%となった。それに▽クアラルンプール(KL、マイナス7.5%)▽サラワク(マイナス7.1%)▽ペルリス(マイナス6.1%)▽パハン(マイナス5.9%)▽マラッカ(マイナス5.9%)▽トレンガヌ(マイナス5.7%)ーーが続いた。
6州・連邦直轄地が72.1%(前年72.3%)の貢献をした。貢献度が最も高かったのはセランゴールで、24.3%に上った。それに▽KL(16.1%)▽ジョホール(9.5%)▽サラワク(9.5%)▽ペナン(6.9%)▽サバ(5.8%)ーーが続いた。
2020年の消費者物価指数(CPI=2010年を100として算出)はマイナス1.2%で、全ての州・連邦直轄地で下がった。最も低下したのはマラッカとサバ・ラブアンでマイナス1.9%だった。その一方でセランゴール、プトラジャヤ、KLはマイナス0.6%と最も低下率が低かった。

首都圏で毎日千人以上の新型コロナ感染者が入院=保健省

【ペタリンジャヤ】 保健省のノール・ヒシャム事務次官は4日、首都圏では毎日千人以上の新型コロナウイルス「Covid-19」感染者が入院していると明らかにした。
セランゴール州、クアラルンプール(KL)、プトラジャヤの入院者数は、2週間前に比べて33%増加しており、6,427人が入院中だ。2,685人が低リスク者用隔離・治療センター(PKRC)、659人が集中治療室(ICU)で治療を受けている。また、救急部門以外で治療待機中の患者が多くいることも危機準備対応センター(CPRC)のシステムによって判明しているという。
ノール事務次官によると、入院患者の増加に対応するべく、セランゴール州クランのテンク・アムプアン・ラヒマー病院のすぐ近くに野外病院を設置。セラヤン病院およびセルダン病院でも病床を増設した他、セランゴール州の農業展示場、マレーシア・アグロ・エクスポジション・パーク・セルダン(MAEPS)のPKRCでは、酸素供給を必要とする感染者を治療できるよう設備を増強した。過去2週間で首都圏の病院で2,884床の病床を増設、今後もさらに増設する計画だ。首都圏では現在、▽スンガイブロー病院▽セラヤン病院▽アンパン病院▽セルダン病院▽マレーシア国民大学小児専門病院ーーがコロナ専門病院となっている。
ノール事務次官は、重症者数を減らすためには、首都圏でのワクチン接種率を向上させることが必要だと強調した。
(フリー・マレーシア・トゥデー、ニュー・ストレーツ・タイムズ、8月5日)

モデルナ社製のワクチン、条件付きで承認=保健省

【クアラルンプール】 保健省のノール・ヒシャム事務次官は5日、米モデルナ社製の新型コロナウイルス「Covid-19」ワクチンを緊急使用のため条件付きで承認したことを明らかにした
ノール氏が発表した声明によると、同日開催された、医薬品管理庁(DCA)の会合で承認された。ワクチンは、ヌクレオシド修飾RNAワクチン「スパイクバックス」。スペインの製薬会社ロビ・ファーマ・インダストリアル・サービシズが生産したもので、ズエリング・ファーマが製品登録者となっている。
保健省は承認したワクチンの安全性や有効性に関するデータを常に調査し、リスクを確認していると説明。ワクチン接種の促進を図り、国家医薬品規制庁(NPRA)によるワクチンの品質や安全性、有効性を評価の後、DCAによる承認が行われていると説明した。これまでファイザー・バイオNテック、アストラゼネカ、科興控股生物技術(シノバック・バイオテック)、康希諾生物(カンシノ・バイオロジクス)、中国医薬集団(シノファーム)ジョンソン・エンド・ジョンソンのワクチンが条件付きで承認されている。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、8月6日、エッジ、8月5日)

新型コロナの感染者数は2万889人、3日連続で最多を更新

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は6日、新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者数が2万889人となったと発表した。3日連続で過去最多を更新した。アクティブ感染者数は22万1,396人で、累計感染者数は122万4,595人となった。
州・地域別の感染者数はセランゴール州が最も多く8,792人だった。それに▽クアラルンプール(KL、2,483人)▽ケダ州(1,371人)▽サバ州(1,291人)▽ジョホール州(1,275人)▽ネグリ・センビラン州(986人)▽クランタン州(938人)▽ペナン州(776人)▽サラワク州(652人)▽ペラ州(624人)▽パハン州(610人)▽マラッカ州(491人)▽トレンガヌ州(460人)▽プトラジャヤ(122人)▽ラブアン(9人)▽ペルリス州(9人)ーーが続いた。過去最多となる1万6,394人が新たに回復し、累計治癒者は99万3,020人となった。死者数は158人で、累計で1万117人だった。
保健省によると、5日に確認された感染者のうちカテゴリー1(無症状)が52.5%、カテゴリー2(軽度の症状)が45.6%、カテゴリー3(肺炎の症状)が1.0%、カテゴリー4(酸素吸入が必要)が0.4%、カテゴリー5(人工呼吸器を装着する必要)が0.5%だった。
また5日は新たに33カ所のクラスターを確認した。職場で18カ所、コミュニティで12カ所、残りは拘置所、医療機関でクラスターが発生した。地域別ではクランタン州が8カ所で最多となった。最も感染者を出したセランゴール州では7カ所のクラスターが発生、全てが職場に関連したクラスターだった。

感染者数ではなく重症者数を規制緩和の指標に=財務相

【クアラルンプール】 国家復興計画(NRP)調整担当大臣を兼任するザフルル・アブドル・アジズ財務相は、規制緩和を意味するNRP第3、第4フェーズへの移行について、新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者数を基準とするのではなく、重症者数を新しい指標とすると述べた。
NRPのフェーズ移行指標として、現状、▽新規感染者数▽ICU稼働率などの公衆衛生システムへの負荷▽ワクチン接種率ーーの3つが挙げられている。一方、成人人口のワクチン接種率が40%に達したことで、新規感染者数の大多数が無症状または軽症(カテゴリー1および2)となったため、公衆衛生システムへの負担も軽減され、新規感染者数が移行指標としてあまり意味をなさなくなったという。そのため、新規感染者数ではなく、重症者数を移行指標とするが、他の2つの指標については変更なくそのまま維持するとしている。
ザフルル氏は、ワクチン接種率の向上が重症化が防ぐ例として、サラワクやラブアンを挙げた。サラワクでは、成人人口の63.7%の接種率を達成しており、新規感染者数は1日300人以上だが、重症とされるカテゴリー3、4、5にあたる感染者数は10人以下で、新規感染者の2%に過ぎなくなっている。ラブアンでは、少し前まで感染が抑えられない悲惨な状況にあったが、迅速かつ広範なワクチン接種を行なったことにより、感染者数やICUへの入院数は大幅に減少している。
(ベルナマ通信、8月5日)