【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 16日に辞任したムヒディン•ヤシン前首相の後任について、イスマイル・サブリ・ヤアコブ前副首相を推薦した下院議員が過半数を超える114人に達した模様だ。アブドラ国王は19日、推薦議員全員を王宮に呼んで直接意思確認をおこなった。午後7時時点で王宮から新首相に関する発表・コメントは出ていない。

サブリ氏を推薦したのは、前・連立与党の国民同盟(PN)の構成各党、及びPNと共闘する統一マレー国民組織(UMNO)など諸政党や無所属の議員。内訳は、サブリ氏が総裁補を務めるUMNOが37人、ムヒディン氏が党首を務める統一プリブミ党(PPBM)が31人、汎マレーシア・イスラム党(PAS)が18人、サラワク政党連合(GPS)が18人、マレーシア華人協会(MCA)が2人、マレーシア・インド人会議(MIC)、サバ団結党(PBRS)、サバ統一党(PBS)、サバ国土連帯党(STAR)がそれぞれ1人、無所属が4人となっている。

下院議会の定数は222人だが、うち2議席は議員死去のため空席となっており、過半数を獲得するには111人の支持が必要。国王との直接確認で変更が生じていなければサブリ氏が過半数を掌握することになる。国王は下院議員全員に対して、18日午後4時までに次期首相として推薦する人物名を書いた法定宣言を送付するよう求めていた。

野党側は希望同盟(PH)を率いるアンワル•イブラヒム人民正義党(PKR)党首(元副首相)を推すことで候補者一本化と前・連立与党側の議員の切り崩しを狙ったが、過半数には届かなかった。