【クアラルンプール】 マレーシアでの新型コロナウイルス(Covid-19)感染者数の急増によって、自動車メーカーを苦しませている半導体不足やその他の部品の調達難がさらに深刻化する恐れがある。
近年、半導体メーカーのインフィニオン・テクノロジーズ、NXPセミコンダクターズ、STマイクロエレクトロニクスが生産拠点を構えるなど、マレーシアは半導体製品の検査と最終加工における重要な拠点となっているが、現在、コロナ感染の拡大によりロックダウンが実施されているため、生産能力が大幅に低下している。
最近、規制緩和により、ワクチン接種を条件に営業再開が許可されたが、現場は依然として不安定なままだ。工場で感染が発覚した場合、衛生管理のために2週間ほど操業停止する必要があるが、デルタ変異株は特に感染力が強く、感染を防ぐのが難しい。半導体製造の中でも検査・最終加工の過程は、自動化されておらず多くの人員を必要とするため、特に感染の影響を受けやすいという。
フォードは先週、「マレーシアでのコロナ感染拡大による半導体関連部品不足」を理由に、人気のピックアップトラック「F-150」の生産を一時的に停止すると発表した。トヨタ自動車も先週、14の工場で生産を停止すると発表したが、これは、特にタイ、ベトナム、マレーシアからの部品供給がコロナの影響を受け滞っているためだ。インフィニオンは8月の決算説明会で、マレーシアでの製造上の制約が今期の売上に引き続き影響を与える可能性が高いと述べた。操業停止による損失額は数百万ユーロにのぼるという。STマイクロ社は最近、ジョホール州ムアルの組立工場の操業を11日間停止したが、それにより第3四半期の売上高と粗利益率に影響が出るという。
マレーシアは、スマートフォンから自動車まで様々な製品に搭載されている積層セラミックコンデンサー(MLCC)の重要な生産拠点でもあり、ロックダウンによりMLCCの供給も滞っている。日産自動車とゼネラルモーターズは、マレーシアでの操業停止により部品不足が深刻化しているとし、日産は8月にテネシー州スマーナ工場の生産ラインを2週間停止した。
自動車メーカーは半導体不足によって今年だけで1千億ドル以上の損失を被ると予測されている。最終的な損失額は、マレーシア政府が今後どれだけ効果的な感染症対策ができるかによって決まると見られている。
(ブルームバーグ、8月24日)



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