MM2Hの申請数は増加、条件厳格化に関わらず=内務相

【クアラルンプール】 サイフディン・ナスシオン内務相は22日、外国人の長期滞在を奨励するマレーシア・マイ・セカンド・ホーム(MM2H)プログラムについて、条件の厳格化にも関わらず申請件数が増加していると明らかにした

連邦政府は2021年10月に海外収入や銀行預金額の大幅引き上げや年間90日間のマレーシア滞在義務を課すなど、MM2Hの申請条件を厳格化している。

サイフディン内務相は、収入や預金額などの条件の厳格化は質の高い申請者を集めるためのもので、現時点で1,800ー1,900件の申請を受け付け、そのうち800件が承認されたと言明。承認を得た時点で100万リンギを口座に入金する必要があるとした。以前はMM2H申請のほとんどがバングラデシュからのものだったが、条件厳格化以降にはイギリス、日本、シンガポールからの申請者が増えたとしている。
一方、昨年10月に導入した、富裕層誘致を目的とする長期滞在ビザ「プレミアム・ビザ・プログラム(PVIP)」については、目標未達であるため再評価を行うとした。廃止までは行わず、見直しにとどめるとしている。

PVIPは国交のない国を除くすべての国の富裕層を受け入れるもので、最長20年間のマレーシア滞在が可能となり、滞在中の不動産購入や投資、事業運営なども許可される。マレーシア国外の収入が月4万リンギ以上あるいは年48万リンギ以上の個人(年齢不問)を対象としており、銀行口座残高100万リンギが必要となっている。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、6月23日)

韓国の格安航空会社ティーウェイ、仁川ーコタキナバル線を就航

【コタキナバル】 韓国の格安航空会社ティーウェイは19日、仁川ーコタキナバル間の直行便を新規就航した。

運航機材は「B737-800」型機で定員は189人。毎日運航で、「TW169」便が仁川発18時45分、コタキナバル着23時5分。「TW170」便がコタキナバル発深夜0時5分、仁川着6時30分。

サバ州の観光・文化・環境大臣補佐官兼観光局会長であるジョニストン・バンクアイ氏は、初便でコタキナバル国際空港(KKIA)に到着した188人の乗客を空港で歓迎し、国際直行便の就航は、観光産業に利益をもたらし、またサバ州の経済成長を促進するとコメント。接続性を強化することで、より多くの訪問者がサバ州の自然や文化遺産を体験でき、雇用機会の創出や持続可能な開発にもつながると述べた。

サバ州観光局によると、今年1ー4月の韓国人訪問者数は6万8,685人。サバの島々、ビーチ、ゴルフコースは韓国人観光客に人気で、ダイビングやバードウォッチングも関心を集めているという。

サバ州観光局は、韓国を含む海外観光客の誘致を目的としたイベント「アジア・ダイビング・エキスポ(ADEX)」と「アジア・バード・フェスティバル」を計画しており、「自然愛好家や冒険を求める人々にとって最高の旅行先になる」という目標の達成を目指している。

サバ州では現在、シンガポール、バンダル・スリ・ブガワン(ブルネイ)、台北、香港、広州、深セン、武漢、仁川、釜山、マニラの10都市間で、直行便が運航しており、上海航空、エアアジア、韓国ジンエアーは増便や定員の増加を予定しているという。
(マレー・メイル、6月21日、デイリー・エクスプレス・オンライン、ボルネオポスト、6月20日)

大手通信、7月2日付けで電話番号付きのSMS送受信を禁止へ

【ペタリンジャヤ】 大手通信事業者数社は、7月2日付けでショートメッセージサービス(SMS)による電話番号の送受信をブロックすると発表した。5月2日に実施されたURLリンク付きのSMSのブロックに続くもの。

対象となるのは▽マキシス▽セルコムDigi▽ユーモバイルーーなどのサービス。国内・海外いずれのSMSも対象となり、ブロックされたメッセージには料金が発生しない。一方、6XXXX、2XXXX、1XXXXなどの5桁のショートコードで企業が送信するSMSについては、7月2日以降もURL、電話番号、個人情報を含めることが可能だが、マキシスは今後段階的にブロックしていくとしている。

オンライン詐欺にSMSを利用するケースが多いことから、通信デジタル省が、マレーシア通信マルチメディア委員会(MCMC)を通じ2月14日に全通信会社にブロック指示を出しており、各通信会社は段階的にブロックを実施していく方針だ。これを受け、大手銀行やモバイル決済のタッチアンドゴーなどはSMSによるワンタイムパスワード(OTP)送信からアプリ認証への切り替えを進めている。
(ザ・スター電子版、ローヤットドットネット、6月21日)

銀聯とペイネットが業務提携、QRコード決済を相互に受け入れ

【ペタリンジャヤ】 中国の銀聯国際は、マレーシアの電子決済機関ペイメント・ネットワーク・マレーシア(ペイネット)と、互いのQRコードを受け入れる業務提携で合意した。銀聯国際はユニオンペイ(銀聯)の国際事業を手掛ける子会社。

9月からユニオンペイのカードを所有する中国人旅行者はマレーシア全土で、ペイネットのドゥイットナウQRコードを受け入れる商店で電子決済ができる。
後の段階で、ドゥイットナウQRコードでの決済が可能なイーウォレットの所有者は、中国およびユニオンペイが利用されている国の加盟商店での決済が可能になる。

銀聯国際の蔡剣波代表は声明で「外国旅行が徐々に回復する中での意義ある提携だ。ユニオンペイのカードで中国人旅行者は、ATM(現金自動預け払い機)やPOS(販売時点情報管理)端末での取引だけでなく、モバイル決済ができるようになる」と語った。

ユニオンペイがQRコードの相互受け入れで合意したのは東南アジアでマレーシアが初めて。マレーシアはキャッシュレス決済の割合で東南アジア2位。イーウォレット所有者は26年には2,500万人になると推定されている。
(ザ・サン、6月21日)

書店チェーンの米系ボーダーズ、8月末で国内営業を終了

【ペタリンジャヤ】 書店チェーンの米系ボーダーズ・マレーシアは、8月31日に国内営業を終了すると明らかにした。

オンライン店舗は先行して5月31日から営業を終了しており、クアラルンプール(KL)のショッピングモール「バングサ・ビレッジ2」にある店舗は7月31日で閉店する。

ボーダーズ・マレーシアは、コングロマリットのベルジャヤ・コーポレーションの子会社であるベルジャヤ・ブックスが運営し、2005年にベルジャヤ・タイムズスクエアに1号店をオープン。現在ではKL市内でバングサ・ビレッジ2の他、クイル・シティ・モール、パンタイ・ホスピタルKL、グレンイーグルス・ホスピタルKLにおいて4店舗を営業している。

ベルジャヤ・ブックスはバングサ・ビレッジ2店に掲示した「閉店のお知らせ」で、長年にわたって書店を支えてくれた顧客に感謝するとし、最後まで最高のカスタマーサービスを提供することを約束すると述べた。

なお、米国のボーダーズ・グループは2011年2月に破産申請し、米国内の全店舗を同年9月までに閉店している。
(ウィアードカヤ、6月16日、フリー・マレーシア・トゥデー、6月15日)

プロドゥア、「アジア」の廉価マニュアル車を発表

【ペタリンジャヤ=マレーシアBIZナビ】 ダイハツ系プルサハアン・オトモビル・クドゥア(プロドゥア)は15日、Aセグメント・コンパクトカー「アジア」の廉価マニュアル車「アジアE」を発表した。


「アジアE」は、低所得層をターゲットにしており、保険なしの価格は2万2,000リンギ。エアバッグ2つ、シートベルト非着用警報、5年間の保証が付く。ボディカラーは、アイボリー・ホワイト、グリッタリング・シルバー、グラナイト・グレイの3色となっている。2017年に発表した「アジア」をベースにしており、運輸省傘下のマレーシア交通安全研究所(MIROS)から、東南アジア諸国向け新車アセスメント・プログラム (ASEAN NCAP) で4つ星評価を受けている。


 ザイナル・アビディン社長兼最高経営責任者(CEO)は、「アジアE」について、すべてのマレーシア人に手頃な価格かつ質の高いモビリティを提供するという目標に沿ったものであると説明。月間販売目標台数については1,500台を設定していると明らかにした。

 「アジア」は2014年に初めて発表されて以来、今年5月31日までに60万6,756台を販売している。今年2月には、9年ぶりにフルモデルチェンジをしていた。

SUKE高速道路第2期が開通、2週間は通行料無料

【クアラルンプール】 スンガイ・ベシーウル・クラン高速道路(SUKE)の第2期(スリ・ペタリンーチェラス間、全長7.8キロメートル)が15日に開通した。開通を記念し、6月29日までの2週間、通行料金が無料になる。6月30日からはアラム・ダマイ料金所で料金2.30リンギが徴収される。

第1期(チェラスーカジャン間、16.6キロメートル)は昨年9月に開通していた。今回、第2期が開通したことにより、▽シャアラム高速道路(KESAS)▽スンガイ・ベシ高速道路(BESRAYA)▽クアラルンプール(KL)ーセレンバン高速道路▽チェラス・カジャン高速道路(CKE)▽東西リンク高速道路(SALAK)ーーの主要高速道路5路線および首都圏の複数の道路網を繋ぐ。スンガイ・ベシとスリ・ペタリンにはそれぞれインターチェンジが設置された。アラム・ダマイのインターチェンジは第3期でオープンする予定で、今年第3四半期までの完工が見込まれている。

開通式典に臨席したアレクサンダー・ナンタ・リンギ公共事業相は、第2期が完成したことで、走行する道路の選択肢が増えたとした上で、接続性がさらにアップし、効果的に交通量が分散されるようになったと言明。車の通行がよりスムーズになることで、通勤時間の短縮にも繋がるとした上で、経済活動の促進も期待できるとの見解を示した。
(ザ・スター、6月16日、ポールタン、6月15日)

首都圏の公共交通機関、8月から増便=運輸相

【クアラルンプール】 アンソニー・ローク運輸相は、8月から9月にかけて首都圏クランバレーの公共交通機関で増便を計画しているとして、通勤者の移動時間短縮が期待できるとの見解を示した。

下院議会質疑の中でローク大臣は、これまでは故障や運行休止などの問題が起きていたが、公共輸送機関を管轄するプラサラナ・マレーシアおよび軽便鉄道(LRT)の運営企業ラピッド・レールは、信頼回復に向けて、増便やピーク時の混雑解消などの取り組みを実施していると説明。プラサラナは4両19編成の車両を購入する予定で、8月より段階的に納入される予定だと述べた。1998年から運行している2両編成のLRT車両は9月より、新車両に置き換えられるという。

また首都圏大量高速輸送(MRT)カジャン線について、ローク大臣は、車輪の交換作業が今年8月に完了する予定だとし、ピーク時の運行間隔は現在の6分から4分に戻ると説明。LRTアンパン線については、全車両の部品のオーバーホール作業が昨年10月から実施されており、2027年12月に完了する見込みだとした。なお、モノレール線については、新車両2両の製造と1両の修理が2025年3月に完了する予定で、完了後のピーク時の運行頻度は5分になるという。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、6月15日、マレー・メイル、ビジネス・トゥデー、6月14日)

KLIAの大規模改修、2026年に開始=運輸省

【クアラルンプール】 マレーシア運輸省は、12日の下院議会質疑において、クアラルンプール新国際空港(KLIA)の大規模改修を、取扱能力が90%に達する2026年に開始する予定だと明らかにした。

空港運営会社、マレーシア・エアポート・ホールディングス(MAHB)は2019年、KLIAの2050年までの30年間にわたるマスタープラン調査を策定するコンサルタントを指名しており、調査は年間最大旅客数(mppa)1億4,000万人と年間最大250万トンの貨物需要に対応するための2段階の開発を含む開発要件に基づいて行われている。

現時点での取扱能力はターミナル1(旧称KLIA1)が年間3,000万人、ターミナル2(旧称KLIA2)が同4,500万人となっており、MAHBによる予測に基づくとターミナル1は2030年に、ターミナル2は2030年以降にそれぞれ飽和状態となる。取扱旅客数は2019年にはターミナル1が2,920万人、ターミナル2が3,300万人に達した。

KLIAでは現在、トラック・トランジット・システム(TTS)と手荷物処理システム(BHS)の刷新が行われており、2025年末までに完了する見込み。また国家空港戦略計画(NASP)の調査については、今年末までに完了する予定だ。
(エッジ、ベルナマ通信、6月12日)

弱から中程度のエルニーニョ現象、6月以降に発生の見込み

【クアラルンプール】 ニック・ナズミ天然資源環境気候変動相は7日、今月以降、弱から中程度のエルニーニョ現象が発生するという予想を発表した

ニック・ナズミ大臣によると、今月から弱いエルニーニョが発生し、11月には中程度の強さに発達し、6ー10月にかけて特にマレー半島南部の州、サラワク州西部、サバ州東部で降雨量が20ー40%減少すると予想されている。通常、南西モンスーン期には大気の状態が安定するため、ほとんどの地方で降雨量が少なくなるが、マレー半島西海岸とサバ州西部で、特に早朝に強風と雷を伴う大雨が発生する可能性があるとした。

また最高気温については、東南アジア諸国では、数日間にわたり気温が38度を超えるような熱波の発生は予想されていないが、平年よりも0.5ー1.0度程度気温が上がる可能性があるという。

なお、南西モンスーン期の終わりにあたる9月には、マレー半島では大部分の州において平均降雨量が100ー450ミリメートル(mm)、サラワク州では200ー350mm、サバ州とラブアンでは50ー250mm程度となると予想。10月はモンスーンの第2移行期、11月は北東モンスーン期に入ると予想されるため、より多くの降雨が予想されるとした。
(ザ・スター電子版、エッジ、ロイター、6月7日)