次期首相候補、サブリ前副首相とアンワル元副首相の争いか

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 16日に辞任したムヒディン•ヤシン首相の後任争いは、連立与党のイスマイル・サブリ・ヤアコブ前副首相(統一マレー国民組織=UMNO総裁補)と野党連合・希望同盟(PH)を率いるアンワル•イブラヒム元副首相の一騎打ちの容相を呈している。

連立与党は、共闘相手であり最大党派であるUMNOの支持を得るためサブリ氏を統一候補として推す方向で調整を続けている。

UMNOを含む国民戦線(BN)構成党は、サブリ氏を推すことですでに合意している。UMNOのアハマド・ザヒド・ハミディ総裁(元副首相)は辞退したという。現在BNの議席は42議席で、このうち38議席をUMNOが占める。

与党連合・国民同盟(PN、50議席)の正式発表はまだだが、サブリ氏支持を発表する見通し。またPNと共闘関係にあるサラワク政党連合(GPS、18議席)も名前は明かしていないが、PNが推す候補を支援する意向を示している。

サブリ氏側は親PNの諸派・無所属をあわせると114—115人がサブリ氏支持にまわると見積もっている。ただサブリ氏に批判的な者は同じUMNO党内にも少なくなく、計算通りの支持が得られるかどうかは不透明だ。

一方、野党連合・希望同盟(PH、88議席)は、アンワル人民正義党(PKR)党首を推すことで一致しており、PHと連携するサバ遺産党(ワリサン、8議席)、祖国戦士党(ペジュアン、4議席)などを加えると105人がアンワル氏支持の見通しだと主張している。

PHはこれに無所属議員や与党側からの寝返りによる上乗せを期待しているが、ペジュアンのマハティール•モハマド会長(前首相)などアンワル氏に批判的な者は野党側にも少なくなく、野党が一致してアンワル氏を支持する体制をつくれるかは不透明な情勢だ。

新型コロナの感染者数は2万2242人、過去最多を更新

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は18日、新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者数が2万2,242人となったと発表した。12日の2万1,668人を上回り、過去最多を更新した。アクティブ感染者数は25万4,484人で、累計感染者数は146万6,512人となった。

州・地域別の感染者数はセランゴール州が最も多く6,858人だった。それに▽サバ州(2,413人)▽ペナン州(1,867人)▽ケダ州(1,852人)▽クアラルンプール(KL、1,587人)▽ジョホール州(1,477人)▽サラワク州(1,403人)▽クランタン州(1,351人)▽ペラ州(1,036人)▽パハン州(675人)▽マラッカ州(579人)▽ネグリ・センビラン州(577人)▽トレンガヌ州(487人)▽ペルリス州(50人)▽プトラジャヤ(25人)▽ラブアン(5人)ーーが続いた。過去最多となる1万9,680人が新たに回復し、累計治癒者は119万8,726人となった。死者数は225人で、累計で1万3,302人だった。

保健省によると、17日に確認された感染者のうちカテゴリー1(無症状)が47.6%、カテゴリー2(軽度の症状)が50.8%、カテゴリー3(肺炎の症状)が0.9%、カテゴリー4(酸素吸入が必要)が0.3%、カテゴリー5(人工呼吸器を装着する必要)が0.4%だった。
また同日は新たに39カ所のクラスターを確認した。職場で23カ所、コミュニティで13カ所、残りは拘置所、高齢者施設でクラスターが発生した。州・地域別ではセランゴール州が10カ所で最多となった。うち7カ所が建設会社、工場、市場、農場などの職場に関するクラスターだった。

経済は低迷、フィッチ調査部門がGDP予想を下方修正

【ペタリンジャヤ】フィッチ・ソリューションズは、年内のマレーシア経済は低迷するとの予想から、通年の実質国内総生産(GDP)増加率予想を4.9%から0%へ下方修正した。
第2四半期のGDPが前期比2%減とフィッチの当初予想を下回ったためで、「経済活動の制限を厳しくしたことで経済が縮小した。景気けん引役の個人消費は昨年並みか昨年を下回る」とした。
通年の個人消費予想を3%増から2%減に、総固定資本形成を4%増から1.5%増に、それぞれ下方修正した。需要減退を受け企業は設備投資に乗り出す必要を認めないからだ。財政ひっ迫のため追加の景気刺激策は年内、期待できないという。
米国、シンガポール同様、マレーシアでもワクチン接種へのためらいから接種ペースが鈍る可能性があり、年内の集団免疫の達成は困難で、全国規模のロックダウンはほぼ年内、続けられるという。
(ザ・サン、8月17日、マレー・メイル、8月16日)

18ー30歳の32%がワクチン接種に消極的=調査

【クアラルンプール】 マレーシア・モナシュ大学、サンウェイ大学、マレーシア科学大学が共同で実施した調査によると、18歳から30歳までの32%が、新型コロナウイルス(Covid-19)ワクチンについて「接種するかどうかわからない」「接種するつもりがない」と回答した。
この3大学による共同調査「Covid-19ワクチンに対する認識調査」は、今年6月11日から20日まで、18歳以上の804人を対象にオンライン上で実施された。
調査結果によると、低学歴層の24%および男性回答者の21%が「ワクチンを接種するかどうかわからない」「接種するつもりがない」と回答した。コロナが重症化しやすい高年齢層、健康意識が高い傾向にある女性や高学歴者は接種意向が高いという結果となっている。また、すべてのグループで「コロナはコミュニティで感染する病気であり、ワクチン接種の恩恵を受けるのはコミュニティである」と認識していることが判明した。
一方、18歳から30歳までの人のうち、ワクチン接種に肯定的なのは50%に過ぎないという結果となった。60歳以上では75%がワクチン接種に肯定的だが、家族や友人から接種を強く勧められている影響もある。若い世代は、同世代から接種を勧められにくい状態にあるため、ワクチン接種の意向を向上させるには、個人へのメリット、コミュニティへのメリットについてよりわかりやすく伝える啓発キャンペーンを行なっていく必要がある。本調査では、すべての年齢層に納得して接種を行なってもらうためにはさらなる努力が必要だと結論づけている。
(エッジ、8月12日)

ショッピングモールの売上が9割減、多数のテナントが閉店の予想

【クアラルンプール】 マレーシア・ショッピングモール協会(PPK)が市場調査会社ストラトス・ピナクルSBとともに最近行なった調査によると、長期にわたるロックダウンにより、現在ショッピングモールで営業しているテナントは10ー20%程度に過ぎず、多数の店舗が年内に完全閉店を余儀なくされる見込みだ。
同調査は今年7月23日から30日にかけて、国内94カ所の様々な規模のショッピングモールを対象に実施した。有効回答を得たショッピングモールのうち、63%は首都圏クランバレー近郊、大半が賃貸面積100万平方フィート未満のショッピングモールだった。
昨年12月時点では、60%近くのモールでテナントの10%が閉店したが、今年12月までには66%のモールで10ー30%のテナントが閉店すると予想されている。これらのモールでの客足は60ー90%減少し、新型コロナウイルス「Covid-19」感染拡大前の10ー40%以下の客足となっているが、この傾向は様々なショッピングモールで一貫して見られるという。
PPKによると、ロックダウン期間中の消費者の購買力の低下により小売業の売上が大幅に減少しており、小売店はテナント料の支払いに苦しんでいる。40%のモールでテナント料の30ー50%免除を行なっているが、30%のモールでは、70%以上の小売店からテナント料を回収できていない。一方、14%のモールが資金繰りのために従業員を解雇しており、その大半では10ー20%の人員削減を行っている。現在の閉鎖の状況がこれ以上長引けば、人員削減はさらに拡大する恐れがあるという。
ショッピングモールは昨年3月の最初の行動制限令(MCO)の発令以来、閉鎖が命じられており、今年1月の非常事態宣言でもモールでの営業が制限された。非常事態宣言は8月1日に終了したが、政府は小売業全体の営業再開についてはいまだに許可していない。
(マレー・メイル、8月13日)

次期首相選定、絶対的候補不在の混沌情勢

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 ムヒディン•ヤシン首相の辞任発表を受け、次期首相選定に向けて各方面で動きが活発化しているが、いずれの顔ぶれも下院議会における過半数獲得に向けた決め手に欠けており、絶対的候補者不在の混沌とした情勢となっている。

アズハル・アジザン・ハルン下院議長は、下院議員全員に対し自身が推薦する次期首相候補者名を書いた宣誓供述書を18日午後4時までにアブドラ国王に提出するよう通達を出した。全議員の意向を踏まえた上で、数日中に次期首相を指名することになるとみられる。昨年3月のムヒディン内閣が発足した際にも、首班指名前に同様に議員全員の意向確認が行なわれた。

与党連合・国民同盟(PN)内では、過半数の支持を得る上でキャスティングボートを握る友党・統一マレー国民組織(UMNO)への配慮から、同党総裁補のイスマイル・サブリ・ヤアコブ副首相を推す意見が強いようだが、ムヒディン首相への不支持を宣言したアハマド・ザヒド・ハミディ総裁(元副首相)らUMNO主流派の同意はまだ得られていない。UMNO内部の派閥間の意見の一致は難しく、間をとって野党にも王宮サイドにも顔がきく王族出身でUMNO長老のテンク・ラザレイ元財務相を推す声も出ている。

一方、かねてから過半数を掌握していると主張している野党連合・希望同盟(PH)は、リーダーのアンワル•イブラヒム人民正義党(PKR)党首(元副首相)を推しているが、祖国戦士党(ペジュアン)率いるマハティール•モハマド前首相が難色を示しており、ある程度の与党からの寝返りが期待できるにしても過半数の支持に届くかどうかは微妙な情勢だ。

各候補ともに過半数の支持獲得に向けた決め手に欠ける中、挙国一致内閣構想を打ち出しているマハティール氏の再登板、あるいは結局、ムヒディン首相が総選挙まで暫定首相として続投するといった見方も出ている。

新型コロナの感染者数は1万9631人、セランゴール州が最多

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は17日、新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者数が1万9,631人となったと発表した。アクティブ感染者数は25万2,147人で、累計感染者数は144万4,270人となった。
州・地域別の感染者数はセランゴール州が最も多く5,753人だった。それに▽サバ州(2,103人)▽ケダ州(1,863人)▽クアラルンプール(KL、1,765人)▽ジョホール州(1,309人)▽ペナン州(1,275人)▽クランタン州(1,268人)▽ペラ州(1,101人)▽サラワク州(835人)▽パハン州(670人)▽マラッカ州(623人)▽トレンガヌ州(498人)▽ネグリ・センビラン州(490人)▽プトラジャヤ(41人)▽ペルリス州(37人)ーーが続いた。ラブアンはゼロだった。1万6,468人が新たに回復し、累計治癒者は117万9,046人となった。死者数は293人で、累計で1万3,077人だった。
保健省によると、16日に確認された感染者のうちカテゴリー1(無症状)が52.2%、カテゴリー2(軽度の症状)が46.3%、カテゴリー3(肺炎の症状)が0.8%、カテゴリー4(酸素吸入が必要)が0.3%、カテゴリー5(人工呼吸器を装着する必要)が0.4%だった。
また同日は新たに35カ所のクラスターを確認した。職場で21カ所、コミュニティで11カ所、残りは医療機関、教育機関でクラスターが発生した。州・地域別ではクランタン州が13カ所で最多となった。最も陽性者が多かったセランゴール州では8カ所のクラスターを確認、うち7カ所が職場に関するクラスターだった。

MM2Hの申請条件変更、見直しや導入延期求める声上がる

【クアラルンプール】 外国人の長期滞在を奨励する「マレーシア・マイ・セカンド・ホーム(MM2H)」プログラムの申請条件の変更が先ごろ発表されたが、条件を満たすのが難しいとして見直しを求める声が上がっている。
国際不動産連盟(FIABCI)のコー・ペンカン会長は、これまで月1万リンギだった所得証明が4万リンギに引き上げられたことなどを挙げて、満たすのは難しいと強調。外国人の退職者にとりマレーシアがリタイヤ後の居住地として魅力的なのは、低い生活費であるとし、4万リンギになったことで申請できる人が減るとし、1万ー1万5,000リンギ程度に留めるべきと述べた。また年間90日以上のマレーシア滞在の義務やマレーシアでの定期預金額を35万リンギに設定したことをなどを挙げて、投資家の関心が大幅に低下するとし、すでに一部の不動産購入の予約をキャンセルする動きが出ているとした。
またマレーシア不動産業者協会(MIEA)も準備までに時間が必要とした上で、2022年12月まで延期をするよう求めた。再度申請の受け付けを開始することは歓迎するが、実用的ではないとした。一部の条件変更には賛成するが、証明する所得が4万リンギとなったことや、マレーシアの銀行への預金額を3−6倍引き上げたことについても、引き上げ幅が大幅すぎると指摘。申請者が減り、外国人は他の国に移住することになるとして懸念を示した。
(ザ・スター、8月15日、ニュー・ストレーツ・タイムズ、8月14日)

12ー17歳へのワクチン接種、9月中旬にもスタート

【クアラルンプール】 新型コロナウイルス「Covid-19」ワクチン接種調整担当大臣を兼任するカイリー・ジャマルディン科学技術革新相は13日、ワクチン接種プログラム(PICK)の下で12ー17歳へのワクチン接種を開始すると発表した。
保健省のノール・ヒシャム事務次官が提言したもので、ワクチン供給アクセス保証特別委員会(JKJAV)の会合で決議された。詳細については近く公表される予定だ。
ノール氏によると、10代へのワクチン接種は9月中旬のスタートを予定している。健康上の問題を抱える12ー15歳および16、17歳が対象となる。病院や医療センター、診療所などの指定のワクチン接種センター(PPV)もしくは学校でのワクチン接種を行う。健康上の問題やアレルギーを持つ者に関しては、医師や専門家による適切なワクチンの種類やの選定や接種場所などについて、診断や評価が行われる予定だ。
(エッジ、ベルナマ通信、8月13日)

一部サービス業の営業再開を容認、電気店&理髪店など

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 ムヒディン ヤシン首相は15日、国家復興計画(NRP)第1フェーズ適用地域における標準的運用手順(SOP)を見直し、16日付けで現在禁止されている11のサービス関連セクターの営業再開を認めると発表した。
営業再開が認められるのは▽洗車▽電気・電子販売店▽家庭・台所用品販売店▽家具店▽スポーツ用品店▽自動車アクセサリー店▽自動車販売店▽朝市・農業市場▽衣料・装飾店▽貴金属宝飾店▽理髪店・ビューティサロン——。
また第2フェーズに分類されている地域についても、11のセクターの営業再開を認める。営業再開が認められるのは▽写真店▽中古品店▽花屋▽手工芸品・土産店▽アンティークショップ▽玩具店▽カーペット店▽クリエイティブコンテンツに関するビジネス及び機器販売▽アウトドアスポーツ店▽化粧品店▽電子たばこ店——。
いずれのフェーズにおいても、入店する顧客は新型コロナウイルス「Covid-19」ワクチンの2回の接種を完了することが条件となっており、入店の際にデジタル接種証明書を提示する必要がある。
またレクリエーション活動についても、SOP厳守を条件に第1フェーズ指定地域については▽ジョギング▽サイクリング▽エクササイズ——といった個人スポーツを目的とした公園におけるレクリエーション活動を認める。