サブリ前副首相が第9代首相に決定、21日に宣誓式

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 16日に辞任したムヒディン•ヤシン前首相の後任の第9代首相に、イスマイル・サブリ・ヤアコブ前副首相(統一マレー国民組織=UMNO総裁補)が就任することが決まった。

王宮事務所が20日午後、サブリ氏が下院議会(定数222)の過半数の支持を得たことをアブドラ国王が確認し、承認を与えたことを明らかにした。21日午後2時半に王宮で宣誓式がおこなわれる見通しだ。

サブリ氏は自身が所属するUMNOを含めた政党連合・国民戦線(BN)の支持をほぼ固めた上で、BNの友党で18人議席をもつサラワク政党連合(GPS)や諸派、そして50人の議員を擁する国民同盟(PN)の支持を最終的にとりつけることに成功。アブドラ国王の元には114人分のサブリ氏支持の法定宣言が提出された。アブドラ国王は19日に114人全員を王宮に呼んで、最終意思確認を行なっていた。

PN率いるムヒディン氏は、政治混乱を防ぐために敢えてUMNO所属のサブリ氏を支持することを決めたと主張しており、サブリ氏を支持する条件として、刑事告発されている人物を閣僚として登用しないことを挙げている。これは汚職で告発されているナジブ•ラザク元首相(UMNO前総裁)やアハマド・ザヒド・ハミディ元副首相(UMNO現総裁)を念頭に置いた発言であり、サブリ氏やUMNOメンバーがそのまま受け入れるかどうか不透明だ。またアブドラ国王は新型コロナによる国家の危機に際し、野党議員も入閣させて挙国一致内閣による政権運営を希望しているとされ、組閣人事が注目される。

首相指名争いに勝ったとはいえ、サブリ氏が得た支持は安定多数には程遠い。アブドラ国王は新首相に次期国会において首相信任投票を行なうことを条件を出しており、サブリ氏の人事・政権運営への不満が高まるようであれば、早々に政権が瓦解する可能性がある。

国民の間でも、新型コロナ感染対策がうまく行かなかったムヒディン政権で副首相を務めていたサブリ氏を首相に昇格させることには反発の声も少なくない。ネット上では早くも反対署名運動が行なわれており、早くも20万人分の署名が集まっているとされる。

サブリ氏は1961年生まれの61歳。マラヤ法学部出身で元弁護士。1987年に統一マレー国民組織(UMNO)入党。2004年に初当選し、その後3期連続当選している。青年スポーツ相、国内取引共同組合消費者行政相、農業農業関連産業相、地方地域開発相、国防相兼上級相を歴任し、今年7月にはムヒディン内閣で外様ながら副首相に昇格していた。

新型コロナの感染者数は2万3564人、3日連続で過去最多を更新

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は20日、新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者数が2万3,564人となったと発表した。3日連続で過去最多を更新した。アクティブ感染者数は25万7,417人で、累計感染者数は151万3,024人となった。

州・地域別の感染者数はセランゴール州が最も多く6,974人だった。それに▽サバ州(2,738人)▽サラワク州(2,548人)▽ケダ州(1,932人)▽クアラルンプール(KL、1,652人)▽ペナン州(1,523人)▽ジョホール州(1,323人)▽クランタン州(1,281人)▽ペラ州(1,248人)▽マラッカ州(610人)▽ネグリ・センビラン州(608人)▽トレンガヌ州(521人)▽パハン州(517人)▽ペルリス州(64人)▽プトラジャヤ(24人)▽ラブアン(1人)ーーが続いた。2万1,448人が新たに回復し、累計治癒者は124万1,894人。死者数は233人で、累計で1万3,713人となった。

保健省によると、19日に確認された感染者のうちカテゴリー1(無症状)が50.6%、カテゴリー2(軽度の症状)が47.5%、カテゴリー3(肺炎の症状)が0.8%、カテゴリー4(酸素吸入が必要)が0.3%、カテゴリー5(人工呼吸器を装着する必要)が0.8%だった。
また同日は新たに42カ所のクラスターを確認した。職場で23カ所、コミュニティで15カ所、残りは拘留所、医療施設、宗教活動でクラスターが発生した。州・地域別ではセランゴール州が13カ所で最多となった。うち11カ所が建設会社、工場、スーパーマーケットなどの職場に関するクラスターが発生した。

マレーシア人訪日者数、7月は前月比で2倍に

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 日本政府観光局(JNTO)が発表した2021年7月の訪日者数統計によると、マレーシアからの訪日者数は200人で、前月(100人)比で2倍となった。
JNTOによると、前年同月に比べて33倍となった。新型コロナウイルス「Covid-19」感染症の拡大により、マレーシアは日本政府による上陸拒否、14日間の隔離・PCR検査受診、査証の効力停止等の対象となっている。国際的な人の往来再開に向けた段階的措置として、昨年9月8日から「レジデンストラック」を開始したが、今年1月14日に運用が停止されている。 また6月4日以降、マレーシアは水際対策上特に懸念すべき変異株に対する指定国・地域として、検疫所が確保する宿泊施設での待機、入国後の再検査等、検疫強化の対象となっている。
一方でマレーシア政府も行動制限令を施行しており、出国禁止が継続されている。マレーシア人の日本からの入国については、マレーシアへの出発3日前のスワブ検査、入国時のPCR検査、14日間の隔離、隔離施設退出2日前のPCR検査受検が義務付けられている。日本への直行便は、8月も引き続き大幅な運休・減便となっている。
1ー7月のマレーシアからの訪日者数は、前年同期比98.7%マイナスの1,000人となった。
世界全体の7月の訪日者数は、東京2020オリンピック競技 会の選手・ 会関係者の 国等もあり、前年同月比13.5倍の5万1,100人となった。年初7カ月では前年同期比96.3%マイナスの14万7,400人だった。
JNTOは、観光目的の国際的な移動に制約が続いていると指摘。その一方で一部の国においては、ワクチン接種の普及等を受けて 国後の行動制限が緩和されるなどの動きも見られることから、感染状況の変化とともに各国の出入国規制や市場動向を引き続き注視していく必要があるとした。

復興計画第2期の指定地域、流通&販売は営業再開可能に

【クアラルンプール】 国内取引消費者行政省は18日、国家復興計画(NRP)第2フェーズに移行した州・地域における流通・販売セクターにおける標準的運用手順(SOP)をさらに緩和すると発表した。
国取省によると、新型コロナウイルス「Covid-19」ワクチン接種の完了率が成人人口の50%に達していない場合でも、第2フェーズに移行すればすべての流通・販売セクターの営業再開が認められる。
従業員がワクチン接種を完了した従業員の詳細を提出する必要はなく、国取省からの承認は不要だが、最新版の新型コロナ・マネジメント・システム(CIMS3.0)を通じて申請する必要がある。申請証明書は必要な場合に提示が必要になるため、保管しておく必要がある。
18日時点で第2フェーズに移行しているのは▽ペナン▽ペラ▽クランタン▽トレンガヌ▽パハン▽サバ——の6州。ペルリス、サラワクの2州と連邦直轄地ラブアンはすでに第3フェーズに移行している。
ムヒディン・ヤシン首相(現在は暫定首相)は15日、第2フェーズ指定地域を対象にサービス関連の11業種について16日付けで営業再開を認めると発表していた。営業再開が認められるのは▽写真店▽中古品店▽花屋▽手工芸品・土産店▽アンティークショップ▽玩具店▽カーペット店▽クリエイティブコンテンツに関するビジネス及び機器販売▽アウトドアスポーツ店▽化粧品店▽電子たばこ店——。
(ベルナマ通信、8月18日)

首都圏でも店内飲食&屋外運動可に、ワクチン接種証明が条件

【クアラルンプール】 ムヒディン•ヤシン暫定首相は19日、店内飲食や屋外での個人スポーツについて、国家復興計画(NRP)の第1フェーズに指定されている首都圏を含む州・地域においても新型コロナウイルス「Covid-19」ワクチン接種を完了した人に限って20日付で認めると発表した。

全国の成人のワクチン接種率が50%を超えたことから、国家安全委員会(NSC)が規制緩和に同意した。飲食店入店する際にはワクチン接種が完了したことを示す電子証明書を呈示する必要があり、飲食店側も電子証明書の確認やテーブル間隔を空けるなどの配慮が求められる。

認められる個人スポーツは、▽ジョギング▽太極拳▽エクササイズ▽サイクリング▽釣り▽乗馬▽スケートボード▽アーチェリー▽ハイキング▽シングルテニス▽シングルバドミントン▽ゴルフ——などの屋外スポーツ、ピクニック、キャンプ。

またワクチン接種を行なっていない17歳未満の子供を連れて行くことは可能だが、厳格な標準的運用手順(SOP)を守ることが求められる。

ワクチン接種完了の定義は、▽ファイザー▽アストラゼネカ▽シノバック——の2回接種ワクチンについては2回目の接種を受けてから14日以降、ジョンソン&ジョンソン及びカンシノなどの1回接種ワクチンについては28日以降となっている。

19日時点で第1フェーズにとどまっているのは、▽セランゴール▽ネグリ・センビラン▽ジョホール▽ケダ▽マラッカ——の5州と連邦直轄地のクアラルンプール(KL)、プトラジャヤとなっている。

(星州日報、フリー・マレーシア・トゥデー、8月19日)

サブリ前副首相が過半数支持獲得か、国王が直接意思を確認

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 16日に辞任したムヒディン•ヤシン前首相の後任について、イスマイル・サブリ・ヤアコブ前副首相を推薦した下院議員が過半数を超える114人に達した模様だ。アブドラ国王は19日、推薦議員全員を王宮に呼んで直接意思確認をおこなった。午後7時時点で王宮から新首相に関する発表・コメントは出ていない。

サブリ氏を推薦したのは、前・連立与党の国民同盟(PN)の構成各党、及びPNと共闘する統一マレー国民組織(UMNO)など諸政党や無所属の議員。内訳は、サブリ氏が総裁補を務めるUMNOが37人、ムヒディン氏が党首を務める統一プリブミ党(PPBM)が31人、汎マレーシア・イスラム党(PAS)が18人、サラワク政党連合(GPS)が18人、マレーシア華人協会(MCA)が2人、マレーシア・インド人会議(MIC)、サバ団結党(PBRS)、サバ統一党(PBS)、サバ国土連帯党(STAR)がそれぞれ1人、無所属が4人となっている。

下院議会の定数は222人だが、うち2議席は議員死去のため空席となっており、過半数を獲得するには111人の支持が必要。国王との直接確認で変更が生じていなければサブリ氏が過半数を掌握することになる。国王は下院議員全員に対して、18日午後4時までに次期首相として推薦する人物名を書いた法定宣言を送付するよう求めていた。

野党側は希望同盟(PH)を率いるアンワル•イブラヒム人民正義党(PKR)党首(元副首相)を推すことで候補者一本化と前・連立与党側の議員の切り崩しを狙ったが、過半数には届かなかった。

新型コロナの感染者数は2万2948人、2日連続で過去最多を更新

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は19日、新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者数が2万2,948人となったと発表した。2日連続で過去最多を更新した。アクティブ感染者数は25万5,534人で、累計感染者数は148万9,460人となった。

州・地域別の感染者数はセランゴール州が最も多く7,175人だった。それに▽サバ州(2,583人)▽ケダ州(2,137人)▽ペナン州(1,655人)▽ジョホール州(1,526人)▽クアラルンプール(KL、1,439人)▽クランタン州(1,271人)▽ペラ州(1,229人)▽サラワク州(1,206人)▽マラッカ州(737人)▽パハン州(736人)▽トレンガヌ州(621人)▽ネグリ・センビラン州(556人)▽ペルリス州(42人)▽プトラジャヤ(26人)▽ラブアン(9人)ーーが続いた。2日連続で過去最多となる2万1,720人が新たに回復し、累計治癒者は122万446人となった。死者数は178人で、累計で1万3,480人だった。

保健省によると、18日に確認された感染者のうちカテゴリー1(無症状)が47.8%、カテゴリー2(軽度の症状)が50.3%、カテゴリー3(肺炎の症状)が0.6%、カテゴリー4(酸素吸入が必要)が0.4%、カテゴリー5(人工呼吸器を装着する必要)が0.9%だった。
また同日は新たに49カ所のクラスターを確認した。7月30日の47カ所を超えて過去最多となった。職場で30カ所、コミュニティで13カ所、残りは医療施設、高齢者施設、透析センター、拘置所でクラスターが発生した。州・地域別ではセランゴール州とクランタン州がそれぞれ10カ所で最多となった。セランゴール州では8カ所が建設会社、工場などの職場に関するクラスターが発生した。

パンデミックの長期化、早期に高齢化社会に突入する恐れ

【シャアラム】 国家人口家族開発局(LPPKN)は、新型コロナウイルス「Covid-19」感染症拡大が長期化すれば、国内の出生数の減少に伴い、想定よりも早く高齢化社会に突入すると予想している。
LPPKNのアブドル・シュクル・アブドゥラ局長によると、統計局の予測では2030年までに人口の15%が60歳以上となり、高齢化社会に突入するとされているが、新型コロナの影響で予測よりも早まる見通しだ。今年第2四半期の出生率は、前年同期と比べて4.4%低下しており、この傾向が続けば、将来的には労働力不足に陥る可能性もある。労働力不足に対応するには外国人労働者に頼る必要があるが、インド、バングラデシュ、フィリピン、ミャンマーといった労働力提供国も、2050年までには、高齢化と自国での労働力不足に直面することが予想されている。そのため、アブドル・シュクル氏は、高齢化社会に備えるためには、自国民のスキルと仕事との間のミスマッチを最小限に抑えることが重要となるが、パンデミック以降、このミスマッチが顕在化していると指摘した。
LKPPNが2018年に実施した調査は2072年に初めて人口減少が起こると予測。人口は2071年に最大の4,609万人に達するまで増加し続け、その後2072年に4,608万人に減少し始めると想定していた。しかし、パンデミックの影響で出生数が減り続ければ、より早い段階で人口減少も起こる可能性があるという。
また昨年4月にLPPKNが実施した調査では、回答者の53%が「今回のパンデミックによって出生数が増加する」と予想している反面、回答者の61%は、「妊娠を延期または再検討することを決めている」と回答。その理由としては、▽貯蓄不足(58%)▽コロナ感染への不安(34%)▽コロナにより産科治療が受けられないことへの不安(32%)ーーが挙がった。
(エッジ、ベルナマ通信、8月17日)

69.9%が政治の刷新を希望=UCSI世論調査

【クアラルンプール】 UCSI世論調査センターが13日に発表した政治に関する最新調査で、マレーシア人回答者の69.9%が現与党連合とは異なる「新たな政権を必要とする」と回答したことが分かった。
同調査は1,053人を対象に行ない、サンプリング誤差はプラスマイナス3%だった。「新政権を必要とする」と回答した人のうち、66.3%が新たな枠組みによる政権を希望すると回答。2020年2月末で崩壊した希望同盟(PH)政権を支持するとの回答は33.7%だった。
新政権に期待することについては、「対新型コロナ戦略」が46.2%と最も多く、以下、「経済再生」(28.0%)、「汚職対策」(13.6%)、「来年度予算」(10.5%)——と続いた。
「新政府を必要としない」と回答した人のうち79.1%が「少数与党でも政権が継続する」と回答、「継続しない」は20.9%にとどまった。
「新政府を必要としない」と回答した理由については、「新型コロナ対策に注力すべき」が47.9%と最も多く、これに「新政権ができても変わらない」(21.5%)、「現政権がよくやっているから」(14.2%)、「新政権樹立は経済復興を遅らせる」(12.3%)——と続いた。
調査結果についてUCSI世論調査センターは、多くの国民が新たな政治連合を望んでいることを示しているが、新政権が必要と考えている人もそうでない人も同じく新型コロナ対策に注力すべきと考えていることは興味深いと指摘。政治的不安定さは政策の先行き不透明感をもたらすため、現在のように公的福祉が優先される際には国民に望まれないと指摘した。
(マレーシアン・リザーブ、8月17日、UCSI発表資料)

次期首相、信任投票で過半数の証明が必要=国王

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 王宮は18日、アブドラ国王の名の下で布告を行い、次期首相は下院議会で過半数の支持を得ていることを証明する必要があると言明。下院議会において信任決議を実施するよう各党のトップに指示したことを明らかにした。

下院議会の定数は222人だが、議員死去にともなって現職議員は220人となっており、首相指名を受けるには111人の賛成が求められる。

アブドラ国王は新型コロナウイルス「Covid-19」感染拡大の中、解散・総選挙の実施に反対の意向を示しており、現職議員の中から人選を行なう考えを表明している。

すでに18日午後4時までに下院議員全員に首相候補名を記した法定宣言を提出するよう求めており、20日には特別統治者会議を開催し、統治者に首相人事に関して同意を求める予定だ。

アブドラ国王は17日午後、各党トップを王宮に呼んで政治危機克服に向けて各党に協力して当たること、より調和のとれた新しい形の政治の実践を呼び掛けた。これを受けた各党トップは「古い政治闘争」を止め新型コロナと経済問題に共に取り組んでいくと約束した。