向こう10年の経済成長は年率3.4%程度、フィッチが予想

【クアラルンプール】 フィッチ・ソリューションズは、過去10年間で年平均6.4%だったマレーシアの国内総生産(GDP)成長率が、新型コロナウイルス「Covid-19」の影響で向こう10年間は3.4%程度にとどまるとの予想を示した。
フィッチはさらに、希望同盟(PH)政権が倒れた後の高まる政治的不確実性が政策の継続性と改革の勢いを削ぐことになり、人口増加率の急速な頭打ちや経済活性化に向けた経済対策を行なうための財政的余地が狭まることと相まって、今後10年の低成長が予想されると指摘。「低レベルの工業化によってもたらされた経済成長路線を使い果たしたマレーシアは、中所得国の罠から逃れるために経済を改善しなければならない」とした。
フィッチは政治的不安定の中、ポピュリズムに訴える政治家が保護主義に走ることで外国直接投資(FDI)誘致競争においてベトナムなどに遅れをとることになり、時間経過とともにビジネス環境が悪化する可能性があると指摘。また最近の政治家や政党のくら替えの動きは汚職の復活のリスクを秘めており、投資家心理を悪化させることになると懸念を示した。
その上でフィッチは、マレーシア経済が輸出主導の成長から国内の個人消費主導へとリバランスが進むだろうとし、こうした経済リバランスの動きは全体的な実質GDP成長の足かせとなるが、同時に個人消費の成長が伸び海外需要ではなく国内の中産階級に対応するための投資機会を生み出すだろうとした。

(ザ・サン、10月1日、マレー・メイル、9月30日)

新型コロナ感染者は新たに260人、4カ月ぶりに200人超える

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は1日、新型コロナウイルス「Covid-19」の感染者数が前日から260人増えて1万1,484人になったと発表した。新規感染者数が200人に達するのは6月4日以来、およそ4カ月ぶり。
新規感染者のうち259人が国内感染者で、残り1人は海外で感染した帰国者だった。新たに47人が退院し治癒者数は1万14人に増加した。死者数はゼロで136人を維持した。
1人の感染者が平均何人に感染させるかを示す実効再生産数(RT)について保健省のノール・ヒシャム事務次官は、セランゴール州で1.95に達し、サバ州の1.29を超えたと言明。標準的運用手順(SOP)を順守しなげれば、RTが上昇する可能性があると強調した。RTは1未満であれば感染収束の可能性が高く、2を超える場合は感染数が倍増する可能性を示す。
またノール事務次官は9月30日、同日に確認された国内感染者86人のうち25人が東マレーシアへの旅行歴があったと明らかにした。これらの感染者はセランゴール州で5人、サラワク州、トレンガヌ州、クアラルンプール(KL)でそれぞれ3人、ケダ州、パハン州、ペルリス州でそれぞれ2人と、ジョホール州、ネグリ・センビラン州、ペラ州、ペナン州、ラブアンでそれぞれ1人確認された。

感染者急増のサバ州、地区間の移動を14日間禁止

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 イスマイル・サブリ・ヤアコブ上級相(兼国防相)は1日、新型コロナウイルス「Covid-19」感染が急速に拡大しているサバ州について、同州内の地区間移動を3日午前零時から16日まで14日間禁止にすると発表した。
サバ州の地区間移動禁止措置は同日の特別閣議で決定された。食料、医薬品、治安維持など必須サービスについては地区を跨いだ移動が認められる。州内州外に関わらず、隔離期間中の人が隔離を終えて州内の自宅に戻ることは認められる。
また9月28日に発表された4地区(ラハドダトゥ、タワウ、クナック、センポルナ)の強化行動制限令(TEMCO)指定はそのまま有効となる。9月29日から10月12日までの2週間、指定地域住民は域外に出ることはできず、外部からの立ち入りも禁止される。必需品とサービスを除いて、すべての経済活動は停止となる。指定地域には医療拠点が開設される。
サバ州の新規感染者数は南部を中心に拡大をみせており、9月27日が124人、9月28日が98人、9月29日が73人、9月30日が35人となっている。同州訪問者が感染を再拡大させたとみられるクラスターがセランゴール州などで発生するなど新たな火種となっている。

リンギは中期的にやや値上がり、フィッチ見解

【ペタリンジャヤ】 格付け会社フィッチグループのフィッチ・ソリューションズは、対米ドルでリンギは中期的に値上がりするとの見解を示した。
6月以降、リンギは値上がりし、今年のこれまでの平均相場は1米ドル=4.236リンギになった。しかしドルが売られすぎた感があり、短期的にリンギはやや値下がりする見通しだという。
一部の先進国・途上国における新型コロナウイルスの感染再発、米国大統領選で予想される混乱からリスク回避の動きが出て、資金が新興国通貨から安全資産に流れる可能性がある。一方で原油価格は安定的に推移する見通しで、短期的にリンギが急落することはない。政策金利(現行1.75%)の年内再引き下げはないと見込まれるという。
こうした事情からフィッチは、今年の平均相場予想を1米ドル=4.3リンギから4.25リンギに、来年の予想を1米ドル=4.2リンギから4.15リンギに修正した。
(ザ・サン、9月30日)

NECがKLに新オフィス、エクスペリエンスセンターを併設

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 日本電気(NEC、本社・東京都港区)のマレーシア法人、NECコーポレーション・オブ・マレーシア(NECマレーシア)は9月29日、マレーシアにおけるデジタルエコノミーの促進を図り、クアラルンプール(KL)に新オフィスを開所したと発表した。
新オフィスに、NECの生体認証技術や人工知能(AI)、モノのインターネット(IoT)、非接触(タッチレス)技術などの最新の技術に触れることができる、「カスタマー・エクスペリエンス・センター」を併設した。また旧オフィスに比べ面積も広くなった。
NECは、公共部門と民間部門の組織や会社が、最新技術を体験することで、新型コロナウイルス「Covid-19」の流行により混乱したデジタル変革計画が実行できるようになると見込んでいる。
同社はサンウェイ・イスカンダルにあるアジア太平洋地域向けのマネージドサービス提供拠点、コールセンターにもなっている「センター・オブ・エクセレンス」と共に、今後もマレーシアと人々に恩恵をもたらすソリューションを提供していく方針だ。
◾️国内の空港23カ所に新型コロナ対策システムを設置へ◾️
NECマレーシアは、マレーシアの空港23カ所において新型コロナの感染対策として、顔検出技術やサーマルカメラを組み合わせたシステムを設置を進めている。マレーシア・エアポーツ(MAHB)が実施した入札で受注したもので、11月までにカメラの設置を行う。

今年のGDP成長予想、世銀がマイナス4.9%に下方修正

【クアラルンプール】 世界銀行は9月29日、マレーシアの2020年通年の実質国内総生産(GDP)について4.9%の大幅なマイナス成長と予想。従来予想のマイナス3.1%を下方修正した。
2020年10月版「東アジア太平洋経済アップデート」の中で世銀は、第2四半期に17.1%と大幅なマイナス成長になった要因として、新型コロナウイルス「Covid-19」拡大を防止するために発令された行動制限令(MCO)による内需の減少と外的要因を指摘。「一部の州で最近MCOが再開されたことに示されているように、全国的に規制措置が強化されるリスクがある」とした上で、「経済成長見通しに対するリスクは確実に下振れしている。予想以上に長引くとみられる世界的な景気回復は投資決定を妨げ、外需をさらに抑制する可能性がある」とした。
世銀は、「加えて失業率上昇や労働市場の弱さは、引き続き個人消費を圧迫するだろう」とし「これらの動向を反映して、ほとんどの需要要素(純輸出、個人消費、民間投資)は2020年に縮小すると予想される」とした。
一方、JPモルガンは、今年については経済活動の再開及び政府の景気対策が下支えするとして、マイナス5.8%と従来予想のマイナス7.7%を上方修正。輸出が例年並みに回復しているとしてきた。なお来年についてはプラス7.7%とし、今年の予想の上方修正を反映して従来予想のプラス8.8%を下方修正した。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、9月30日、エッジ、9月29日)

新型コロナ感染者が新たに89人、うち86人は国内感染

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は9月30日、新型コロナウイルス「Covid-19」の感染者数が前日から89人増えて1万1,224人になったと発表した。
新規感染者のうち86人が国内感染者で、残り3人は海外で感染した帰国者だった。新たに28人が退院し治癒者数は9,967人に増加した。死者数は2人増えてで136人になった。
保健省のノール・ヒシャム事務次官によるとマレーシア半島における感染者数が増加は、サバ州への旅行者が関連しており、9月20日以降にマレーシア半島で検出された感染者の63人はサバ州への旅行歴があった。
「NUセントラルモール」、「KLゲートウェイモール」、「サンウェイ・ピラミッドモール」、「スリアKLCC」などクランバレーのショッピングモールで感染者が検出されていることについては、保健省は施設閉鎖の必要はないとの考えで、これらの施設へ消毒を行うよう推奨しているという。
1人の感染者から何人に感染が広がるかを示す基本再生産数(R0、R nought)に関しては、制御下であることを示す1.6を下回る1.39に止まっている。感染が拡大するサバ州のR0は1.42。

期限切れ国際免許使用特例を今後も継続=日本大使館

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 有効期限切れ国際運転免許で運転できる特例措置が9月末で切れることを受け、在マレーシア日本大使館は9月30日、行動制限令(MCO、復興のための行動制限令=RMCOも含む)中の運転特例を継続して認める旨の回答がマレーシア運輸省よりあったと明らかにした。

 マレーシア政府は、新型コロナウイルス「Covid-19」拡大抑制のためにMCOが発令された3月18日以降に有効期限が切れた運転免許証による自動車の運転を認める特例を発表していたが、8月28日、「8月31日付けで特例を廃止し、9月30日までに運転免許証の更新を行う必要がある」と発表していた。
しかし9月30日までの免許更新が困難な邦人が多いことから、岡浩大使がマレーシア運輸次官へ書簡で申し入れたところ、引き続き運転できるとの回答が書面であったという。ただしMCO(RMCO含む)が解除されてから30日以内に国際運転免許証を更新しなければならない。

信用取引の証拠金不足、救済措置を年末まで延長

【クアラルンプール】 株式の信用取引に関し、証拠金不足が生じた場合の特別救済措置が今年末まで延長実施される。
同措置は3月27日に導入され、9月30日に打ち切りの予定だったが、マレーシア証券委員会とブルサ・マレーシア(マレーシア証券取引所)の共同声明によると、市場の安定を優先し延長を決めた。
通常は、投資家が追加証拠金を納入できず、委託証拠金100に対し建玉が130を下回った場合、信用を供与している証券会社は強制的に建玉を決済しなければならない。
特別救済措置では、強制決済を行うかは証券会社の裁量に委ねられ、債券、投資信託、金(きん)、不動産も証拠金として受け入れることができる。
救済措置を行うには、証券会社は自己資本比率と株主資本の要件を満たしていなければならない。
ある証券会社社員は、救済措置は強制決済が多数発生した3月事件の再発防止が狙いとコメントした。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、9月29日、エッジ、9月28日)

エアアジア、数百人規模の整理解雇を再度実施へ

【クアラルンプール】 格安航空のエアアジアは、新型コロナウイルス「Covid-19」大流行によって大きな打撃を受けた業界で生き残るために、再び数百人規模の整理解雇を実施する模様だ。情報筋の話として「ベルナマ通信」が報じた。
関係者によると、エアアジアのリアド・アスマット最高経営責任者(CEO)は27日に行われた社内ミーティングで、現在の状況について非常に困難な問題に直面しており、現在の状態を維持することが出来ないと説明。多くの従業員を維持しビジネスを継続させるために最善を尽くしているとした上で、やむを得ず人員を削減する決断に至ったとした。
詳細は発表されていないが、対象となる従業員は72時間以内に通知を受けるという。解雇者は、医療給付、年末まで使用できるフライトクーポン、カウンセリングなどの支援を受けることができ、また経営状況が回復した際に再雇用のオファーを受けることができる。被解雇者の給与削減はないという。
また情報筋によると姉妹会社のエアアジア・エックス(AAX)でも整理解雇が検討されている。AAXのベンヤミン・イスマイルCEOは先ごろ、10月末までに「ラストイン、ファーストアウト(後入先出)」に基いて数百人の人員削減を実施すると発表した。またAAXでは、一部の従業員を対象とした6カ月間または状況が改善するまでの無給休暇取得や、基本給の全面的な見直しを実施する予定だという。
エアアジア・グループは6月初めに、250人以上の人員を削減している。
(ザ・スター、9月29日、ベルナマ通信、9月28日)