レギュラーガソリン補助金割当量、月200リットルで当面維持

【クアラルンプール】 ムハンマド・カミル財務大臣政務秘書官は、世界的な石油供給危機の中、補助金制度「ブディ・マダニRON95(BUDI95)」が適用されるレギュラーガソリン「RON95」の月間割り当て量を当面200リットルで維持する方針だと明らかにした。

ムハンマド・カミル氏はベルナマTVの番組の中で、「すべての決定は現時点における需要と国の経済力に基づき、国家経済行動評議会の週例会議で協議される」と説明。「石油供給を含めたより広範な状況を考慮する必要がある。状況はコントロール下にあるが政府は動向を注視している」とした上で、「石油供給源も多様化しており、中東諸国からの供給だけに頼っているわけではない」と述べた。

政府は、中東紛争を受け、2026年4月1日からBUDI95の割り当て量を月300リットルから200リットルに一時的に引き下げた一方、補助金価格は1リットルあたり1.99リンギに据え置いた。

ムハンマド・カミル氏は、世界銀行がRON95の補助金価格を1リットルあたり2.05リンギに改定するよう提案しているが、政府は燃料補助金の維持に引き続き取り組んでいると強調。「当初は反対意見もあったが補助金の調整は順調に進み、漏洩を大幅に削減することができた」 と述べた。
(マレーシアン・リザーブ、エッジ、ベルナマ通信、4月27日)

アンワル首相が10月までの総選挙実施を検討か=ブルームバーグ

【クアラルンプール】 2028年初頭に任期満了を迎えるアンワル・イブラヒム首相は、政府が政治的にデリケートな燃料補助金削減の実施を検討していることに関連し、実施前の今年第3四半期中の総選挙前倒しを検討している。関係者からの情報としてブルームバーグが報じた。

匿名の関係者は政府が補助金のさらなる削減の前倒し実施を余儀なくされない限り、10月までに総選挙の実施を検討している。ただ検討はまだ初期段階であり、最終決定は下されていないという。首相府と財務省はコメントに応じなかった。

関係者によると、政府はイラン紛争の影響で世界のエネルギー価格が高止まりすると予想し、早ければ今年後半にも補助金のより的を絞った運用に着手する準備を進めているという。実施されれば政府の財政負担を軽減するため、高所得者層向けの燃料価格の値上げにつながる可能性が高い。

マレーシアでは燃料価格が極めて大きな政治的影響力を持っている数十年にわたる補助金によってガソリン価格の安さが国民の当然の期待となっており、補助金の削減は有権者の反発を招く恐れがある。

地政学コンサルティング会社ビューファインダー・グローバル・アフェアーズの創設者、アディブ・ザルカプリ氏は、「政府が補助金付き燃料価格の値上げを余儀なくされる前に議会を解散するのが最善のタイミングだ」と述べ、「燃料価格の値上げのような難しい決断は、政府が新たな信任を得てから行うことができる」とした。

関係者によると、アンワル氏は戦争が始まる前から、堅調な経済、リンギ高、そして昨年ASEAN首脳会議を主催したことで国際的に高まった自身の存在感を背景に、年内の総選挙実施を検討していたという。アンワル首相に対抗できる指導者がいないマレーシアの野党連合内の分裂も、アンワル氏に早期選挙実施への自信を強めさせている。早期選挙を求める動きの背景にはまた、今後12カ月以内に予定されている一部の州議会選挙と総選挙とを同時実施する計画があるという。
(ブルームバーグ、ビジネス・トゥデー、エッジ、4月24日)

国家経済行動評議会、サプライチェーンと国内産業保護策を承認

【クアラルンプール】 国家経済行動評議会(MTEN)は、世界的な供給危機の中、サプライチェーンと国内産業の継続性を確保するため、▽物流円滑化▽リスク軽減▽市場拡大――の3つの提案を承認した。製造業支援と投資促進を図る。

アクマル・ナスルラ―・モハマド・ナシル経済相は21日に行われた世界的な供給危機に関する定例ブリーフィングで、これらはMTEN危機管理タスクフォース、マレーシア投資貿易産業省(MITI)、マレーシア観光芸術文化省(MOTAC)が提示した複数の戦略的緩和策の一部であると述べた。

アクマル氏はまた、政府は影響を受けた産業が利用可能な国内供給源を評価するとともに、国家戦略上のニーズと相互補完的な貿易原則に基づいた二国間交渉を強化していると言明。「製造業においてはバリューチェーンを混乱させている主要原材料不足に関する苦情が寄せられている。主な課題として挙げられているのは短期的に代替供給源を確保することの難しさ、そして輸出国からの制限や制約のリスクだ」と述べた。

その上でアクマル氏は、オーストラリアとの協力は、マレーシアの肥料生産に必要なリン酸塩や、オーストラリアのマレーシア産尿素の需要など、エネルギーと農業資材の安定供給を確保することに重点を置いていると述べ、安定したエネルギー供給フローの維持に向けた共通の取り組みを強調した。

また中国との協力では、重要な医療機器の国内生産を支援するため、樹脂とナフサの供給を増やすための戦略的措置に重点を置いていると述べた。
(ベルナマ通信、エッジ、ザ・スター電子版、4月21日)

補助金なし燃料価格が軒並み値下げ、原油価格の下落受け

【クアラルンプール】 財務省は22日、23―29日までの1週間の燃料小売価格を発表。レギュラーガソリン「RON95」の補助金なし価格は、前週の1リットル当たり4.02リンギから15セン安の3.87リンギになった。

燃料補助金制度「ブディ・マダニ」適用外のハイオクガソリン「RON97」の価格も、前週の5.10リンギから25セン引き下げられ4.85リンギとなった。

半島部のディーゼルの小売価格については、「ユーロ5 B10」および「B20」は5.97リンギから85セン値下げされ5.12リンギとなった。「ユーロ5 B7」ディーゼルは5.32リンギとする。

「RON95」の補助金付き価格は1.99リンギ、サバ州、サラワク州、ラブアンにおけるディーゼル燃料の小売価格は2.15リンギでそれぞれ据え置く。

財務省は、価格引き下げは世界的な原油価格の下落を受けたものだとした上で、ただ依然として高水準にあると指摘。「世界的な原油価格は下落しているものの、エネルギー市場の不確実性は依然として残っており、供給の完全な回復はすぐには実現しないだろう。また、西アジアの生産施設では混乱が生じており、世界的なサプライチェーンの安定化には時間が必要だ」と述べた。
(ポールタン、ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、フリー・マレーシア・トゥデー、マレー・メイル、4月22日)

現行の燃料補助金政策の変更はない=ファディラ副首相

【クアラルンプール】 ファディラ・ユソフ副首相は21日にベルナマ・ラジオの独占インタビューに応じ、中東における地政学的緊張が高まっているものの現行の燃料補助金政策を急に変更するつもりはないと言明。いかなる政策決定も性急な措置ではなく、包括的なデータ分析に基づいて行われると述べた。

ファディラ氏は、西アジアにおける紛争が1―2年間続く可能性があると認識しているが、いかなる措置もマレーシア国民の大多数の安全を守ることを最優先事項とすると強調。「エネルギー供給の安定、国民の安全確保、経済成長の継続、そして産業界が必要とする支援の確保に必要な措置を決定するためには、データに依拠しなければならない」と述べた。

その上でファディラ氏は、月々の補助金支出が60億―70億リンギに達しているものの、政府は経済計画を遅滞させることなく国民への支援を継続していくと言明。レギュラーガソリン「RON95」とサバ州とサラワク州におけるディーゼル燃料への補助金を含む既存の補助金政策は、生活費の急激な上昇が国民の負担とならないよう最新データに基づいて維持される」と述べた。

また中東危機が3年続く場合については、ホルムズ海峡に関連するサプライチェーンの混乱を受けて、政府が最悪のシナリオに備えていると強調。国営石油会社ペトロナスはアジア太平洋、オーストラリア、南米、アフリカからの代替供給源確保に向けた積極的な措置を講じる一方、補助金付き燃料の密輸出を阻止するため、国境での取り締まりを強化していると述べた。
(フリー・マレーシア・トゥデー、マレーシアン・リザーブ、ポールタン、ベルナマ通信、4月21日)

中小零細企業支援、融資保証を80%に引き上げ

【クアラルンプール】 アンワル・イブラヒム首相は20日、エネルギー危機の影響を受けた中小零細企業を支援するための複数の措置を発表した。経費上昇に苦しむ事業者からの意見を取り入れたもので、「政府は産業界の要望に直ちに行動し、あらゆる支援がそれを必要とするものに届くようにする」と強調した。

政府は事業融資保証会社に50億リンギを追加注入し、建設、農業、農林水産・食品、物流、観光業などを支援する。保証限度を80%(従来は70%)に引き上げ、保証期間も10年(同7年)にする。保証会社は民間金融機関と協力して融資組み換えもサポートする。

年商100万―500万リンギの企業に対するデジタルインボイス義務化を2027年末まで1年延期し、この間、月次でまとめて内国歳入庁へ提出する一括申請を容認する。

マレーシアから持ち出されたものの、中東紛争のためマレーシアに持ち帰ることになった国産輸出品に対する輸入税と売上税の免除も検討する。
(マレーシアン・リザーブ、ビジネス・トゥデー、エッジ、マレー・メイル、4月20日)

ペトロナスがロシアと石油供給で交渉の可能性=アンワル首相

【コタバル】 アンワル・イブラヒム首相は、国内消費を賄うために十分な量の石油を確保するための措置として、国営石油会社ペトロリアム・ナショナル(ペトロナス)がロシアと石油供給について交渉する可能性があると明らかにした

アンワル首相は、かつて米国とともにロシアに様々な制裁を課していた多くの欧州諸国が競い合って再びロシアからの石油供給確保を狙っており、マレーシアもこの路線をとることは可能だと言明。「幸いにもマレーシアとロシアの関係は良好に保たれている。ペトロナスのチームがロシアと交渉することは可能だ」と述べた。

その上でアンワル首相は、政府の早期の外交努力により、マレーシアの石油タンカーがここ数週間、ホルムズ海峡の重要な航路をいち早く通過できたと強調。これにより国内のエネルギー供給網への大きな混乱を回避できたと述べた。

マレーシアのタンカーでは、ペトロナス傘下のペトコがチャーターした石油タンカー「オーシャン・サンダー」が17日、イラクのバスラから100万バレルの原油を積んでペンゲラン統合コンプレックスに無事到着した。同施設は国内で唯一精製が可能な施設であるため極めて重要だという。
(ザ・スター電子版、フリー・マレーシア・トゥデー、マレー・メイル、ベルナマ通信、4月18日)

補助金なし「RON95」が4.02リンギに引き下げ、16日から

【クアラルンプール】 財務省は15日、16―22日までの1週間の燃料小売価格を発表。レギュラーガソリン「RON95」の補助金なし価格は、前週の1リットル当たり4.27リンギから25セン安の4.02リンギになった。

燃料補助金制度「ブディ・マダニ」適用外のハイオクガソリン「RON97」の価格も、前週の5.35リンギから25セン引き下げられ5.10リンギとなった。

半島部のディーゼルの小売価格については、「ユーロ5 B10」および「B20」は75セン値下げされ5.97リンギとなった。「ユーロ5 B7」ディーゼルは1リットルあたり6.72リンギから6.17リンギに70セン引き下げられる。

「RON95」の補助金付き価格は1.99リンギ、サバ州、サラワク州、ラブアンにおけるディーゼル燃料の小売価格は2.15リンギでそれぞれ据え置く。

米イランの紛争は7週目に突入し、先週は停戦や緊張緩和を巡る観測が広がる中、ブレント原油価格は落ち着きを見せた。今回全燃料で引き下げになったことについて、財務省は今回の価格調整はそうした国際市場価格の下落に対応したものとしている。
(フリー・マレーシア・トゥデー、エッジ、ポールタン、4月15日)

首都鉄道で相次ぐ運行トラブル、運輸省がプラサラナに改善指示

【プトラジャヤ】 首都圏の各鉄道路線で運行トラブルが相次いでいることを受け、アンソニー・ローク運輸相は技術的問題の解決を優先するよう運輸省が公共輸送機関を管轄するプラサラナ・マレーシアに指示したことを明らかにした。

鉄道利用促進キャンペーンに関する記者会見の中でローク氏は、ここ数週間で発生した鉄道の運行トラブルは公共交通機関の利用促進を目指す政府の取り組みを阻害するものであり、消費者の信頼を損なうものだと言明。「ほぼ毎週のように運行障害が発生していることに私自身、苛立ちを感じている」と怒りをにじませた。その上で「鉄道の安全性と信頼性を向上させるため、保守とシステム監視のレベルを高めるよう指示した」と述べた。

ローク氏によると、発生した運行トラブルは主に、信号システムや分岐器などの重要な部品の故障といった予期せぬ技術的問題によるもので、13日に発生した軽便鉄道(LRT)ケラナジャヤ線のトラブルはユニバーシティ駅の分岐器の故障が原因だった。ケラナジャヤ線では断食月にトラブルが頻発し、運輸省は公共陸運局(APAD)に調査を指示していた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、ビジネス・トゥデー、マレーシアン・リザーブ、ベルナマ通信、4月14日)

国家経済行動評議会、エネルギー危機への対応方針を策定

【クアラルンプール】 アンワル・イブラヒム首相は14日付けのX(旧ツイッター)上の投稿で、深刻化の一途をたどり長期化が予想される世界的なエネルギー危機への対応について、国家経済行動評議会(NEAC)が明確な方向性を定めたと述べた。

国民の日常生活への影響を最小限に抑えるため、エネルギーと生活必需品の安定供給を確保することを最重要課題とする。国民の福祉を守ることを最優先事項とし、「規律と現実主義」を堅持する。

エネルギー危機への対応は国営石油会社、ペトロリアム・ナショナル(ペトロナス)の役割と、今後数カ月間の供給確保に向けた早期計画によって推進される。同時に水田農家、小規模農家、自家用車所有者へのディーゼル燃料補助金の増額支援を通じて、コスト上昇を緩和するための対策を強化する。

アンワル首相は、15日から公務員の在宅勤務を実施するなど、エネルギー効率化を通じて需要管理も改善していくと言明。国の燃料供給を脅かす可能性のある漏洩や密輸に対処するための「ティリス」摘発作戦を強化していると述べた。

その上でアンワル首相は、「中長期的には不安定な輸入燃料への依存度を低減する措置として、再生可能エネルギー源への移行に向けた取り組みを加速させている」とし、バイオディーゼルにおけるバイオ燃料の混合比率引き上げに取り組んでいくと述べた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、マレーシアン・リザーブ、ベルナマ通信、4月14日)