首都圏公立病院の病床利用率、85%に到達

【クアラルンプール】 新型コロナウイルス「Covid-19」感染者数増加により、首都圏クランバレーの公立病院の現在の病床使用率は85%に達している。アダム・ババ保健相が明らかにした。病床増加や人員再配置などの緊急措置により対応する。
具体的には、クアラルンプール病院(HKL)でコロナ以外の患者を民間病院へ転院させ、より多くのコロナ患者を受け入れられるようにする。マレーシア国民大学小児専門病院、マレーシア・プトラ大学病院、マラ工科大学病院などの病院では、コロナ患者に対応できるよう、人工呼吸器などの設備を有する病床を増やす。
人員については、他の州から医療専門家や救急隊員などの医療従事者を一時的に首都圏に再配置する。ワクチン接種センター(PPV)に配属されている経験豊富な看護師を病院に配置転換し、その代わりにボランティアや実習中の看護学生を医療従事者支援のためにPPVに配置する。
HKLが受け入れたコロナ全患者のうち、71%がカテゴリー3から5にあたる重症患者だった。カテゴリー3は肺感染症状のある患者、カテゴリー4は酸素補給が必要な患者、カテゴリー5は多臓器不全の重症患者でICUでの治療が必要。最新のデータによると、HKLの救急部門では、毎日60-70人のコロナ患者を受け入れており、人工呼吸器が必要なカテゴリー4および5の患者が1日平均3人いるという。
ワクチン接種数も1日平均接種数25万本から30万本まで引き上げ、病院にかかる負担を軽減する。
(フリー・マレーシア・トゥデー、エッジ、7月4日)

ワクチン接種率、1週間で5.8%から7.3%に上昇

【クアラルンプール】 マレーシアでは7月1日現在、総人口の7.3%が新型コロナウイルス「Covid-19」ワクチンの2回接種を完了した。1週間前の5.8%から1.5ポイント上昇した。
接種回数は、6月25日から7月1日までの1週間で131万回。前週(6月18日-24日)の153万回に比べて減少した。1日あたり接種数が最も多かったのは7月1日の26万3,012回。政府はこれまで7月中に1日あたり20万回、8月中に1日あたり30万回の接種を目標としていた。
7月1日時点で、累計835万回分のワクチン接種が完了しており、内訳としては1回目接種が595万回、2回目接種が239万回。人口の約18.2%が1回目の接種を受け、7.3%が2回目まで接種完了したことになる。
州別では、最も多くの1回目接種を行なっているのがサラワク州で、112万回(人口の39.6%)。次いでクアラルンプールが106万回(人口の59.5%)。2回目接種回数は、セランゴール州が最も多く、31万8,774回(人口の4.9%)、次いでジョホール州の25万6,096回(人口の6.8%)。
他の東南アジア諸国との比較では、シンガポールが人口570万人に対し36.70%と最も高く、▽カンボジア(人口1,695万人に対し18.50%)▽マレーシア(人口3,278万人に対し7.30%)▽インドネシア(人口2億7,636万人に対し5.10%)——が続いている。
■感染者数は増加傾向だが、死者数は減少■
6月26日から7月2日までの1週間の数字で見ると、新規感染者数は4万3,290人(6月19日から25日までの1週間では3万7,445人)。州別ではセランゴール州が最多で1万7,236人。1日あたりの新規感染者数が最も多かったのは7月1日で6,988人。アクティブ感染者数は、前週の6万117人から増加し、6万6,084人。新たに回復したのは3万6,799人で回復率は90.7%。死者数は524人で、前週の527人から減少。死者数が最も多かったのは、6月29日で107人。
保健省によると、1人の感染者が何人に感染を広げる可能性があるかを示す「基本再生産数(R0)」は現在1.06。今年の最高R0は5月23日の1.21だった。
(エッジ、7月2日)

 

新型コロナの1日あたり感染者、7月前半に6千人超が続く恐れ

【クアラルンプール】 保健省のノール・ヒシャム事務次官は、全国の新型コロナウイルス「Covid-19」感染者の基本再生産数(R0)が6月30日時点で1.05に上昇したと発表した。

同氏は、感染症流行の数理モデルである「SEIRモデル」をツイッターに投稿。感染者数が減少傾向から上昇に転じ、7月前半には1日あたり6千人超えが続く恐れがあることを示した。さらに、今後国民のコンプライアンス違反が続き、R0が1.2まで上昇した場合、新規感染者数は7千人の大台を突破する可能性があるという。 全国のR0値は、6月26日(0.97)以降、6月27日に0.99、6月28日に1.00、6月29日に1.04、6月30日に1.05と上昇を続けている。R0が最も高かったのはパハン州で1.19、それに▽プトラジャヤ(1.09)▽マラッカ州(1.09)▽ペラ州(1.08)▽クアラルンプール(1.07)▽ネグリ・センビラン州(1.06)▽セランゴール州(1.05)——が続いている。
6月30日の新規感染者数は6,276人で、2日連続で6千人台。新規感染者数が5日連続で回復者数を上回っているため、アクティブ感染者数も増加し、6万4,129人となっている。
現在の完全ロックダウンである国家復興計画第1フェーズから第2フェーズに移行するための指標は▽新規感染者数が1日平均4千人以下になること▽ICU稼働率を中程度に下げるなど公共衛生システムの危機的状況から脱すること▽総人口の10%のワクチン接種完了——となっている。
(エッジ、6月30日)

新型コロナ、工場での感染者は全体の10%以下=通産省

【クアラルンプール】 通産省(MITI)は、6月1ー23日までに出た新型コロナウィルス「Covid-19」の新規感染者数(13万8,649人)のうち9.3%となる1万2,872人が製造業関連のクラスターだったと明らかにした。64.1%が外国人労働者だった。
完全ロックダウン中でも工場で稼働を続けていることが感染者の増加に繋がっているとして、国民から工場を閉鎖するべきとの声が上がっていることを受けて、MITIは28日、声明を発表した。
MITIが管理する新型コロナウイルスの情報マネジメント・システム(CIMS)によると、6月1ー23日に新たに発生したクラスターは502カ所で、うち328カ所が職場関連のクラスターだった。うち174カ所が製造業で、MITIが稼働を許可している11万7,236カ所の事業者の占める割合は0.15%であるという。製造業以外では、120カ所が職場の敷地内、54カ所がホテルで発生した。
6月23日の新規感染者数は5,244人で、新たに25カ所のクラスターが発生。うち15カ所が職場で発生した。製造業で発生したクラスターは6カ所で、感染者は130人だった。
MITIは製造業が関連する感染者は全体のわずか2.5%にしか過ぎないと説明。企業の協力もあり職場で発生する感染は減少しているが、就業時間外の移動などで未だに感染者が出ているとした。今後も感染者を増やさないために政府も取り組みを実施すると強調企業に対しても引き続き積極的な対策を実施するように呼びかけた
(マレー・メイル、6月28日)

ワクチン接種進む中、職場でのクラスターは増加傾向

【ペタリンジャヤ=マレーシアBIZナビ】 新型コロナウイルス「Covid-19」のワクチン接種が行われているものの、職場におけるクラスター数が増加傾向にあり、封じ込め措置が効果がないとして、怒りの声があがっている。ニュースポータル「フリー・マレーシア・トゥデー」が報じた。

毎日確認されるクラスターのうち、職場は大部分を占めている。新規感染者数は5,000人台に減少したが、死亡者数は依然として多く出ており、死亡者数は累計で5,000人を超えた。1人の患者が何人に感染を広げる可能性があるかを指す基本再生産数(R0)は、過去1週間0.97を維持した。

保健省のノール・ヒシャム事務次官は先ごろ、首都圏クランバレーでは依然、新型コロナウイルスの散発的発生が増加していると指摘。散発的感染と確認された者のほとんどは感染の症状を示しておらず周囲の人々に無意識に感染症を広げる可能性があるとして標準的運用手順(SOP)の順守を呼びかけた。

ワクチンの投与回数は26日時点で722万6,949回となり、700万回を超えた。1回目の接種を終えたのは520万4,993人、率にして15.9%。2回目は202万1,956人で、6.2%となっている。最も多く新規感染者数を出し続けているセランゴール州では、1回目が接種率が12.6%、2回目が4.1%にとどまっている。首都のクアラルンプールは1回目が51.2%、2回目が9.6%と国の平均を上回っている 。

3度目のワクチン接種必要かを調査=接種調整相

【クアラルンプール】 カイリー・ジャマルディン科学技術革新相(ワクチン接種調整担当)は26日、妊婦向けワクチン接種センターが整備されたマレーシア国際貿易展示センター(MITEC)を視察した際の記者会見で、コロナウイルス「Covid-19」ワクチンがインド発のデルタ変異株に対しどの程度効果があるかの調査を始め、3度目の接種が必要かを研究すると表明した。

工業先進国では3度目の接種の必要性の検討を開始しており、来年分のワクチンの調達に乗り出しているという。

カイリー氏は「来年のことだが、ウイルス予防効果がどのくらい継続するのか、3度目の接種が必要か、必要ならどの時点で開始すべきかに関するデータを集める」と述べた。必要と判断されれば来年のワクチン調達に向けた交渉を開始する 。

政府は妊婦を優先接種の対象にしており、これまでにアプリを利用し約11万人の妊婦が接種を受けるため登録した。

(マレー・メイル、ベルナマ通信、6月26日)

外国人家事労働者の新規受け入れ、年内は困難=人資相

【クアラルンプール】 現在ストップしている外国人家事労働者の新規雇用について、M.サラバナン人的資源相は、年末まで再開はないとの見通しを示した。

サラバナン氏は新型コロナウイルス「Covid-19」抑制に向けて断続的に発令されている行動制限令(MCO)によって新規の家事労働者不足が問題となっていることを認めた上で、5月に主な家事労働者の供給元であるインドネシアのアイダ・ファウジヤ労働相と行なったバーチャル会談で、出来るだけ早期の再開に向けた覚書署名について話し合ったことを公表した。

その上でサラバナン氏は、ジャカルタでのロックダウンを受けて同国との交渉が延期されており、インドネシア労働省職員からも感染者が出ていることから交渉再開はロックダウン終了後になる見込みだと言明した。

サラバナン氏によると、今年2月のムヒディン・ヤシン首相のインドネシア訪問の際、ジョコ・ウィドド大統領との会談で、覚書の早期締結に向けて合意した。マレーシアの外国人家事労働者の大部分はインドネシア人で、今年2月28日時点で7万3,173人に上っている。

(フリー・マレーシア・トゥデー、6月24日)

KLとプトラジャヤ、8月までの集団免疫獲得が可能

【クアラルンプール】 アヌアル・ムサ連邦直轄地相は、クアラルンプール(KL)とプトラジャヤでは8月までに人口の89%にワクチンを接種し、集団免疫を獲得することが可能だと述べた 。

6月21日時点で、KLとプトラジャヤのワクチン接種登録率は100%に到達。KLでは、登録者の56.16%が1回目の接種済で、10.82%が2回目の接種まで完了。プトラジャヤでは、50.34%が1回目の接種済、30.81%が2回目の接種まで完了している。

同氏によると、7月にKL、プトラジャヤ、ラブアンで6,000人以上のフード配達員および7,000人以上の商業従事者にワクチンを接種する。配達員は一般的に20代の若者が多いが、感染状況を問わず、さまざまな地域に足を踏み入れる必要があるため、顧客の安全性も考慮した上で優先する。

さらに同氏は、連邦直轄地内のホテル、工場、住宅など、すべての建物の所有者を対象に、固定資産税の5—10%の払い戻しを行なうと発表した。払い戻し率の詳細については後日別途発表する。固定資産税については現状、12月まで納税が猶予されており、分割払いも認められているが、追加での措置となる。

(ベルナマ通信、6月24日)

首都圏における感染の散発的発生、保健事務次官が警鐘

【クアラルンプール】保健省のノール・ヒシャム事務次官は21日、首都圏クランバレーでは依然、新型コロナウイルスの散発的発生が増加していると警鐘を鳴らした

今年、感染検査で陽性反応を示した人は57万8,105人(6月19日までの統計)で、クラスター(共通の感染源を持つ5人以上の感染者集団)と無関係の散発的発生は69%に当たる39万8,846人だった。うち38%に当たる約15万人がセランゴール州居住者、11.2%がクアラルンプール居住者。

6月13ー19日の1週間でも散発的発生の陽性反応者が最多だったのはクランバレーで、地域別ではペタリン、フル・ランガット、クランが多い。

ノール・ヒシャム氏によれば、散発的感染と確認された者のほとんどは感染の症状を示していなかった。

(マレー・メイル、6月21日)

1日あたりワクチン接種回数が20万回を突破

【クアラルンプール】 ワクチン供給アクセス保証特別委員会(JKJAV)が発表した最新のデータによると、6月15日の新型コロナウイルス「Covid-19」接種回数は21万5,876回だった。1日の接種回数が初めて20万回を突破した。

内訳としては、16万226人が1回目、5万5,650人が2回目の接種を受けた。7日間移動平均は15万9,141回、累計では490万回の接種を完了。147万人が2回接種を完了済で、197万人が1回のみ接種となっている。

1回目の接種を受けた人数は、クアラルンプールが最も多く59万7,419人だった。それに▽セランゴール州(51万5,132人)▽サラワク州(39万281人)▽ジョホール州(32万2,644人)▽サバ州(26万7,001人)ーーが続いた。

2回目の接種を完了した人数は、セランゴール州が最も多く18万7,443人だった。それに▽サラワク州(16万8,471人)▽ジョホール州(14万2,868人)▽ペラ州(13万9,612人)▽クアラルンプール(13万1,882人)ーーが続いた。

国内で最も人口の多いセランゴール州では、7月には1日あたり13万5,000人、8月には16万5,000人と、ワクチン接種数を増加させ、9月までに接種率80%を達成する計画だ。 (エッジ、6月16日)