官民連携の産業ワクチン接種が開始、職場での感染を抑制

【クアラルンプール】 新型コロナウイルス「Covid-19」の官民連携の産業ワクチン接種プログラム(PIKAS)が16日に開始した。

PIKASの第1期では製造業のサブセクターの従業員が対象で15万回分のワクチンが割り当てられている。これまでに約500社から約10万6,000人がワクチン接種を申し込んだ。

半導体メーカー、米系テキサス・インツルメンツ(TI)で行われたワクチン接種を視察したムヒディン・ヤシン首相は、15日に発表した国家復興計画(PKP)の第1段階では、集団免疫の達成を目標に掲げていると言明。PIKASにより予防接種の促進に繋がるとして期待を示した。また職場が主な感染源となっていることに触れ、特に工場や宿舎で感染者を多く出していると指摘。雇用主が「1990年労働者住宅・設備法」(第446法)を順守していないことの表れだとした。

アズミン・アリ上級相(通産相兼任)によると、TIでは2,371人の従業員のうち16日は300人が接種を受けた。17日にはペナン州のブキ・ジャウィ・ゴルフ・リゾートでワクチン接種がスタートする。21カ所の工場で働く約1万6,402人がワクチン接種を受ける予定だ。18日にはジョホール州ペンゲランにおいてペトロナスの従業員5,123人へのワクチン接種が開始する。

(ニュー・ストレーツ・タイムズ、ザ・スター、6月17日、フリー・マレーシア・トゥデー、6月16日)

中国政府、マレーシアへシノバック製ワクチン50万本を供与

【クアラルンプール】 ヒシャムディン・フセイン外相は、中国政府が科興控股生物技術(シノバック・バイオテック)製の新型コロナウイルス「Covid-19」ワクチン50万本をマレーシアに供与すると発表した。

同相は、今回の供与はタイムリーであり、現在進行中のワクチン接種プログラムの強化に役立つと感謝を表明した。

現在、集団免疫の獲得のためにワクチン接種が急がれており、7月以降1日当たり20万人、8月以降は30万人以上の接種が目標として掲げられている。 (エッジ、東方日報、6月16日)

1日あたりワクチン接種回数が20万回を突破

【クアラルンプール】 ワクチン供給アクセス保証特別委員会(JKJAV)が発表した最新のデータによると、6月15日の新型コロナウイルス「Covid-19」接種回数は21万5,876回だった。1日の接種回数が初めて20万回を突破した。

内訳としては、16万226人が1回目、5万5,650人が2回目の接種を受けた。7日間移動平均は15万9,141回、累計では490万回の接種を完了。147万人が2回接種を完了済で、197万人が1回のみ接種となっている。

1回目の接種を受けた人数は、クアラルンプールが最も多く59万7,419人だった。それに▽セランゴール州(51万5,132人)▽サラワク州(39万281人)▽ジョホール州(32万2,644人)▽サバ州(26万7,001人)ーーが続いた。

2回目の接種を完了した人数は、セランゴール州が最も多く18万7,443人だった。それに▽サラワク州(16万8,471人)▽ジョホール州(14万2,868人)▽ペラ州(13万9,612人)▽クアラルンプール(13万1,882人)ーーが続いた。

国内で最も人口の多いセランゴール州では、7月には1日あたり13万5,000人、8月には16万5,000人と、ワクチン接種数を増加させ、9月までに接種率80%を達成する計画だ。 (エッジ、6月16日)

非常事態宣言、統治者会議が延長しないよう提言

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 アブドラ国王の呼び掛けで緊急統治者会議が16日に招集され、8月1日に期限を迎える非常事態宣言を延長しないことなどからなる提言をとりまとめ発表した。

統治者会議に先立ってアブドラ国王は各党派や警察や軍、保健分野などのトップ18人を個別に呼んで意見を聞いており、これに基づき宣言を延長しない方針や早期の国会再開を求めることなどを統治者会議で提案した。統治者会議の出席者らもこれを全面的に支持したという。

統治者会議の事務方トップであるサイド・ダニエル・サイド・アハマド印章管理人によると、統治者会議は人々の生活と生計を他の何よりも優先しなければならないという意見で一致しており、国会だけでなく州議会の開催も直ちに許可するべきとの国王の提案を支持した。

また統治者会議は、政治的対立を緩和すべきとした上で安定政権の重要性を強調。行政、立法、司法の各部門間のチェックとバランスのメカニズムを尊重し、特に財政に関連する問題において透明性を担保し説明責任を果たす統合された行政を保証することが重要だとの認識を示した。

統治者会議の発表を受け、首相府は17日、統治者会議の見解に留意し、憲法・法律に基づいて必要な措置を講じるとの声明を発表した。

新型コロナの新規感染者数は5738人、セランゴール州が最多

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は17日、新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者数が5,738人となったと発表した。アクティブ感染者数は6万6,097人で、累計感染者数は67万8,764人となった。

州・地域別の感染者数はセランゴール州が最も多く1,858人だった。それに▽ネグリ・センビラン州(1,086人)▽クアラルンプール(KL、641人)▽サラワク州(559人)▽ジョホール州(449人)▽サバ州(248人)▽ケダ州(197人)▽マラッカ州(184人)▽クランタン州(154人)▽ラブアン(97人)▽ペナン州(97人)▽トレンガヌ州(77人)▽パハン州(54人)▽ペラ州(30人)▽プトラジャヤ(7人)ーーが続いた。新たに7,530人が回復し、累計治癒者は60万8,465人となった。死者数は60人で、累計で4,202人となった。

保健省のノール・ヒシャム事務次官は16日、過去2週間の新規感染者数は減少したが、集中治療室(ICU)で治療を受ける患者数には大きな変化がなく、使用率は100%を超えたままだと懸念を表明。一方で19カ所のクラスターを新たに確認したと明らかにした。

職場では最も多い10カ所のクラスターを確認した。またコミュニティで5カ所、高齢者施設で4カ所のクラスターが発生。州別ではセランゴール州で最も多い6カ所のクラスターが発生した