井村屋、マレーシアで「あずきバー」を発売へ

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 井村屋グループ(本社・三重県津市)は、同社の主力製品である「あずきバー」3品をマレーシアで9月に発売開始すると発表した。同社にとり創業から48年間で初めての海外での現地生産・販売となる。

同社は、マレーシアを東南アジア諸国連合(ASEAN)市場のゲートウェイとして最適と考え、井村屋マレーシアを2019年に設立。マレーシア国内のアイスクリーム市場進出に向けた準備を進めてきた。

マレーシア市場に投入する商品は、「あずきバー」シリーズの特長を生かしつつ、マレーシア向けに完全ローカライズ。人口の約60%を占めるイスラム教徒も考慮してハラル(イスラム教徒向け)認証を取得している原材料を使用し、甘さや食感なども現地の嗜好に合わせた。

「あずきバー」も、マレーシア・イスラム開発局(JAKIM)のハラル認証を取得。井村屋の伝統製法であずきを丁寧に炊き上げ、あずき本来の味わいを楽しめる「あずき」、風味豊かな宇治抹茶をたっぷり使用した抹茶ラテアイスとあずきが織りなす、上質な味を楽しめる「抹茶」、日本でも人気のあるクリーミーなミルクアイスとあずきのコンビネーションを楽しめる「ミルク」3種から成る。内容量は各70ミリリットル。価格はオープン価格となっている。

 

「ロックダウン延長は経済を駄目にする」、独商工会など

【クアラルンプール】ムヒディン・ヤシン首相が発表した国家復興計画では経済活動を制限するロックダウンの長期施行が盛り込まれており、在マレーシア・ドイツ商工会議所のダニエル・ベルンベック最高責任者は「ロックダウンをさらに12週間続ける内容であり、多くの経済部門に深刻な打撃を与え、解雇、債務不履行、さらには倒産が増える」と述べた。

マレーシアから部品供給を受けている外国の企業が調達先をほかの国に変更するする恐れがあり、投資家がマレーシアへの投資計画を取り止める可能性もあるという

欧州商工会も、復興計画はロックダウンを長引かせるものであり、経済回復が少なくとも12週間、阻害されると指摘。現在施行中の完全ロックダウンは暫定措置とし、6月末に見直すのが望ましいとした。

また国際サプライチェーンにあって、注文に応じられないマレーシア企業があるためマレーシアの名声が低下しているという。

マレーシア製造業者連盟(FMM)は、今回のロックダウンが産業部門に与える影響は深刻とし、政府に支援措置を要請した。

(マレーシアン・リザーブ、6月17日)

交通機関従事者に勤務先でのワクチン接種を開始

【ペタリンジャヤ】 ウィー・カション運輸相は、6月第4週から交通機関で働く労働者が勤務先の空港、港、バス発着所などでワクチンを接種できるようにすると発表した。運輸業界の接種率を向上させるための施策。

官民連携ワクチン接種プログラム(PIKAS)が6月16日より開始されているが、運輸業従事者25万人への接種を具体的にどう進めるかの戦略が待たれていた。運輸業界では、船員、パイロット、航空管制官、客室乗務員、倉庫作業員、港湾スタッフ、鉄道・バス乗務員など、10万7,000人が最前線従事者に相当する。

同相と新型コロナウイルス「Covid-19」ワクチン接種調整担当大臣を兼任するカイリー・ジャマルディン科学技術革新相が協議の上、方針を決定した。 (フリー・マレーシア・トゥデー、6月17日)

国家復興計画、アナリストから不安視する声

【クアラルンプール】 新型コロナウイルス「Covid-19」の出口戦略として政府が打ち出した国家復興計画について、多くのアナリストから不安視する声が上がっている。

TAセキュリティーズは、政府が3つの主要指標がすべて正常に満たされた場合にのみ次のフェーズに移行するとしている点に言及。政府が第2フェーズへの移行を7月から8月の間、第3フェーズへの移行を9月から10月の間、第4フェーズへの移行を11月から12月の間との見通しを立てているが、計画通り進まない場合はそれぞれのフェーズ移行が先延ばしとなり特に下半期の経済見通しが不透明なままになっていると指摘している。

また政府がフェーズ1に当たる現在の完全ロックダウン(MCO3.0)における1日当たりの経済損失を10億リンギと低く見積もっている点(TA試算は15億リンギ)に触れ、今後のフェーズの遅れがさらに下半期の経済にも影響を及ぼすとした上で、新たな景気対策が早々に打ち出されることも期待できないと批判的な見方を示している。

OCBCバンクは政府がこれまでの通年国内総生産(GDP)成長予想をプラス6—7.5%で維持していることに触れ、フェーズ1がこれ以上延長されないと仮定すれば、政府予想の下限を2ポイント引き下げることになるとしプラス4%を予想している。

サンウェイ大学ビジネススクールのイア・キムレン氏は、まったく計画がないよりはましだが多くの仮定と骨格のみだと指摘政府がこれを元に経済成長を促すための戦略と対策を考え出す必要があるとしている。

また世界的な半導体不足を例に挙げ、グローバルなサプライチェーンの中にあって食糧、エネルギー、その他の主要なニーズについて過度に海外に依存しないよう経済の再構成を考えるべきだとしている。 (ザ・サン、ベルナマ通信、6月16日)

新型コロナの新規感染者数は6440人、再び6千人超

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は18日、新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者数が6,440人となったと発表した。アクティブ感染者数は6万5,602人で、累計感染者数は68万5,204人となった。

州・地域別の感染者数はセランゴール州が最も多く2,095人だった。それに▽ネグリ・センビラン州(870人)▽クアラルンプール(KL、816人)▽ジョホール州(592人)▽サラワク州(536人)▽ペラ州(357人)▽マラッカ州(223人)▽クランタン州(200人)▽サバ州(199人)▽ケダ州(159人)▽ラブアン(152人)▽ペナン州(122人)▽パハン州(79人)▽トレンガヌ州(32人)▽プトラジャヤ(6人)▽ペルリス州(2人)ーーが続いた。新たに6,861人が回復し、累計治癒者は61万5,326人となった。死者数は74人で、累計で4,276人となった。

保健省のノール・ヒシャム事務次官は17日、25カ所のクラスターを新たに確認したと明らかにした。

職場では最も多い20カ所のクラスターを確認。またコミュニティで4カ所、教育機関で1カ所のクラスターが発生した。

州別では、セランゴール州とジョホール州でそれぞれ6カ所、ケダ州で4カ所、ペナン州、サラワク州、ネグリ・センビラン州でそれぞれ2カ所、マラッカ州、トレンガヌ州、KLでそれぞれ1カ所発生した。