新型コロナ感染者が新たに16人、うち12人は国内感染

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は19日、新型コロナウイルス「Covid-19」の感染者数が前日から16人増えて9,235人になったと発表した。

  新規感染者のうち4人がバングラデシュ、フィリピンからの入国者。残り12人はケダ州(7人)、ペナン州(4人)、ジョホール州(1人)で感染した。新たに23人が退院し治癒者数は8,925人に増加した。死者数は20日連続ゼロで、125人を維持した。

  半島北部で拡大するケダ州タワルのタワル・クラスター、同ヤンのサラ・クラスターについて保健省のノール・ヒシャム事務次官は、標準運用手順(SOP)を厳守していなかったことが、クラスタ拡大を引き起こしたと非難した。

  1日に親族内で行った追悼式で発生したタワル・クラスタについて保健省の調査によると、式の規模に対し多くの人が参加し、社会的距離が保たれていなかったことが分かった。

  サラ・クラスタにおいては病院への訪問から感染が拡大したという。クラスタ内1人目の感染者とされているマレーシア人男性は別の治療目的で入院しており、入院時の検査では陰性だったが、後日の検査で新型コロナに感染していることが分かった。同男性の家族全員も感染していることが後日判明したことから、病院に訪れた家族がウイルスを持ち込んだ可能性があると推測されている。

  ノール事務次官は、「3密(英語では3C)」を避けていれば、この2つのクラスタによるウイルスの蔓延は回避できただろうと述べた。

マレーシアの2020年第2四半期のGDP成長率はマイナス17.1%

 8月14日、バンク・ネガラはマレーシアの2020年第2四半期のGDP成長率をマイナス17.1%と発表しました。これは、2009年の世界金融危機時の底(マイナス5.8%)、1998年のアジア通貨危機時の底(マイナス11.2%)を超えて、近年では最も悪い数字です。

図は世界金融危機時とアジア通貨危機時のマレーシアのGDP成長率の推移を現在の時間軸に重ねてプロットしたものです。過去2回の危機と比較して、今回は底が来るのが早い一方で深いことが分かります。月別の経済指標を見ると5月、6月と底を打ったものが多く、第3四半期の成長率はプラスにはならないまでも、マイナス一桁台にまで戻すと考えられます。

2009年の世界金融危機時には外需のショックが国内経済に波及し、1998年のアジア通貨危機時には国内金融システムの機能不全が成長率を引き下げました。これに対し、今回の大幅なGDPのマイナス成長は、活動制限令(MCO)によって直接的に経済活動を止めたことが主因です。マレーシアは大幅なGDPのマイナスと引き替えに、新型コロナウイルスの感染拡大を最小限に食い止めることに成功しました。

5月以降、経済活動は順次再開され、直接的な活動制限によるGDPの減少は速やかに解消すると考えられます。世界経済の減速や失業の増大、消費の減速の影響がどの程度マレーシア経済に影響しているのか判断するには、第3四半期のGDP発表を待つ必要があります。

 

 

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