【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 下院議会(定数222)で15日、2021年度予算案の第3読会が行なわれ、賛成111票、反対108票で辛くも可決した。法案は上院に送られる。獲得議席が過半数に満たないのではないかと野党が指摘していたムヒディン・ヤシン内閣の事実上の信任投票となった。
2人の議員死去(バトゥ・サプ及びゲリック選挙区)に加え、与党連合・国民同盟(PN)を支援する統一マレー国民組織(UMNO)の長老、テンク・ラザレイ氏が欠席したため219人のみが投票した。PN所属議員全員とラザレイ氏を除く国民戦線(BN)所属議員全員が賛成したほか、サラワク政党連合(GPS)、サバ団結党(PBRS)、サバ統一党(PBS)などの友党も賛成票を入れた。
野党側は希望同盟(PH)所属の91人のほか、サバ遺産党(ワリサン)、マハティール・モハマド前首相が先ごろ結党(現時点で未公認)した祖国戦士党(ペジュアン)などが反対票を投じたがわずかに及ばなかった。
前日の14日にマハティール前首相と、ムヒディン政権を支持するUMNO執行部に批判的なラザレイ氏が緊急会見し予算案反対を呼び掛けたが、与党側でこれに呼応して寝返る者は出ず不発に終わった格好だ。