新型コロナ第3波&CMCO、ホテル業界に打撃=ホテル協会

【クアラルンプール】 ホテル業界関係者によると、業界は新型コロナウイルス「Covid-19」の感染第3波およびその抑制に向けた条件付き行動制限令(CMCO)の発令による打撃を受けている。
マレーシア・ホテル協会(MAH)のヤップ・リップセン最高責任者(CEO)は、新型コロナ感染者数の急増によりホテルの予約キャンセルが相次ぎ、10月の第2週におけるホテルの稼働率が約30%に低下したと指摘。CMCOの施行対象となっているサバ州、クアラルンプール(KL)、プトラジャヤ、セランゴール州ではさらに低下するとの見方を示した。ホテル業界における標準運用手順(SOP)については、感染ピーク時にも対処できるよう設定されていると強調した。
MAHによると1 7月間の平均稼働率は32.3%。7月単月では36.69%に上り、パハン州、トレンガヌ州、ペラ州の稼働率は50%を超えた。稼働率のピークは8月の連休で、42%にまで上昇。その後やや減少し約39%を維持していた。1ー6月間の客室の損失額は33億リンギを超えるという。
マレーシア旅行代理店協会(MATTA)のモハド・アキル・モハド・ユソフ副会長は、観光地に隣接する州で新型コロナが蔓延しているため、9月から予約キャンセル数が増加していると言明。ホテル経営者、航空会社、飲食店など観光客から収入を得ている業界が打撃を受けていると述べた。これらの業界が生き残るためには、感染率の低い国との国境再開だと主張した。
(マレーシアン・リザーブ、10月28日)

百貨店「ロビンソンズ」が事業清算、マレーシアから撤退

【クアラルンプール】 シンガポールの百貨店「ロビンソンズ」は、マレーシアとシンガポールにおける事業を清算すると発表。マレーシア国内の店舗2店舗を閉鎖しマレーシアから撤退する。
ロビンソン・コー(マレーシア)によると、新型コロナウイルス「Covid-19」流行の影響でオンラインショッピングの増加により、店舗での販売需要の低迷により事業を継続することが難しくなった。またマレーシアでは今後も消費者による支出引き締めが今後も続くことが予想されること、小売業界の成長率が過去33年間で最低となったこと、年末まで明るい見通しを持つことは難しいと判断したことから、同社は清算手続きを開始した。
ロビンソンズは現在、クアラルンプール(KL)のミッドバレーにあるショッピングモール「ガーデンズ・モール」、KL中心部のホテル「フォーシーズンズホテル・クアラルンプール」に併設されたショッピングモール「ショップス・アット・フォーシーズンズ・プレイス」に店舗がある。
ロビンソンズによると、小売業の今後の動向を調べた報告書では、世界的に有名な小売業者も事業を撤退する動きが出ており、ショッピングモールに出店する店舗の半数は今後5年で閉店すると見込まれている。
(ベルナマ通信、10月30日)

国会開幕も午後1時で休会、上院議員関係者の感染受け

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 新型コロナウイルス「Covid-19」の再拡大の中で注目されている国会が2日に再開されたが、初日は上院議会議員のスタッフから感染者が出たことから急遽初日の審議は午後1時で打ち切られた。下院議会は3日午前10時から再開される予定だが、野党からは会期延長を求める声が上がっている。
休会の動議を急遽提出したタキユディン・ハッサン首相府相は、保健省の助言を受けて決定したと述べた。陽性反応が出たのはラス・アディバ・ラズリ上院議員のスタッフの1人である
実妹で、ラス・アディバ氏は感染の疑いがある家族10人が検査結果を待っている状態だと明らかにした。
本国会では、今後の新型コロナ対策を行なう上で重要な2021年度予算案発表を6日に控えており、先ごろ自身の非常事態宣言案がアブドラ国王に却下されたムヒディン ヤシン首相に対する不信任案が審議されるかどうかも注目されている。ムヒディン首相によると、本国会に先駆けて議員から出された25の動議が内閣不信任案だった。ただマレーシアの国会規則では国政に関する審議が優先されることになっており、審議に入れるかどうかは不透明だ。
ムヒディン首相率いる与党連合・国民同盟(PN)は、下院議会でギリギリ過半数を維持している不安定な状態。離反者が出た場合には予算案が通らない可能性がある。与党内部にはムヒディン首相に不満をもつ議員が少なくなく、おおっぴらにムヒディン首相の辞任を求めている。

新型コロナ感染者は新たに834人、退院者数が感染者数上回る

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は2日、新型コロナウイルス「Covid-19」の感染者数が前日から834人増加したと発表した。アクティブ感染者数は9,968人で、累計感染者数は3万3,339人になった。

州・地域別の感染者数は▽サバ州(503人)▽セランゴール州(129人)▽ラブアン(105人)▽クアラルンプール(Kl、22人)▽ペナン島(21人)▽ネグリ・センビラン州(16人)▽サラワク州(14人)▽ジョホール州(9人)▽プトラジャヤ(6人)▽ケダ州(3人)▽ペラ州(3人)▽クランタン州(2人)▽パハン州(2人)ーーとなった。新たに900人が治癒し、新規感染者数を上回った。死者数は2人増えて累計251人になった。

保健省のノール・ヒシャム事務次官によると、1日には新たに2つのクラスターが検出された。3万697人目の感染者に関連してセランゴール州クランとペタリンで「ウハサ・クラスター」が発生した。1日時点で25人に検査を実施し、17人の感染がわかっている。またペナン州の北東部と南西部では「テンバガ・クラスター」が発生した。10月28日に重症急性呼吸器症候群の検査で陽性反応が出た2万9,359人目の感染者に接触した人を対象に実施した検査ではこれまで7人が陽性となっている。

首都圏でのSOP厳格化を検討、3日にも詳細発表へ

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 イスマイル・サブリ・ヤアコブ上級相(兼国防相)は、首都圏クランバレーを対象に、営業時間短縮を含む標準的運用手順(SOP)の厳格化を検討していることを明らかにした。
新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者数が増加を続けていることを受けたもので、3日に開催される国家安全委員会(NSC)会議で検討した上で詳細を発表する予定。首都圏クランバレーの3地域(セランゴール州、クアラルンプール=KL、プトラジャヤ)は感染者が減らないことを受けて、10月14日付けで発令されていた条件付き行動制限令(CMCO)が11月9日まで延長されていた。
またサブリ上級相は、ジョホール州にある保健省の訓練施設でクラスターが発生したとして3日から16日まで強化行動制限令(EMCO)を発令すると発表した。またサバ州コタキナバルの2つのエリアに発令されていたEMCOを16日まで延長すると発表した。
■首都圏&サバ州の最新SOP、NSCが発表■
NSCは1日、CMCOが延長された首都圏とサバ州における最新版SOPを発表した。首都圏とサバ州では活動可能な範囲や店舗の営業時間や座席など一部の規定が異なっているため注意が必要だ。
サバ州では全般的に首都圏より規制が厳格化されており、飲食店では店内飲食が禁止となり、デリバリー&テイクアウトのみとなる。営業時間も首都圏より短くなっている。夜市の営業は禁止となる。また宿泊施設での宿泊は認められるが、宿泊者の外出は不可。
スポーツ活動は、首都圏では非接触型スポーツ、ジョギング。サイクリングなどの野外スポーツに限りKLでは10人以下、セランゴール州では5人以下まで認められる。スポーツジムやフットサル場、バドミントン場の営業も時間及び定員限定で認められる。一方、サバ州では、すべてのスポーツ活動は禁止される。