「イスラム教徒のみ」歯科医院の求人広告が波紋

【ペタリンジャヤ】 セランゴール州シャアラムのある歯科クリニックが求人広告に「イスラム教徒のみ」と掲載し波紋をよんでいる。

人種差別的な求人広告を掲載したのは、20年以上の経験があるというデンタル・リパブリックという名称の歯科クリニック。求人広告には募集対象はイスラム教徒のみで、「職員は毎日の祈りを厳守する必要がある」としている。これに対してネット上では「資格や経験ではなく、信仰が問われるのはおかしい」と批判の声が上がっていた。

これを受けた経営トップであるニック・アハマド・シャキル医師は、純粋にイスラム教の信念に基づいていると説明。同クリニックでは、全職員にイスラムに沿った行動を求めているためイスラム教徒でなければならないとし、「我々はアッラーの喜びを得ることがより重要であると考えている」、「この決定のために誰かが不快に感じたならば謝罪したい。しかし職員の選択に関しては我々は確信を持っている」と反論した。

ちなみにマレーシアでは、反対に非イスラム教徒や非マレー系のみを対象とするような求人広告を出すことは不可能。

(フリー・マレーシア・トゥデー、11月4日)

10月の航空旅客が前月比60.5%減、CMCOが影響

【クアラルンプール=マレーシアBIZ】 マレーシア・エアポーツ(MAHB)によると、10月の国内空港における航空旅客数は新型コロナウイルス「Covid-19」の影響で前年同月比92.1%減の67.7万人にとどまった。前月比でも首都圏やサバ州で発令された条件付き行動制限令(CMCO)で国内線旅客が激減したのが影響し、60.5%の大幅減となった。
国際線は前年同月比97.9%減の8.9万人で、一部の外国航空会社の運航再開で増加に転じた前月の8.8万人から微増となった。一方、国内線はCMCOの影響で同86.2%減の58.8万人にとどまり、162.5万人だった前月から63.8%減となった。
クアラルンプール新国際空港(KLIA)は21.2万人で、前年同月比で95.8%の減少。国際線が97.6%減の8.7万人で、国内線は91.1%減の12.5万人となった。前月比では国際線は1,000人増加したが、国内線は74.7%の大幅減となった。
KLIAを除く国内空港は前年同月比86.8%減の46.5万人で、前月比では59.0%減少した。国際線は99.7%減の2,000人で前月比では横ばい。国内線は83.8%減の46.3万人で、前月比では59.1%の大幅減となった。

ウイルス禍にかかわる紛争の仲裁センター、首相府機関として開設

【クアラルンプール】 政府は首相府直属機関として、新型コロナウイルス感染症「Covid-19」のため一方の当事者が契約を履行できなかった場合の紛争を仲介するセンターを開設した。
タキユディン・ハッサン首相府相(法務担当)によると、Covid-19の影響を軽減するための暫定措置法に基づく措置で、額が30万リンギかそれ以下の紛争を扱う。
企業、個人のだれでも利用が可能で、経費、時間のかかる裁判所に持ち込まず紛争を解決できるという。政府は中・低所得層および零細企業に対しては仲介手数料を補助する。
タキユディン氏によると、▽資材、機器、労働者の供給・派遣を伴う建設契約▽建設契約または供給契約に伴う契約履行保証状▽専門職サービス▽住宅以外の不動産のリースまたはレンタル▽ビジネス会議、報奨旅行、展示会、コンサート、パーティー、スポーツイベントなど場所、施設、娯楽、仕出しの提供を伴うイベント契約▽観光業者が結んだ契約▽巡礼旅行に関する契約ーーが仲裁対象。
(エッジ、11月11日)

新型コロナ感染者は新たに919人、サバ州が319人

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)12日、新型コロナウイルス「Covid-19」の感染者数が前日から919人増加したと発表した。アクティブ感染者数は1万1,419人で、累計感染者数は4万3,791人となった。

州・地域別の感染者数は▽サバ州(319人)▽ネグリ・センビラン州(240人)▽セランゴール州(174人)▽ペナン島(63人)▽クアラルンプール(Kl、49人)▽ラブアン(35人)▽ペラ州(9人)▽ジョホール州(8人)▽マラッカ州(8人)▽サラワク州(8人)▽ケダ州(3人)▽クランタン州(2人)▽プトラジャヤ(1人)ーーとなった。パハン、トレンガヌ、ペルリス3州はゼロだった。新たに996人が退院し、累計治癒者は3万2,069人だった。死者数は1人増えて累計303人となった。

保健省のノール・ヒシャム事務次官によると、11日には新たに3つのクラスターをサバ州で確認した。サンダカンで「カラムティン・クラスター」(陽性者は21人)、コタキナバルで「サガ・クラスター」(9人)、ラハド・ダトゥで「ハブン・クラスター」(11人)が発生した。

一部の州を除き全国的に発令されている条件付き行動制限令(CMCO)について疑問の声が出ていることについて、ノール氏は感染が複数の州に渡り広範囲で起きていると強調。職場や工場、病院にも影響が出ており、積極的に対策を講じる必要があると述べた。CMCOによりセランゴール州では感染者が減少しており、部分的な封鎖は感染拡大に効果があったことがわかっているとし、CMCOの実施は必要な措置であると説明した。

日本政府観光局、1月にオンライン訪日セミナーを開催

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 日本政府観光局(JNTO)クアラルンプール(KL)事務所は、2021年1月にKLとペナン及びジョホール州の現地旅行社と日本の自治体、観光関連団体との間で2回に分けてオンライン訪日セミナー・商談会を開催する。
2020年度のビジット・ジャパン(VJ)事業の一環で、今年は新型コロナウイルス「Covid-19」の影響により、初めてオンライン形態での開催となる。
開催日はKLの旅行会社向けが1月13日、ペナン及びジョホール州の旅行会社向けが1月19日で、日本側が訪日観光についてプレゼンし、マレーシア側と商談を行なう。日本側はそれぞれ30団体程度、マレーシア側は40社程度の参加を見込んでいる。締め切りはそれぞれ11月27日。1月6日に事前説明会が行われる。